ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

勝ち試合の不満-南アフリカ戦にて

2006-07-22 | オールブラックス
お久しぶりです。大変ご無沙汰してました。10日ほど前に引越し、生活が一変しました。まだ家の中に段ボール箱がある状態ですが、なんとかやっています。
引越しだろうが何だろうが、ラグビーだけは平常通り。
今夜のトライネーションズ、オールブラックス対南アフリカのスプリングボクス戦も、しっかり観ました~♪

結果は35:17でオールブラックスの圧勝。
点数だけ見れば、「ふ~ん、やっぱり。」
てなもんでしょうが、このうち25点をダン・カーターのキックで稼ぎ出し(7ペナルティー、2ゴール)、9番ピリ・ウィープと7番リッチー・マッコウが決めた2トライもダンが起点になったものだったし、

まるで、
ダンの
ダンによる
ダンのための
一勝負・・・

と言われそう。

でも、そんなことはありません。
やっぱりラグビーは15人のスポーツです。いくらダンのキックが良くても、プレーの組み立てが天才的でも、彼がスクラムを組めるわけでも、ラインアウトを取れるわけでもなく、
「やっぱりみんなが一丸となっての勝利なんだよね。」
と、改めて思ってしまいました。

ペナルティーで点を積み上げるなんて面白みのない試合に聞こえるかもしれませんが、スタートはドラマチックでした。開始直後、ラックから出たボールを蹴ろうとしたダンがチャージされ、ボクスは試合時間わずか17秒で先制トライ! これはオールブラックスの長い歴史の中でも記録に残るものでは?

ボクスは先週、オーストラリアの対ワラビーズ戦で49:0という、これまた歴史的な大敗を喫していました。
「今夜はゼロでは帰れない!」
という並々ならぬ意気込みが、ダンというオールブラックの心臓部への神風チャージを成功させたのか?

キャプテンのリッチーがオールブラックス・ドット・コム「選手日記」でも言っていたように、
「スプリングボクスは今週、これ以上ヤル気になれって言われてもムリなくらいヤル気満々」
裏を返せば切羽詰っていたってことでしょうから、ゴールキックも決まって早々に7点を得たことは、ずい分、追い風になったことでしょう。

しかし、追い風は吹いても神風は1回のみ。
そんなにピューピュー吹いちゃったら、神風にならないし´。`A 

その後は攻めても攻めてもオールブラックスの固いディフェンスに阻まれ、その間のミスをフランス人レフリーがこれでもかこれでもかと拾い上げ(試合の流れはブッチブチ)、双方ともペナルティーの嵐。しかも、ボクスの王子様、15番パーシー・モンゴメリーのキックが決まらず(確か7本蹴って)、1ペナルティー、2ゴールと蹴れば蹴るほどキックが100%決まったダンとの差は開くばかり。

立ち上がりの鮮やかさから一転、動揺が広がるボクス。
奇襲の先制点にも非常に落ち着いていたオールブラックス。


前半終了間際にピリのトライが決まって、オールブラックスは19:7とかなり安全圏で後半戦へ。後半は両チームとも1トライずつを決めたもののお互い攻めあぐね、流れができないままキックの差が得点差に。それがボクスへのプレッシャーとなり、後はメルトダウン状態に。特にパーシーはかなり辛そうでした。

勝ってホッと一息ながら、試合後の記者会見でグラハム・ヘンリー監督始め監督陣が、“frustrated”とか“frustrating”とか、とにかく「不満~~`へ´#」
と4、5回繰り返していたのが印象的でした。

それはもちろん、マスコミにありがちな、
「ボクスごときにてこずるなんて・・・」
などという薄っぺらな不満ではなく、決して足並みの揃っていない相手に対し、
「自分たちの思ったような流れを作れなかった」
という苛立ちのようで。

勝ち試合の直後でもそれに奢らず、理想とのギャップという不満からでさえも貪欲に学んでいこうとする姿勢は、いつもの事ながら好感です♪

1日8、9時間寝るのに(小学生並み^m^ぷぷぷぷ)最近はよく眠れなかったというリッチー、今夜はひとまずぐっすりかな?
トライネーション2勝目― 今夜も感動をありがとう!

トライネーションズは好スタート♪

2006-07-08 | オールブラックス
今夜のトライネーションズでの初試合、オーストラリアとのタスマン対決は、
オールブラックスがワラビーズを32:12で下し、まずは勝ち星発進´。`=3

新監督を迎え、イングランド戦、アイルランド戦とラインアウトを始めフォワード力を活かして、新生ワラビーズを印象付けていたオーストラリア。かなりの接戦が予想されていました。(ラグビーくじも試合時間が迫るにつれオッズが拮抗)

ところがフタを開けてみたら、2番ケビン・メアラムの2トライ、7番リッチー・マッコウのテレビ判定でのラッキートライに加え(記者会見で正直に言ってましたが、本人もそれほど自覚はなかったようで´▽`;)、10番ダニエル・カーターのファインプレーが活きて、交代で13番で入った新星イサイア・トエアバが走ってテスト(国対抗試合)初トライを決め、最終4トライとボーナス・ポイントもゲット♪
これでオールブラックスは19試合連続のホームでの勝利! 
立派なモンです(喜)

試合の立ち上がりはどっこいどっこいか、むしろワラビーズに勢いを感じ、そんな雰囲気を反映して、ワラビーズの15番クリス・レイサムが抜け、12番マット・ロジャーズが走り、最後は11番ロテ・トゥキリが先制トラ~イ@@
「リーグ(13人制ラグビー)出身のこのワラタス・コンビを走らせちゃマズイ!」
と、NZサポーターの誰もが思うようなクリアーなプレー。

しかし、前半も半分を過ぎたたところで、ワラビーズの8番ロッキー・エルソムにイエローカード。これを機にワラビーズに動揺が走るのが手に取るようにわかり、ラインアウトが崩れた隙をついてケビンがトライ。彼の2本目のトライもシンビン中で、オールブラックス優勢に。

あの動揺はかなり意外な感じがしました。
ラインアウトに身長2m級の選手を4人も揃え、自信も実力も十分に見えたのに。
「カプラン・マジック」に怖気づいたのか?
と、つい勘ぐりたくなったほど。

というのも今日のレフリー、南アフリカのジョナサン・カプランは、オーストラリア・チーム、中でもワラタスと相性が悪いことで有名なのです。今シーズンのスーパー14の準決勝、ハリケーンズ対ワラタス戦でもワラタス側からはケンケンガクガクの論議が・・・。もちろん、NZ側はまったくもって文句なし┐(  ̄― ̄)┌
きっと明日の新聞では、あのイエローカードが適切だったかどうかワーワーやることになるでしょう。(特にオーストラリアの新聞はスゴいバッシングか?)

