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自民党の杉村太蔵衆院議員、年金未納問題で告発されるーその2

2005-10-14 12:22:25 | Weblog
 一昨日に書いたものの続きになります。
 できれば一昨日のブログをお読みになってからのほうがわかりやすいかと。

 大阪地検に告発された杉村議員。なんで告発されたのかわからなかったのですけれど、一昨日のブログで予想した通りだったようですね。


国民年金法

第12条 被保険者(第3号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。


第113条 第12条第1項又は第5項の規定に違反して届出をしなかつた被保険者は、30万円以下の罰金に処する。ただし、同条第2項の規定によつて世帯主から届出がなされたときは、この限りでない。

 第12条では、被保険者になった場合の届出義務があり、また届出を怠った場合は113条により罰則がある。

 そこで、オンブズマンという人たちが告発したのだそうです。
 根拠にしたのは、「学生時代は任意加入だと思っていた。」という杉村議員の発言。任意だと思っていたなら当然手続きをしていないだろうと想像しての告発だそうです。

 でもねえ、確かに杉村議員の未納は酷いにしても、オンブズマンの行動は一体何?って思いますよ。

 年金で届出が必要なことはとても多い。
 海外から帰国して、日本在住になった場合とか、サラリーマンを辞めて自営業になった場合とか、その場合に確実に届出をしている人ばかりじゃない。「人間って忘れることがあるでしょう」それを後で国会議員になったからといって告発されたらたまらん。
 今は、届出しない場合にお役所から指導することも普通ですが、杉村議員が20歳になった時にはくりかえしますが、そんなこともしていなかったはず。

 昔なら手続き未了後の放置ってよくあったようです。手続きをしたあとは、毎回「納付書」がきて「年金払ってね」っていわれ未納も結構プレッシャーだけれど、届出きすらしていないと、「納付書もこない」だからまったり未納ができる(苦笑)。

 また、第3号の未届者なんてのは、罰則どころか遡及して手続きの効力をもたせるという風に逆に「救済」すらしているんです。

 
 20歳時点での、加入手続きと年金手帳交付についてはちょっとだけ聞いてみましたが、場所により様々。
 お役所が自動的に送付するところもあれば、印鑑もって届出をしてから手帳を送付するところもある。一概には言えないようです。

 杉村議員が、20歳のとき住民登録した役所はどうだったんでしょう?自動送付ならそもそも手続き未了ということすら考えられない。お役所は届出がなくてももう手続きを進めて加入ということにしてしまっているんだから、たしかに手続きしてないのは形式的には法律違反なんですけど、「実体に全く影響がない」

 他人を告発するんですから、この程度のことをちゃんと調べてから告発したんでしょうね。疑わしいということであれば告発ができるのでしょうが、あまりにも瑣末なことで告発するのは、他の重大な事件の告訴告発に影響を及ぼします。

 本当にオンブズマンの名前が泣きますよ。