さあ~てと 帯しめましょか。

人生、山あり谷あり
向かうはわが身の置き場所よ。
帯締め、気を染め、往きましょか・・・  ~part 2~   

さっちゃんと父 ★ 20 ★

2008年09月05日 15時12分12秒 | 実家の想い出

帯ちゃんシリーズ、第三弾!

今回は、帯ちゃんことさっちゃん自身が想い出語りをしています。

待ちに待った結婚への道のり・・・

だが、父にとっては不安要素がもうひとつあった・・・それは・・・・・

引き続き、『 さっちゃんと父 』、どうか宜しく、お見知り置き下さい。。。

 

 

≪其の20≫ 父の内心

 

母から手紙を預かってきてん。」

   え~~私へのラブレターかなっ??んなわけないか!

      ・・・なあんだろ?気になるなあ~~

 

「何て?」

「知らん!さっちゃんとお父さんに渡してくれってさ。」

   ますます気になる~~~~

       気になるきに~なる~きですね~~~

 

「ふ~ん。・・・じゃ、後でお父さんと見るわ。」

   彼の前で開けられない雰囲気が~~

       やだなあ今日は気になって

         デートどころじゃない気が~~~~

 

 

 

「きたか!・・・」

封書を見た父の開口一番である。実は、父には気がかりなことが

あったという。思えば父はこんなことを予想していたのかもしれない。

私の実の親について聞かれるかと、思っていたようである。

そして、これによって破断になることを懼れていたようである。

 

しかし、手紙の上の願い事は、戸籍抄本を見せてほしいというもの

だった。あとから私の親が現れて何かいちゃもんでもつけられたら

困るだろうというような心配だろうか?

私はこのとき、初めて戸籍抄本なるものを見た。

そこに初めてみる苗字

 

「これが、私の名前・・・。」

 

それはまるで他人の名前のように思えた。

今さら、この名前を見たって何とも思わない・・・はずだった・・・

こんな親のために一粒の涙さえ流してやるもんか・・・

 

私にはちゃんと両親がいるのだから・・・ 

私は、・・・本当の愛を見つけたのだから・・・ 

もう、必要ないんだ。捨ててしまえばいい・・・

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

一人になると息ができなくなるほど、自分に還ってきた・・・

 

 

 

次に彼が来たとき、帰りに封書を渡した。

 

「これ、お母さんたちに渡しといてね。」

「うん、・・・で、なんやったん?」

「えっ!ちょっと頼まれたもの。もらってきたから・・・」

「僕に言われへんもんなん?ちゃんと僕の目を見ていうて!!」

 

彼は彼なりに凄く気になっていたようだった。

息子に怒られるという彼の母のことを思うと絶対内緒にしてや、

と口止めして抄本を見せた。

彼は、自分の親が情けないと、私のために泣いてくれた。

 

「なにかあったときに名前を知りたかっただけだと思うから、

ご両親を責めないであげてね!絶対内緒だからね!」

 

私は彼に、この上ないぐらい優しく、口止め料代わりのキスをした。

 

 

 

 

images

 

 

 

つづく。。。

 

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