個人的には物静かで冷静沈着、決して妙なレフリングをする人ではないと思いますが・・・。高い声で怒鳴り続ける○○とか、態度が高圧的な△△とかよりは、
「ずっといいかな~」と思うのですが。オージー(オーストラリア人)にとっては、
「また、こいつぅ~??」
と、天敵扱いなんでしょう。
レフリーが試合を作る
はある意味、真実かもしれません。

前半は14:7でオールブラックスのリードで折り返し、後半はダンのキックも決まり出し、ワラビーズの追加トライの後、リッチーのトライで点差は27:12と決定的に。この辺りから、控えの選手がドッと出てきてピッチはすっかり様変わり。
(21番のルーク・マクアリスター以外全員総ざらえ!モモちゃんことクリス・マソエは8番に)

特に15番レオン・マクドナルドが下がった後、13番ミルズ・ムリアイナがいつもの15番に戻り水を得た魚にように見えるや、あれだけ事前の論議が喧しかった13番に弱冠20歳のイサイアがスルっと入り、あっさりトライ。試合開始前後のミルズの硬さとは対照的でした。
本当にマルチタレントな芯の太いタイプなんでしょう。
コーチ陣が「イサイア・トエアバ計画」に賭ける意気込みもわかるというもの。
(「イートン計画」同様、「トエアバ計画」も進行中→)

ホームでの試合はお初だった5番ジェイソン・イートン、相変わらず良かったです♪ ラインアウトでのプレッシャーは強かっただろうけど、いつも通りの高い機動力が光ってました。今日で50テストだった大御所4番クリス・ジャックも良かった~♪ 
途中でジェイソンと交代したアリ・ウィリアムズも、
「次回は先発!」
の意気込みがジンジン伝わる好プレー。
リッチー、6番ジェリー・コリンズ、8番ロドニー・ソオイアロの仕事師たちは相変わらず冴えまくりでした。

立ち上がりにちょっとハラハラさせられ、
チャンスはがっつりいただき、
後半に向かってどんどん調子を上げていく、
いつもの不気味さも健在で、まずはホッと一息。

しかし、このパターンに慣れすぎて、
勝って当たり前
はいつものことながら、戒めないと。
どの勝利も選手たちの一刻一秒の努力と機転、たゆまぬ練習の賜物なのですから。

今日の一番のビックリは、国歌斉唱、ハカ(久々の「カパ・オ・パンゴ」でした。14番リコ・ギアのリードに惚惚惚♪)の後、
「さぁ、いよいよ!」
という時に、ジェリーがピッチで用を足しているところが、テレビにバッチリ映ってしまったこと@@ こんなシーンを観たのは初めてでした。けっこう、あることなんでしょうか? カメラもしっかり映してしまってから、
「あっ、ヤバっ!」
と他のカメラに切り替わってました(笑)

それ用のキットもあるみたいで、このクラスになると何万人の前で用足しなんて、もうどーでもいいのか、ジェリーだからなのか´ー`?
「おぉぉぉ、大物っ!」
と夫と大笑いしながらも、なんだかとっても感心してしまう一幕でした。

ハカとハンドバッグ

2006-07-05 | オールブラックス
ニュースでやっていたオーストラリア版「トライネーションズ」の宣伝。
クルマの後輪で、おばあさんが投げるローンボール(芝の上でやるボーリングのようなスポーツ)の硬いボールで、ロテ・トゥキリが素手で、
ぐちゃあ~~
とキウイ・フルーツを潰す、なんともまぁ趣味のワルい映像TT

「オージーの頭の中ってこうなってるの?┐(  ̄― ̄)┌」
って感じでした。これなら去年のライオンズ戦の時の、アイルランドとイギリスの地図が下からサーっと黒く塗りつぶされていく宣伝の方が、遥かにシンプルでクールに思えるんですが。まっ、この辺のセンスも国民性を代弁しているのでしょうから、一つのカルチャーとして受け止めましょう。しかし、まぁ、ストレートな@@

一方で、タナ・ウマガ率いるハカの映像。
なんとオールブラックスは全員が肩からハンドバッグをぶら提げているじゃありませんか@@
リッチーもピリもケビンも、超~マジメな顔して(って、合成ですから当然です)
これには思わず苦笑い!
ハイハイ、あのハンドバッグ事件ですね。
でも、当事者のタナはもう国際試合からは引退しているので、ちょっとタイミングを逸したか?
これも一つのカルチャーとして受け止めましょう。(いっぱい受け止めなきゃTT)

ところ変ってイタリア。
フィアットが黒いドレスの女たちによる「ハカ」のカマテを使ってのCMをオンエア。ニュージーランドは外交ルートを使って抗議したそうですが、あえなく無視。これはマオリの人たちにとって、所属する部族にまで立ち返る大変なこと。ハカやタットゥーを部外者が勝手に真似ることは、そのアイデンティティーを盗まれるにも等しく、大変由々しきこと。
カッコ良さだけで、ハカが無理解のままコマーシャリズムに乗ってしまうのは残念です。(映像はコチラ。下のクルマをクリック)

これって日本人には家紋を、スコットランド人には家に代々伝わるタータンチェックの模様を勝手に使われるようなものなんでしょうか? もっと、深刻なのかな~? まぁ、それだけオールブラックスの注目度が高いとも言えますが・・・。
(サッカー大好きイタリア人が見てもわかるんでしょうか?)

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楽しませていただいている皆さんからのたくさんのコメント、本当にありがとうございます。しかし勝手ながら、またしばらくお休みさせていただくことにいたしました。個人的にこれから先、猛烈に忙しくなってしまうことと、2002年から続けているメルマガ「西蘭花通信」が最近不定期配信になってしまっているため、定期配信への建て直しを優先させていただこうと思います。

コメントをいただきながら返信できないのも心苦しいので、以前のような無愛想ブログにいったん戻し、余裕ができたらまた再開させていただこうと思います。これもひとえに私のタイムマネジメントのまずさが問題なのですが、なかなか改善せず申し訳ありません´。`; どうかご理解いただけますよう。

短い間でしたが、いろいろなお話もうかがえ大変勉強になりました。これからもこのブログともども、ニュージーランド・ラグビーをどうぞよろしく!
皆さまにおかれましても、残りのシーズンを存分にエンジョイしてくださいね!

