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離婚時年金分割ー11 (週末投稿)

2005-10-01 19:24:26 | 離婚時年金分割
第11回
 前回の続きです。昔貰った報酬は何らかの補正をしないといけないのです。その補正率のことを「再評価率」といいます。
 再評価率は生年月日やその働いた歳によりまちまちですけれど、「物価と賃金の上昇率」を考慮し当時の報酬額を現在に引きなおす率と大雑把に考えておいて良いでしょう。
 40年前の再評価率が6.87なら1965年(昭和40年)の1万円が現在価値では 6.87万円となるわけです。

 さてその按分する標準報酬ですけれど、どういう風に計算するかは法律に規定があります。
 「請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総額の合計額に対する第2号改定者の対象期間標準報酬額の割合を超え2分の1以下の範囲内で定めなければならない。」
 
 ちょっと難しいですね。原文だと。でも言っていることは簡単。仮に夫が第1号改定者(分割して与えるほう)の場合、夫の標準報酬+妻の標準報酬 =全体の標準報酬 と 妻の標準報酬 を比較し、妻の標準報酬を超えて、夫の標準報酬+妻の標準報酬の2分の1以内にするように定めなさい、となっている。この場合の報酬には平成15年4月以降の場合には賞与も入ります。

 さらに噛み砕けば、夫の分ー妻の分=差額 これをゼロから2分の1までの間で分割する割合を決めなさいということ。

 (例)婚姻期間内の夫の標準報酬合計が100 妻の標準報酬の合計が60ならば、財産分与に関して、夫が100(100は含まない)-80 妻が 80-60(60は含まない)の間になるように分配率を考えなさいということ。

 ここで、第2改定者(分割される方)の対象期間標準報酬額の割合を「「超え」」 という文言は、「ゼロじゃダメ」ってことを意味していると思います。自分で読んで素直に考えるとそうです。だとすると、極端な話、妻が100%離婚に対して責任がある場合、つまり夫はどこも悪くないのに「妻が若い男を作ってどこかに駆け落ちした場合」などでも、妻のほうから離婚時に分割を求められたら年金を分割せざるを得ないってことですかね? 何かしっくりきませんが。でも、後で述べる「第3号被保険者の場合は、それどころか妻に全面的に責任があるケースでも自動的に夫の年金折半ということですから、妻が新しく男を作って駆け落ちしてなおかつ年金まで半分抱えて逃げてしまうということですから(それに対して夫のほうは何らの対抗策もない)、それに比べたらまだマシなのかもしれません。

 離婚時の慰謝料などは、離婚の原因(浮気したとか子育て非協力だったとか其の他諸々)が大きく影響を及ぼしてくると思いますが、離婚時年金分割の分割割合を決める場合、そのポイントは一体何なんでしょう(これは現時点ではわかりません)。
 第3号の専業主婦の年金が自動的に半分ならば、共働きの場合の夫婦もそのお互いの稼ぎを合算して年金額を半分に自動分割するほうが制度としてすっきりしたのではないかと思うのですが。