ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

タナの言葉

2006-01-12 | プレーヤー
タナ2@スーパー12百試合タナほどの名選手の「オールブラックス引退」となると、とても1、2回のエントリでは足りません。
いくら語っても名残惜しいことにはかわりありませんが、
今日もタナの話で。
これだけ慕われているタナの人柄。それを表すのに彼自身の言葉以上のものはないでしょう。メディアに出た彼の発言を拾ってみます。

人は常に自分の人生を支配したがるものだ。
一生涯ラグビープレーヤーであり続けたいけれど、それがかなわないのはわかっている。今が(オールブラックスを引退するのに)最良のタイミングなのは間違いない。」
彼らしい率直で明白な言葉。
この有言実行ぶりがリーダーとしての信任を得てきたのでしょう。

「例え今シーズンが12戦11勝という結果にならなかったとしても、やはり決断していただろう。」 
ただし、ワールドカップが2007年ではなく、今年であったとしたら、
もう1年続けていた可能性もあったことを認めています。

過去のいかなることにも後悔はない。
過去を変えることはできない。前に進んで、それとともに生きていくしかない。」
去年のライオンズ戦初戦で、タナとケビン・メアラムがキャプテン、ブライアン・オドリスコルに対して行ったタックルが、
「危険なタックルだったのではないか」
として物議を醸した一件に関しての、有名な発言。

オドリスコルはかなりの負傷を負い、そのまま退場。IRBは「問題なし」としましたが、この一件は、
「スペアゲート事件」 (相手を頭から突き落とす危険なタックルを英語では「スペア・タックル」と呼んでいることから)として、双方に禍根を残すことになりました。
(オドリスコルはグランドスラムツアーの段階でも全治しておらず、彼がキャプテンを務めるアイルランド戦にはタナは不参加)

この件は、イギリス・メディアからの猛烈なバッシングなど、タナの輝かしいキャリアの中で最も辛い出来事だったことでしょう。当時の彼の憔悴とそれを覆す鬼気迫るプレーは今でも忘れられません。

You just have to move on and live with it.
(前に進んで、それとともに生きていくしかない)
という言葉に、彼のさまざまな想いが凝縮されているように思います。

「与えられた環境の中、物事や出会った人たちから多くを学んだ。それにより、
よりよい人間となり、子どもたちがその恩恵に授かれることを期待している。
コーチ陣も揃って、彼がオールブラックスとして人間的に成長したことを認めています。子どもへの恩恵― やっぱり家族想い!

「世の中にはどうにもならないことがある。
恐らく今の段階で、子どもが私の人生の原動力だろう。
彼らのもとに戻り、彼らにとってベストなことをする時が来た。」

それはまた、タナ自身にとってもベストなことになるでしょうね。
Good luck, Tana! 


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