悩ましの13番

2006-07-04 | オールブラックス
クラブ・ラグビーの話を立て続けにしていたら、マア・ノヌが土曜日のクラブの試合で親指を骨折してしまったというニュースが・・・
「ゲーム感覚を取り戻す」
「ファンサービス、地元への貢献」

と、有名選手のクラブ・プレーは評価されるものの、試合時間が増えればケガの可能性も増えるというもの。マアには今回、多大な期待を寄せていたので残念です。

とは言っても、先週末にクラブでプレーをしていたオールブラックスは、
「今週末のトライネーションズでの先発はなし」
が規定路線だったので(さすがに今週先発する人には許可で出ないでしょう)、多少のケガ(捻挫くらい)は織り込み済みだったのでしょうが、マアの場合、全治6週間、簡単な手術もするという話でかなり深刻です。

彼の代わりに、オークランドの12番サム・トゥイトゥポが呼ばれました。
彼はアルゼンチン戦でイサイア・トエアバと組んだものの、トライネーションズの30人には選ばれませんでした。13番のマアが外れた代わりに12番のサムが呼ばれたところを見ると、コーチ陣は下馬評通り、
「13番はミルズ・ムリアイナで行く!」
と決めているようですが、彼の13番は最近ではスーパー14でちょっとお披露目があったくらい。黒ジャージとしてのお試しなしに、一気に調子を上げているオーストラリア戦へ・・・。
かなりの勝負をかけるようです。

←この写真は今年始めに新聞に載ったもので、
「タナ・ウマガの後を埋めるのは誰だ?」
みたいな内容で今後の12番+13番を占っていました。

当時はスーパー14開幕直前で(確か)、コンラッド・スミスがよもやあんな大ケガをするなど、思いもよらなかった頃。アーロン・メイジャーのスーパー14とアイルランド戦での大活躍もまだまだ先の話で、
「12番はアーロンかルークか?」
ということが真剣に話し合われていた頃でした。アーロンの大成長を目の当たりにしてしまった今、この論議は立ち消えになってしまいましたが。

で、13番。
その頃からミルズが一番人気、次がマアかコンラッドか、というところでした。今や後者2人がケガで消え、ミルズだけが残りました。器用な人なので13番でもなんでもこなすでしょうが、スーパー14で見た限りでは、
「フルバックの方が映えるな~」
という印象でした。しかし、違うチーム違う監督となると話は違ってくるんでしょう。

今回なぜ1つのポジションしかできないサムが呼ばれたのか、意外です。
アーロン+ミルズ
サム+イサイア

の可能性をみているんでしょうか。

いずれにしてもコンラッドが帰って来た時には彼が13番に返り咲く可能性が高いと見ているので(彼こそタナを12番に追いやった実力の持ち主!)、その間にマアが彼なりの13番を魅せる機会をほとんど失ってしまったことが残念で仕方ありません。
どうかこれ以上のケガ人が出ませんように(祈)

対アルゼンチン戦 代わりに報告します

2006-06-25 | オールブラックス
風邪でダウンしているカミさんから「日本でこの試合を観られない人たちに結果を教えてあげて!」というリクエストで、ブログへ初書き込みです。
あっ、私は夫です。

結果は25(3トライ)対19(1トライ)でABの逃げ切り!
トライ:レオン・マクドナルド、ダニエル・カーター、スコット・ハミルトン(初テストマッチで初トライ)

終了直前はアルゼンチンに最後の力を振り絞られてゴール前に釘付け。劣勢が予想されたFW戦は互角だったので、点差ほどは危機感迫る試合ではなかったです。芝がかなり滑る状態だったようで、カーターもアルゼンチンのキッカーもゴールキックはなかなか決まらず。それがABには相手を引き離すことができず、逆にアルゼンチンにとっては追いつけなかった結果になりました。

今日のレフリーは、昨年末のグランドスラムツアーで「AB対イングランド」の笛を吹いたウェールズのレフリーで、あの試合同様にペナルティの嵐が吹きまくり。両チーム合わせて20以上のペナルティは、テストマッチとしては異常な数でした。昨年の対イングランドでは、FWのクリス・マソエ、ニーミア・ティアラタ、トニー・ウッドコックにイエローカードが出ましたが、今日はなんと品行方正で知られるレオン・マクドナルドに。それも残り10分のきつい時間帯・・・。リプレイを見る限りは危険なプレーではなく、単にオフサイドの位置からラックに入ったというもの。レフリーが試合を作ると言いますが、今日の試合を見る限りは「確かに!」と頷けます。

改装中のスタジアムには時計がなかったので、選手たちは残り時間がわからず、試合の組み立てが難しかったことでしょう。

カミさん流コメントは、復活してビデオを観てからになることでしょう。乞うご期待。

そうそう、風邪で寝込んでいるのはカミさんだけではなく二人の息子達も。次男は40度を超える発熱で、昨日は病院へ連れて行ったほどです。元気なのは私だけで、昨日は「ジュニアAB対日本」「フィジー対サモア」「オーストラリア対アイルランド」、さらに「南アフリカ対フランス」を午前3時までテレビ観戦。敵地で1967年以来の勝利を収めたフランスは素晴らしかった。今日のAB戦を含めても、最も見応えのある試合でした。

ところで、南アフリカのトライ欠乏症は、サッカー日本代表のゴール欠乏症同様に深刻で、コーチ陣とサポーター達をイライラさせていることでしょう。ということで、オーストラリアの仕上がりの良さを考えれば、今年のトライネーションはABとオーストラリアの一騎打ちの様相です。今年のワラビーズ、侮れないですよ。チンピララガーと我が家で呼ばれている12番のマット・ロジャーがケガで退場しましたが、トライネーションには200万ドル男のマット・ギトーが間に合うようです。

では、これにてサッ・サッ・サッーと失礼します。

アイルランド戦第2戦-学び舎

2006-06-17 | オールブラックス
アイルランド戦第2戦。
朝から雨模様で降られるのは覚悟の上でしたが、本当に試合開始と同時に降りだし、最後まで止むことなく降り続きました。ところが、試合が終了するやいなやスパッと止み、帰り道では星まで出ていました。気温は6度。イーデンパークをすっぽりと包んだ慈雨は思ったほど冷たくはなく、屋根のない席で選手と同じように濡れながら80分のドラマを観てきました。
(シルバーファーンをかたどった花火のディスプレー。きれいでした→)

結果は27:17で、オールブラックスは101年来の対アイルランド戦での不敗記録を守り抜きました。しかし、先週の初戦の34:23の11点差よりもさらに点差の少ない10点差に、
「オールブラックスもたいしたことないな。アイルランドごときに辛うじて勝つなんて・・・」
と思う人も多いことでしょう。

初戦の翌日の報道もまさにそんなトーンで、
「30~40点差は当たり前」
と見ていた世間は一斉に戦犯探しを始め、すぐにマア・ノヌが槍玉に上がりました。
「13番ジャージを着てるってことはタナ・ウマガの後任だろ?何だこのざまは・・・」
といった論調で、目を疑うほどの酷評ばかりでした。

その一方で、
「オールブラックスをここまで追い詰めるとはアイルランドもなかなかやるじゃないか。」
と言わんばかりに、キャプテン、ブライアン・オドリスコルを筆頭に彼らを誉めそやす雰囲気さえあり、(←試合前の円陣)

「オールブラックスは強くて当たり前。」
という傲慢な思い上がりに背筋が冷たくなったものです。

幸いグラハム・ヘンリー監督率いるコーチ陣は冷静でした。
ヘンリー監督はマスコミと世間がアイルランド・チームへの敬意を欠いていると非難し、バックス・コーチのウェイン・スミスは、
「マア・ノヌはオドリスコルのような一流選手を相手によくやった。アイルランドのディフェンスは何度も彼に手を焼いていたようだ。」
と彼を称え、その力量を力強く支持していました。

