茶山守廣・隠岐三味線ブログ

名残尽きぬに 銅鑼が鳴る今宵

西郷港は 小雨も降らぬに 袖しぼる

        (隠岐民謡・しげさ節)

今津地区の「とんど」

2009年01月20日 | 気まぐれ日記
隠岐の島町の今津地区では毎年1月15日に、昔から地区に伝わる「とんど」行事が行われます。
今年も氷点下の冷え込みとなった当日の早朝、雪の降りしきるなか今津漁港で豊漁や無病息災など、様々な願いを神聖なる火に託す行事があった。

午前7時過ぎ地区の人たちが「サイフ」と呼ばれる大きな袋に正月飾りなどを入れ、次々に浜に集まり海岸に建てられた高さ15メートルを超える巨大な竹のヤグラに、これらの飾り物を所狭しと取り付けます。
最後に大きな吹き流しが吊るされると、それを合図に積み上げられた藁に火がつけられ、火は大きな火柱となって燃え上がります。

ヤグラが燃え上がるといよいよこの行事のハイライトである。
地区の若者たちが下帯一つで次々と海に飛び込み、柱となっていた大竹を担いで陸に上がり、縁起物として祝い事のある家まで走って運び込みます。

おそらく何百年も前からこの地区に伝わる行事であろうが、この勇壮な行事は今では隠岐の新春を代表する最大のイベントとなった。
全国各地何かにつけ後継者不足が叫ばれる中、ここでも地域の人たちの情熱がしっかりと支えている。