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大磯の風

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『随筆集「虎が雨」』 坂田山心中

2012年06月03日 04時47分38秒 | 日記

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                        『随筆集「虎が雨」』 坂田山心中

                「坂田山は、私が長年住んでいる王城山と、僅かに三沢川

                の細流一と筋を隔てて起つ紅葉山続きの小高い丘陵である。

                坂田山心中のあったのは昭和7年5月8日夜のことである。

                当時なお健在だった私の母が、町へ買い物に出ての帰り路、

                大きな荷をおろして休んでいる四、五人の男たちのいるのに

                 気付いた。  その中の一人が母に挨拶する。  <何かね>

                 と母がきくと、その男は<なァに、心中ですよ。  男の方は

                 大学生らしいが、むざむざ死ぬなんて勿体ない話です>と

                 いう。  母は帰ってくると、すぐ、私にその話をしたが、私は

                 その大学生が、よもや、最近まで、私の講義を聴いていた

                 学生であろうなどとは想像もしなかった。  この学生が慶應

                 義塾の制服制帽を着けていたことを知ったのは翌10日の新聞

                 だった。」    <高橋誠一郎「三田評論」昭和43年3月号>

                 (写真は、大磯駅から北側の坂田山を望む)

 

 


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