スーパー14では監督の方針からか、キックを多用しては上手くいかず苦心していたマア。
それでもオールブラックスで先発できたことが本当に嬉しそうだった彼。
初戦では改心の笑みを見せながら本当に生き生きとプレーしていた彼。
一夜明けたら戦犯扱いだった彼――
「派手な外見は、繊細さを覆い隠し自分を奮い立たせる仮面なんじゃないのかな?」
となんとなく思っていますが、一連のアップダウンを彼はどう思っていたでしょう。

第2戦の今日、マアは控えで一度もピッチに立つことはありませんでした。
先週彼が着ていた13番を着たのはクルセイダーズのケーシー・ラウララ。
今日でテスト(国対抗試合出場)が2となった返り咲きで、ほぼ新人。彼はスーパー14でとことん輝いた人。チームはマアのハリケーンズを破って優勝しました。

しかし、ケーシーはオドリスコルに、黒ジャージに、タナの着ていた13番に、降り止まない雨に、取り込まれてしまったように動きが固く、ミスが目立ち、後半地面に寝たままの姿勢でボールをパスするという、このクラスではあってはならないペナルティーまで犯し、追い詰められている苦しさを露呈してしまいました。あれを見た時、
「明日の新聞は“お疲れ”と一声かけるだけで、決してケーシーを責めないだろう。」
と思いました。そして、
「じわじわとマアを褒め出し、いつの間にかコーチ陣と同じようにずっと彼を支持していたかのように振舞うだろう。」
とも思いました。

コーチ陣はこれらのテストマッチが、来年のワールドカップに向けた試行の場であるという認識を繰り返してきましたが、今やマスコミも世間も、熱烈なサポーターさえもこの言葉に対し真剣に耳を傾けるべき時にきたようです。彼らが目指しているのは、“アイルランドごときに” 30~40点差で圧勝することではなく、新人を大胆に先発させては本人の度量、チームワークなどをつぶさに検証することです。

かといって、この試みのために勝利を犠牲にすることは断じてできません。
これは、一企業が莫大な開発コストをかけながら次々と新製品を開発しつつ、増益し続けるようなものではないでしょうか? 単年はもちろん単月でも減益は許されず、ましてや赤字など、とんでもない話。こんな偉業を成し遂げている企業が、ちっぽけなメンツのために単月で前年同月比30~40%の大幅増益達成を目指すでしょうか? そんなことより、どんな状況下でも利益を生み続ける体質の探求に余念がないはずでは?

私と夫はいつもヘンリー監督を、「ヘンリー先生」と呼んでいます。
あの独特の眉毛が醸し出す教条的な雰囲気もさることながら、公立校でありながらラグビー校として有名なケルストン高校の校長兼ラグビー部監督を務めていたことや、生徒のような若手の中から選りすぐりの才能を発掘しては大舞台に立たせ、鍛えていく天性の教育者の才への敬意から、自然とそう呼ぶようになりました。

選手たちは彼やコーチ陣に全幅の信頼を寄せ、選ばれたことへの恩義をプレーで報いているように見えます。この強い絆こそが今のオールブラックス最大の強さなのでしょう。
(雨に打たれながらのハカ→)
いい選手が揃っているだけでは勝てない――
というのは前回のワールドカップでの彼らを例に挙げるまでもなく自明の理です。

先週のワイカトス・タジアムも、今夜のイーデンパークも
ヘンリー先生が教壇に立つ巨大な学び舎だったのです。
そこで学ぶのは選手ばかりではありません。教師自身も多くを学んでは、果敢な手腕のリスクとリターンを弾き出しています。私たちサポーターもまた、学ばなくてはいけないのでしょう。
一試合の結果に一喜一憂し、見栄や感情に任せてマスコミを挙げて一選手をこき下ろしては憂さ晴らしをしているようでは、偉大な試みを邪魔するだけです。

何のために、どこに向かっているのか、そのためには今何が必要なのか―
もう一度、先生たちの生の声に耳を傾けようと思いました。同時に先生の意向をとっくに理解している選手たちの冷静沈着さ、意向を汲めない時の口惜しさが少しはわかるような気がしてきました。

第2戦は幸先のいい出足で前半終了10分前までは17:0。最後の10分で20:14まで追われて折り返し。後半は一時3点差の20:17まで追いつかれました。しかし、オールブラックスには焦燥の中にも落ち着きが見え、このまだら模様は各選手の経験の差によるようでした。要となる選手は終始冷静で、その落ち着きがややもすれば浮き足立ちそうな若手や新人をしっかりと着地させたように思います。

その要の1人がミルズ・ムリアイナ(38テスト)だったかと思います。
アイルランドがペナルティーキックを決めて3点差まで迫まった時に、彼がライン際で見せた的確なトライセービングタックルで(実際はトライライン直前にキックされてきたボールを取ったアイルランド選手を押し出した)、一番浮ついていた最後の1人までが、
「勝つ!」
と確信したんじゃないかと思います。

その直後の終了15分前にルーク・マクアリスターが決定的なトライを決め、キックも入れて試合の流れを揺るぎないものにしました。彼もまた終始不気味に落ち着いていた1人ですが、トライの後の弾けるような笑顔にそれまでの重圧を感じました。
学びはまだまだ続きます。

旅立ちの時

2006-06-16 | オールブラックス
昨日、アルゼンチン戦に出場するオールブラックスが出発しました。
前回もお伝えしたように、現在オールブラックスはアイルランド戦向けとアルゼンチン戦向けに実質2チームあるため計39人の大所帯です。

旅立って行ったのは先発の15人で、リザーブの選手は明日のアイルランド戦第2戦が終わってから改めて発表され、先発隊に合流する段取りになっています。選手も大変ですが、その両方を仕切らなければならない監督陣も大変ですよね?

昨夜ニュースを見ていたら、出発前にアイルランド戦のメンバーがアルゼンチン戦のメンバーに「壮行ハカ」(英語では「さよならハカ」(Farewell Haka)ですが、「ちょっと雰囲気違うかな~」と意訳してみました)で、見送っていました。

私服で集まったアイルランド戦組。Tシャツにお得意のジャンダル(≒ビーチサンダル≒本当は「ジャパニーズ・サンダル」の略語で鼻緒がついているぞうり系全般)という、キウイの標準スタイルで、アーロン・メイジャーのリードのもと、本物のハカを贈っていました。

それを移動用ブラックジャージに身を包んだアルゼンチン戦組が、キャプテン、ジェリー・コリンズを中心にしっかりと腕を組み、唇を噛みしめて受けていました。気心知れた仲間同士の間にサッと走る緊張と高揚をテレビカメラはしっかり映していたように思います。

終わった瞬間に張り詰めていたものがふと緩み、双方が肩をたたきあって互いを労い、胸を熱くし、誰もが勝利を誓っていたであろう光景を目にしたとたん、なんだか涙がこぼれそうでした。
双子の片割れ同士が離れていくような、不思議な眺めでした。

