ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

泣くな、モモちゃん

2006-05-29 | プレーヤー
るぅぅ~~ん♪
シーズン中は、毎朝、新聞のスポーツ欄を読むのが何よりものお楽しみ♪
ところが今朝はスポーツ欄ではなく、新聞の一面にこんな記事が・・・
「オールブラックス、明け方のハンドバッグ事件」
という、ミョーな見出し。
不満顔の若い女のコが持っているロキシーのバッグから、いかにも女のコちっくなライトブルーの携帯電話がはみ出している写真。

「なんかヤーな予感。」
と思って目を通すと・・・・
5行目あたりで、
「おバカぁ~~~~」
と叫びつつ、内心、
「やっぱりぃ~?」
と腰砕けTT
まぁ、聞いてください、このトホホな話。

時はスーパー14決勝戦の翌朝6:30~8:00。
いいですか? 朝ですよ。しかも日曜日の、みんながベッドでヌクヌクしたい朝!場所はクライストチャーチのとあるバー。
日曜早朝のバーっていうだけで、お堅い方には、
「そこにいるヤツら、もう終わってる!」
とあっさり片付けられそうですが、まっ、グッと抑えて聞いてやってください。

一応ここはラグビーブログなので、当然ながらそこにいたのはラグビー選手。
しかも、あろうことか去年一世を風靡しながら世界の檜舞台を去ったオールブラックスの前キャプテン、いまだに国民的尊敬を集める、あの、
タナ・ウマガ
でした。もちろん、こういうシチュエーションで1人なわけはありません。そこには前夜の試合で19:12で惜敗した、ハリケーンズの選手たちがゴロゴロと・・・
「朝帰り」って言葉がありますが、彼らの場合、朝になっても帰ってない@@

初の決勝進出、悲願の優勝の夢は、12年ぶりと言われる記録的な濃霧とともに消え去ってしまいました。当然ながら、朝まで飲んでる彼ら、楽しいわけがありません。

その時、飲んでいた客から足を引っ掛けられたられないで、
クリス・マソエ
が一悶着@@ チャーチのバーですから、当然ながら赤ジャージを着込んだクルセイダーズ・サポーターが大勢いたことでしょう。そんな場所で負けたチームが朝まで飲んでれば、
一触即発もありなんと・・・。
困ったもんです、みんな子持ちオールブラックスなのにぃ!
(後で判明したところによると、マソエは一発殴ってしまったそうな@@)

そこにスッ飛んできたタナ。
「さすが前キャプテン!今でもハリケーンズの精神的支柱として責任感から飛んできたんだろう。飲んでてもなかなか立派じゃないか、やっぱりタナだな!」
と賞賛されそうなシーン。タナは即座にその場からマソエを引き離しました。

と・こ・ろ・が、
そこからがフツーの人にはおったまげ~な展開に@@

世界が認めるタナ、いきなりその辺にあったハンドバッグを引っつかむと、マソエを殴りはじめたんです!!
バシッ☆、バシッ☆ (←効果音)
あまりのチカラに、バッグに入っていた携帯電話が壊れて使えなくなるほどだったとか。それが冒頭の写真。バッグの持ち主の不満顔もわかります、お気の毒さま。

おー!世界のタナが暴力ぅ?
というだけでも、十分新聞ネタですが、殴られたマソエはなんと、
“broke into tears”

えっ? 
ブローク・イントゥー・ティアーズぅぅ??? つまり~、
ワーッと泣き出しちゃったんだそうです~´。`A

泣くな、モモちゃん!こんなことでぇ。
(モモちゃんはモモンガのモモでJCルーキーさんの命名です。モモンガの詳細はコチラで)
そんなんじゃ、7番の黒ジャージが泣くよ、ホントにぃ。

「誰かっ、チャーチまで行ってモモを回収してこいっ!」
って言いたいとこですが、それを頼みたい、
ジェリー・コリンズ
ロドニー・ソオイアロ
マア・ノヌ

なんかは、間違いなく一緒にそこにいたことでしょう。は~┐(  ̄ー ̄)┌

暴力はいけません、絶対に。(しかも知らない人のバッグだなんて!)
「でも、彼らにとってこれって暴力?」
と、フト思ってしまったりして。体重100キロ同士がフルスピードでぶつかり合うハードなタックルで、脳震盪寸前のところからむっくり起き上がるゾンビな連中。
特にマソエなんてその典型。
バッグで殴られようが、携帯が壊れようが、痛いわけないっしょ!(←一応、小声)

痛かったのは、
それがタナからだったってこと。
同じサモア系の心から尊敬するチーフからの公共の場でのおしかり。
(チーフについてはコチラから)
ここで堪えていた負けた悔しさなんかが、一気に爆発しちゃったんでしょうね~。

(「もっと子どもと一緒に過ごそう」などシリーズになっていたタナを使った政府広告。バッグで殴っても人格者´。`?ウェリントンのバスにて→)

「ポリネシアンLOVE」として、個人的にはこの状況、よーくわかるんですが、イギリス系が多いチャーチの方にはこのアイランド、もとい島系の思考回路って難しいかも。
前キャプテンがチームメートに暴力?
しかも、人のバッグで?
それで大の男が人前で大泣き?

もうもう、ハテナ?ハテナ?の連続だったことでしょう。お察しします。
お騒がせしました、ホントに。代わってお詫びを(ペコリ~)

新聞記事も、
「バーに居合わせた客は“信じられない思い” で、前オールブラックスのキャプテン、タナ・ウマガが女性のバッグでチームメイトの頭を殴るのを目撃した」
となってましたが、彼らには“信じられない思い”でも、島系の方にはこれも
“アリ”なんでしょう。(暴力はイケナイけど)

この辺の島系文化は、
映画「シオネズ・ウェディング」を観ると一発で即わかり♪
ハテナ?ハテナ?のチャーチの方にもお勧めです。NZ全国で長期絶賛上映中なので、在住の方でNZラグビーをよりディープに理解したい方にもお勧めしますぅ♪
(映画の感想はコチラから)

ちなみに先週のNZでの「人気映画ランキング」は、
1位「ダ・ヴィンチ・コード」
2位「ミッション・インポシブル:3」
3位「シオネズ・ウェディング」 堂々~☆  ̄ー ̄v
でした。

映画でも、30男が朝までウダウダ飲んでます。
タナじゃなくて、教会の牧師に怒られて、みんなしゅ~んとか。
ケンカして警察沙汰になったり、
おっかさんに怒られたり・・・

これが彼らの本拠地ウェリントンや島系文化の色濃い南オークランドだったら、新聞に載ったとしても一面ではなかったんじゃないかと・・・。
チャーチはまずいよ、チャーチは。

その3、4時間後にはモモちゃんも、その辺で一緒につるんでた(死語)連中も、
み~んなまとめてオールブラックスに指名されてたわけで・・・(笑える)
長生きするよ、キミたち、ホント。
(今ならコチラで問題のバッグの写真が見られます)

モモちゃん、帰ってから絶対、おっかさんにどやしつけられただろうな~。
んっとにもう!おかげで「NZマオリ」の紹介は次回に。
アルゼンチン戦、がんばってよ~。


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