送る方も送られる方もどちらもオールブラックス。
ただ、課せられたミッションが違うだけ。この2組が1つになって最強のオールブラックスが結成された時、数人の人たちは姿を消すことになります。でも、この瞬間はまぎれもなくそこに集まった全員のものでした。

アイルランド第2戦もアルゼンチン戦も、心に刻まれる試合になるでしょう。

旅立っていくのはオールブラックスばかりではありません。
スーパー14のチーフスのキャプテンで、現在もNZマオリを率いて「チャーチル・カップ」のために北米遠征中のロック/6番のジョノ・ギブスがウェールズへ。元クルセイダーズの9番ジャスティン・マーシャルが移籍したばかりのクラブチーム「オスプレイズ」へ移ることになりました。

今回のオールブラックスに選ばれなかったことが直接の引き金になったのか、すでに話がついていたことなのかはわかりませんが、つい最近サインしたようです。ヨーロッパ行きは2年契約が普通なのに3年契約で、受け入れ側の熱意を感じます。彼のキャプテンシーにも高い評価が下されているようです。

あ~、残念。あの笑顔、あの兄貴肌。
ワイカトファンのみならず、惜しいことです。逆に言えばこれだけの選手を手元に残せないほど、ここにはキラ星がひしめいているということなのですが。ジョノはラグビー協会に契約繰り上げを求めているので、雄姿はマオリ戦で見納めになりそうですTT

カンタベリーでスーパー14はドラフトでハイランダーズだった15番ベン・ブレアもウェールズへ。こちらはつい最近までジョナ・ロムが所属していた「カーディフ・ブルース」へ。キッカーで元オールブラックス。27歳という若さを買われてこちらも3年契約です。

今シーズンのハイランダーズでは大活躍。特にブランビーズ戦での逆転のペナルティーキックは翌日の新聞で
「BB(ベン・ブレア)キング」
という見出しになるほどの炎のキックでした。(ブランビーズはこれで4強入りを逃してしまいました)

あ~、残念。あのまじめさ。あのチョコチョコ走りTT
夫はアンドリュー・マーテンズなきあとのNZラグビー界では彼の大大大ファンだったので、移籍を知った時はしばらく無口になっていました。ハイランダーズへドラフトに出てからも、過去の功績を称えられ、
「カンタベリーはベン・ブレアを忘れない。」
と言われ続けてきた彼ですが、NZも忘れないよ!

もう1人、カンタベリーの10番カメロン・マッキンタイヤーもフランスへTT
年齢別代表だった頃は、ダン・カーターが彼の控えだったこともあるそうですが、ダン、ルーク・マクアリスターと3つ巴で学生の頃から10番の座を争い続け、とうとう黒ジャージを着ることなく国外へ。今はジュニア・オールブラックスの12番で、パシフィック・ファイブ・ネーションで活躍中。
(↑ジュニア・オールブラックスのサモア戦にて。カメロンは控えでした)

あ~、残念。ダンがいない間のNPCは彼頼みだったのに。
「ベン・ブレアも移籍でカンタベリーのキッカーは誰になるんだろう?」
と、ぼんや~り思うくらいで、まだまだ現実味がありません。

今は明日のアイルランド戦第2戦をしっかり応援したいと思います。

アイルランド戦第2戦はオークランド勢で

2006-06-13 | オールブラックス
テストマッチの嵐で大変ですぅ~~<<うっきゃぁぁぁ!ウレシい悲鳴!
オールブラックスはもちのロンロン、ジュニア・オールブラックスあんどNZマオリ♪
オーストラリアにはイングランドが来てるし、南アフリカにはスコットランドが@@ 
それぞれ南半球勢ががっつりいただきで、オーストラリアはついでにサッカーのワールドカップで日本にまで勝っちゃったし!(しまった!これは禁句´~`?)

パシフィック・ファイブ・ネーションズのフィジー対トンガでは、ちょっとビックリなトンガの大健闘で久々に島魂(音読みすると一応「闘魂」?)を見せてもらったし。なんだかんだとスーパー14期間中並みのウレシい忙しさ♪

このブログ、ラグビーライフが充実している時こそ、「更新がナイ」
という大きな特徴がありまして´▽`;、時間ができるオフシーズンになるとけっこう小まめに更新されたりします。わかりやすいですよね?

それからこのブログのもうひとつの特徴として、
試合前の選手発表はなぜか丁寧に追っています。試合後はけっこうアバウトなのに・・・なんででしょう? 書いている本人もよくわかりませんが´。`;、選ばれた選手たちへのエールをこめて、
今回も、行ってみよ~!!

■アイルランド戦■第2戦  (カッコ内は出身NPC、ピンク字が変更)
15.ミルズ・ムリアイナ(ワイカト)  初戦の大活躍は語り草。黒ジャージで光る?
14.ダグ・ハウレット(オークランド)   初戦の初トライは彼らしい手堅い仕事。
13.ケーシー・ラウララ(カンタベリー)ABs復活。マアとの違いをどう見せるか?
12.アーロン・メイジャー(カンタベリー) ABsの重要資産。資産運用は年中無休。
11.ジョー・ロコココ(オークランド) 地元オークランドで今度こそ華麗なトライを!
10.ルーク・マクアリスター(ノースハーバー) 初戦の不完全燃焼を一気に解消!
9.バイロン・ケラハ(ワイカト)   彼も初戦の不完全燃焼を第2戦で完全燃焼?
8.ロドニー・ソオイアロ(ウェリントン)  再び仕事師に休みなし。がんばって!
7.リッチー・マッコウ(カンタベリー)  フツーの7番に戻って思う存分の活躍を!
6.ジェローム・カイノ(オークランド)   今回は念願の先発。ホームで大仕事?
5.トロイ・フラベル(オークランド) 途中交代でも評価が高かった初戦の勢いを!
4.クリス・ジャック(カンタベリー) 期待が強い第2戦ラインアウトを担う大御所。3.カール・ヘイマン(オタゴ)スクラム戦健闘に拍手。ハカのリードは意外や意外。
2.ケビン・メアラム(オークランド)   地元でのラインアウト建て直しに期待!
1.クラーク・ダーモディー(サウスランド)  ルーキーも2テストめ。がんばって!

【リザーブ】
アンドリュー・ホーア(タラナキ)   アントンはアルゼンチンへ。後はお任せ!
ニーミア・ティアラタ(ウェリントン)左右できるクラークの2度の先発。交代に期待。
グレッグ・ローリンソン(ノースハーバー)   トロイと交代で今回は控え。
クレイグ・ニュービー(オタゴ)    器用なマルチプレーヤーがベンチ入り。
ジミー・カーワン(サウスランド)初戦はゲームタイムの長さとディフェンスに満足?
デビッド・ヒル(ワイカト) ホームのワイカトで出番がなく第2戦に期待。
マア・ノヌ(ウェリントン)  最も悔しい思いでベンチ入り?チャンスはあるさ!

サクっと素人感想など。
ただ今、オールブラックスはアイルランド戦向けとアルゼンチン戦向けに、実質2チームあるため(リザーブ以外、キャプテンも含めて重複なし)、ガラリとメンバーが変わる可能性はなかったのですが、それでも「ここは!」と思われるポジションには入れ替えが。

13番■マア・ノヌ ⇒ ケーシー・ラウララ
「こんなに生き生きしたマアさん、久しぶりに見たな~♪」
と感激していたのは私くらいなものだったようで、新聞もコメンテーターも酷評ばかりTT
「彼の強み(=フィジカルの強さ、突破力)
彼の弱み
(=相手に読まれる技の少なさ)
と言い切ったコメントも。とにかく、対面のブライアン・オドリスコルのトライを止められなかったことで戦犯扱い。
あれほどトライに絡んだことは、これでチャラTT
(監督陣はこの点は責めておらず、むしろブライアンに完全に背中を向けていたジョーに不満げ?)

スーパー14での不完全燃焼を一気に吹き飛ばすようなプレーで調子を上げたところだったので、今回のリザーブはかなり辛いかも。何試合か連続で出る機会があれば、もっとプレーが洗練されてくるように思うのですが、こうして1回限りが続くとプレーのパワフルさと雑さだけしか印象に残らない感じで残念です。でも、新人でもない限り黒ジャージを着たとたん、完璧を要求されるんでしょうね。プレーの洗練を待たなきゃいけないなんて、甘いのか?

一方のケーシー。スーパー14での大活躍は誰もが認めるところで満を持しての返り咲き。個人的にはクルセイダーズのような、シャンペン・ラグビー向きなプレーヤーかな~と思いますが、監督勢は記者会見で、
「ノヌより技に長けている」とはっきり言ってました。
パワーか技か?
タナ・ウマガの後をどう埋め、最終的に誰が13番を不動のものにするのか、最も選抜が難航しているポジションだけに、これからもいろいろ起きそうです。

6番■マーティー・ホラー ⇒ ジェローム・カイノ
唐突に打ち出された「ツイン・オープンサイド・フランカー」作戦は、やはりマーティーとワイカトファンへのはなむけだったようで、継続しないそうです。マーティーは今回、リザーブからも姿を消してしまいました。機会が与えられ、これで去年からのしこりの禊が済んだことになるんでしょうか? 交代で引っ込む時の彼のなんとも言えない表情が忘れられません。ジェロームは交代で出てからのモビリティーの高さに評価。ケガで昨シーズンを棒に振っているだけにホームでの先発でのカンバックは心憎いお膳立て?

5番■グレッグ・ローリンソン ⇒ トロイ・フラベル
グレッグはスーパー14ほど光らず、ルーキーの重圧やラインアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーがきつかったか? 天性のやんちゃ坊主トロイはトライまで決めて泣いてましたね。出場時間が短かったのに世間の評価はとても高く、ホームでも暴れてくれることでしょう(笑)

11番■ジョー・ロコココは?
「ジョーはスコット・ハミルトンに交代?」
と思ってましたが、ホームで絶大な人気を誇る上、スコットがシティヴェニ・シヴィヴァトゥのケガでアルゼンチン戦のスタメンに回るため再び先発。ケガが怖いのか迷いがあるのか、どうしても腰の引けたプレー、タックルを受けてからの立ち回りの弱さが気になります。昨シーズン、ジュニア・オールブラックスやセブンスにまで戻された直後の南アフリカ戦での輝きが見たいです。

と相変わらずジョーには厳しいですが、若干23歳で「元オールブラックス」になって欲しくないので、ここはどうしてもがんばって欲しいです。

アイルランド初戦の気づき

2006-06-10 | オールブラックス
いろいろ書きかけだったのですが、すべて時間切れで、アイルランド戦初戦の話を。ご存知のことと思いますが、
結果は34:23とオールブラックスの勝利で終わりました。
これが今シーズン初のテストマッチですから、幸先のいいスタートです。

ただし、試合そのものはオールブラックスにとり非常に重苦しいものでした。
特に8:16で終わった前半など、ラインアウトの悪さもあってテストキャップが少ない若手や新人には踏ん張りどころでした。

しかも、アイルランドはヨーロッパでのトリプル・クラウン(英連邦のイングランド、スコットランド、ウェールズへの全勝)を引っさげ、オールブラックスへの初勝利という百年来の夢の実現に向け、名キャプテン、ブライアン・オドリスコルの下、今までにない意気込みで乗り込んで来ています。

オールブラックスはいくらホームゲームとは言え、グラハム・ヘンリー監督が試合後の記者会見で何度も強調していたように、7ヶ月ものブレークの後、たった5回の練習で今日の試合に臨んでいたのです。足並みの悪さというよりも、
彼らにしては珍しく、自信のなさが目に付きました。

その筆頭が、
スーパー14の時と同じ暗い表情の2番ケビン・メアラムでした。
スーパーでの表情は今シーズンから担ったブルースのキャプテンとしての重責に苛まれているものかと思っていましたが、今日もまったく同じ表情で、
「これは?」
と思いました。ライアンアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーというよりも、彼の中で今シーズンに入ってからずっとつかめずにいる“何か”との葛藤があるように見えました。

ケガで欠場したロックのアリ・ウィリアムズの代わりに大御所のクリス・ジャックを迎え、その相棒はスーパー14をともに戦ってきた、今夜がデビューとなった南アフリカ人の新人、グレッグ・ローリンソン。34テストのベテランのケビンにとってはかなり良好な状況のはずでしたが、なかなか一筋縄ではいかなかったようで。

もう1人、自信のなさを感じたのが10番ルーク・マクアリスター。
彼は今週早々に不整脈で練習を休まざるを得ないという、突然の体調不良に見舞われてしまいました。報道では完全復帰という話でしたが、テレビに映し出された顔色の悪さを見た時はドキリとしました。

試合開始後30数秒で14番ダグ・ハウレットが決めたトライのゴールキックを外し、その後のペナルティーキックも外したときなど、顔色の青白さで唇が赤々と見え、出血しているのかと目を凝らしてしまうほどでした。彼のこんな表情はスーパー14のときのチーターズ戦以来でした。(チーターズの南アフリカのホームは高地にあり、慣れないプレーヤーには非常にきつい場所で、あの時のルークも非常に苦しそうでした)

しかし、ここが天才と優秀な選手の分かれ目です。
体調への自信をぐらつかせていても、彼は自分自身、ひいては勝利への自信に対しては揺ぎなく、終始落ち着いていて、動揺も感じませんでした。舌を巻かざるを得ないほどの平常心。

さすが、ライオンズという歴史的な大舞台でオールブラックス・デビューを飾り、きっちりとチームを勝利に導いた逸材だけあります。立ち上がりの苦しさがあってこそ、それ以降、特に後半に入ってからの彼の追い上げの早さ、多彩さ、聡明さが目を引くというもの。最初から好調であったら、その底知れない実力と可能性を、ほんの40、50分の間にここまで知らしめることは難しかったでしょう。
苦境をがっちり取り込み、それを食いつぶして立ち上がる―― 本当に天才です。

ルーク以外で今回特に印象深かったのは、12番アーロン・メイジャー。
この試合ほど、
オールブラックスにとっての彼の“資産価値”を感じたことはありませんでした。
長らく言われ続けてきた、「ダニエル・カーターのお守り役、女房役」という名刺代わりの肩書きは、「ルーク・マクアリスターの・・・」でも「マア・ノヌの・・・」でも十分活かされているということを、とことん知らされました。

NZでは独特な言い方で、10番のポジションを「ファースト・ファイブ・エイス(1st5/8)」、12番を「セカンド・ファイブ・エイス(2nd 5/8)」と言いますが、なぜ12番が「セカンド」なのか、ここまで痛烈に感じた試合はありませんでした。ルークの不安な表情を、アーロンのニコニコ顔が陽光のように照らしてしまったかのようでした。彼自身、10番をやっていた頃よりも今の方が数倍も輝いて見えます。適材適所とはこのことなのでしょう。

アーロンが輝かせていたのはルークばかりではありません。
13番マア・ノヌもでした。
スーパー14のハリケーンズでは決勝戦まで駒を進めながら、彼自身はどうしてもブレークスルーできない何かを抱え込んでしまっていたように見えました。しかし、今日の彼はまったく違っていました。目をしばたかせてしまうほどのきらめきで、ヘンリー監督が彼を高く買っている訳を改めて思い知らされました。

心から信奉しているであろう、タナ・ウマガとのコンビより、彼をどのプレーヤーよりも恐れるアーロンとのコンビの方が上手く行くとは皮肉な話ですが(笑)、彼を鋭利なラインブレーカーとしてフル活用する方針は、本人にとってもチームにとっても非常に上手く行っているように見えました。彼自身の会心の笑みが印象的でした。

後半戦の立ち直りは、オールブラックスの底力の証明として、しばらく語り草になるでしょう。同時にアイルランドの自信を来週の分まで根絶やしにしてしまったかもしれません。第2戦は初戦の後半の「つづき」として始まるような気がします。

まずは今シーズンの初勝利をありがとう!

「7番が2人?」のアイルランド戦

2006-06-07 | オールブラックス
月日は流れて(←大げさ)もう水曜日@@ 
オールブラックスのアイルランド戦まであと3日@@
日記メルマガなんてUPしてる場合じゃない!

で、ジュニア・オールブラックスを再び後回しにして(ゴメンよ、ジョシュTT)
メンバーを見てみましょう。(って、とっくにご覧になってるでしょうが)

■アイルランド戦■  (カッコ内は出身NPC)
15.ミルズ・ムリアイナ(ワイカト)   ホームの試合、この人は欠かせません。
14.ダグ・ハウレット(オークランド)  髪も伸びてきてポジションも元通り?
13.マア・ノヌ(ウェリントン) 「コンラッドの代わり」と言わせないプレーを!
12.アーロン・メイジャー(カンタベリー)  スーパー14のあのノリ待ってます!
11.ジョー・ロコココ(オークランド)  ダグとのコンビ、ABsでも復活?
10.ルーク・マクアリスター(ノースハーバー)  ライオンズ戦の感動を再び!
9.バイロン・ケラハ(ワイカト)  ご当地プレーヤーなら、彼!魅せてね。
8.ロドニー・ソオイアロ(ウェリントン)  仕事師に休みなし。がんばれ!
7.リッチー・マッコウ(カンタベリー)  再び7番で登場。キャプテン初仕事!
6.マーティー・ホラー(ワイカト) 今回一番ビックリなポジショニング@@
5.グレッグ・ローリンソン(ノースハーバー)ABsデビューの南アフリカ人。
4.クリス・ジャック(カンタベリー) 相手のラインアウトの強さに大物ご指名。
3.カール・ヘイマン(オタゴ) スクラム戦がんばって!クラークも一緒だぜぃ!
2.ケビン・メアラム(オークランド) スーパー14後半の復調で一気にスパーク!
1.クラーク・ダーモディー(サウスランド) ルーキー。左右できる強みに期待!

【リザーブ】
アントン・オリバー(オタゴ)  スーパー14後半の失調でケビンと立場逆転?
ニーミア・ティアラタ(ウェリントン)  左右できるプロップにライバル出現。
トロイ・フラベル(オークランド)  肩の手術を延期しての悲願のABs復活。
ジェローム・カイノ(オークランド) 手術でワンシーズンを棒に振っての復活。
ジミー・カーワン(サウスランド)  ここはご当地のバイロンに花を持たせて?
デビッド・ヒル(ワイカト)  ご当地選手としては辛いサブかな?きっと機会が。
スコット・ハミルトン(カンタベリー) ルーキーとしてはがまんのしどころ?

いや~、ビックリでしたね!
リッチーとマーティーが一緒、しかもマーティーが6番っ???

これって、
ツイン・オープンサイド・フランカー
という作戦なんだそうで、
球に行くスピードを問われる7番を2人置き、早い展開を!
というヘンリー大先生の説明。
なるほどぉ~、マーティーは6番ジャージを着てても7番ということで。
(つまりこの試合、6番がいませんっ!)

この作戦、2003年のワールドカップの時にオーストラリアがフィル・ウォーとジョージ・スミスという速さがウリの2人で試し、
オールブラックス相手に大成功を収めたものとか´。`A(オイオイ)

オールブラックスでも試してたんですって!
2004年のウェールズ戦でリッチーとロドニーがツインに・・・。
結果は26:25の僅差で勝利(ホ~っ)
でも、その1回しか試さなかったところをみると、そんなに評価されなかった´。`?
「んな、ミョーなことやってないでジェリーを出せ、ジェリーを!」
で、チャンチャンだったのでは?

で、今回の突然の復活。これも来年のワールドカップへの試みのひとつ?

じゃ、ないでしょう。
個人的にはそうは思いません。

昨シーズン、マーティーをライオンズ戦に選ばなかった時、ヘンリー先生は世間から(特にワイカト周辺から)非難ごうごうでした。(その時、マーティーはジュニアオールブラックスとしてオーストラリアへ)
「マーティー、ヨーロッパへ?(現役ABsだと値段が張るので)」
と、一気にいろ~んな思惑が噴出。ヘンリー先生に強~い圧力がかかりました。

その後、注目された年末のグランドスラム・ツアーでもマーティーは選ばれず、
なんとモモちゃんことクリス・マソエがデビュー!
「すわっ!ワイカトに暴動か?」
ってな勢いの批判もありましたが、結局、文句なしのグランドスラム達成でそんな声もワイカト以外では尻すぼまりに。

で、今シーズンの唐突なマーティーのオールブラックス復活――
これはひとえに、地元ワイカトでの試合だからじゃないかと読んでます。ここでも何度も言ってますが、ワイカトのサポーターの熱心さって半端じゃないです。今年のスーパー14でブルースの最終戦となったイーデンパークでのワイカト・チーフス戦なんて、
「ちょっとちょっと、どっちのホーム?」
と思うほどの黒赤黄の大応援団が駆けつけ、おなじみのカウベルを
ガラガラガラガラガラガラ~
と鳴らして、そりゃスゴーい応援でした。結果は30:9でチーフス圧勝@@

あの熱い応援を味方につけない手はないでしょう。敵に回すなんて持ってのほか・・・。
で、ヘンリー商店の4人はいろいろ考えた末、キャプテン・デビューとなるリッチーの顔も、地元のホープ、マーティーの顔も立てられる、ついでにスーパー14決勝戦に出たジェリーは元々お休みという、三方が丸~く収まってどこからも文句が来ない方法を編み出したんでしょう。これで昨シーズンの批判の借りも返せるし・・・。
ヘンリー先生、元校長先生ですからね、これくらいの段取りは朝飯前´。`?

なのでこの作戦、
上手くいってもいかなくても1回限り、ワイカト限定じゃないかと思ってます。
なんて言ったらワイカトの人から袋叩きに遭っちゃうかな^^?
(←マーティーの活躍にみんな注目!)

個人的には11番ジョーの先発もオドロキでした。スーパー14でのトライ1個はチームを考えると仕方ないところもあるとして、ウィンガーの中では最も弱そうに見えるので、スコット先発かな~と思ってました。

でも今日の新聞によれば、ヘンリー先生は彼を「主要兵器」と位置づけてるそう!
う~ん、先生の深読みはまだまだ続きます。

ところで、10番ルークが病気のよう。ご当地選手、デビッド先発も?波乱万丈な展開です。くれぐれもお大事に~☆

91人のブラック・ウォリアーズ

2006-05-28 | オールブラックス
昨夜の感動も覚めやらぬうち、今朝は11時から、
今シーズン最初のオールブラックス39人の発表がありました。
去年に続いて、ニュージーランド・マオリ(計26人)も結成され、同時にジュニア・オールブラックス(26人)のメンバーも発表されたので、
計91人の大量発表となりました@@

選手たちは昨日までの色とりどりのスーパー14のチームカラージャージを脱ぎ捨て黒ジャージに着替え、明日には一堂に会します。ジュニア・オールブラックスなど今週土曜日には、アウェイのフィージーで早くも第1戦があります@@ 

いつものことながら、スゴい変わり身の早さ。
柔軟でクレバーでないとプロのラガーなんてやってられませんよね?
「こんちきしょー、アイツはオレ様にハイタックルしやがったんだぜぇ!」
なんてネチネチしてたら黒ジャージは着れませんって!

じゃ、オールブラックスから改めてご紹介~♪

■アイルランド戦■  (カッコ内は出身NPC)
ジミー・カーワン(サウスランド)  今度は遠征先でケンカしちゃダメだよ~。
クラーク・ダーモディー(サウスランド) ルーキー。左右できるプロップ強し!
トロイ・フラベル(オークランド)  NZ一のアブナイ男もみそぎが済んだ?
スコット・ハミルトン(カンタベリー) ルーキー!おめでとう!ウィングで開花。
カール・ヘイマン(オタゴ)  あだ名の「岩男」が最近は「山男」に出世?!
デビッド・ヒル(ワイカト) ヨーロッパ行きに待った?ちょっと意外な返り咲き。
マーティー・ホラー(ワイカト) ワイカト・ファンの悲願、ホームで達成!
アンドリュー・ホーア(タラナキ)(第2戦のみ) トライもする器用なフッカー。
ダグ・ハウレット(オークランド) ケガに泣いたスーパー14分もがんばって!
ジェローム・カイノ(オークランド) ケガで棒に振った去年からの返り咲き。
バイロン・ケラハ(ワイカト)  第1戦はホームの試合、魅せてください。
ケーシー・ラウララ(カンタベリー) スーパー14での文句なしの活躍で返り咲き。
ルーク・マクアリスター(ノースハーバー) ブルースの低迷を吹き飛ばす活躍を!
リッチー・マッコウ(カンタベリー)  新キャプテンの初仕事ぶりを見せつけて!
アーロン・メイジャー(カンタベリー) ダンに続いてルークの女房役にもご指名。
ケビン・メアラム(オークランド) 苦しかったスーパー14前半をバネに飛躍を。
ミルズ・ムリアイナ(ワイカト) 最もポジションが注目されている人。ガンバレ!
クレイグ・ニュービー(オタゴ) 返り咲き組。まぶだちニックの分もがんばって。
マア・ノヌ(ウェリントン)  迷走したスーパー14からの脱皮を。キックは注意。
アントン・オリバー(オタゴ)(第1戦のみ) スーパー14からの復調を祈ってます。
グレッグ・ロウリンソン(ノースハーバー) 仕事熱心な南アフリカ人新人ロック。
ジョー・ロコココ(オークランド) スーパー14でトライ1個でもOKでした(笑)
ロドニー・ソオイアロ(ウェリントン) ハリケーンズのキャプテンに休みなし。
ニーミア・ティアラタ(ウェリントン) キミも左右できて器用だから休みなし。
アリ・ウィリアムズ(オークランド) スーパー14で息のあったグレッグと飛ぶぜ!

スーパー14の決勝戦に出場したハリケーンズとクルセイダーズの選手は。休養のため基本的に除外されています。なのに、しっかり2戦とも入っている人が何人か。まぁ、リッチーはキャプテンだからここはがんばってもらうとして、ルーキーのスコットや返り咲きのケーシーも何が何でも出たいだろうから、まっ、これもOK。

若手10番の守り役、女房役がすっかり板に付いているアーロンにお呼びがかかるのもかわらなくはないので、これも例外としましょう。

でも、ウェリントンのマアさん(なぜかうちでは「さん付け」です)、ロドニー、ニーミアはなんの断りもなく黙って入ってて、コレってどーゆーこと? 
彼らは疲れないとでも?
まっ、あの3人を見たらそう思われてもね~。否定しないけど´▽`
(ロドニーなんて「最後にケガしたのいつだろう?」てな状態で・・・笑)

新人や返り咲き組、どちらかというとベンチスタートの2番手をフル登板したところに、ベテランを配した心憎い選抜。ハリケーンズとクルセイダーズの両キャプテンを入れてるところなんかも偶然じゃないでしょう。返り咲き組のがんばりが特に見物(みもの)かと。

■アルゼンチン戦■  (カッコ内は出身NPC)
レオン・マクドナルド(カンタベリー) 今年は押しも押されぬNo.1フルバック。
リコ・ギア(タスマン)  調子は上々、スーパー14でのトライを手土産に。
イサイア・トエアバ(オークランド) 13番への大抜擢!どこまでも広がる可能性。
サム・トゥイトゥポウ(オークランド) オークランドの突貫小僧が返り咲き!
シティヴェニ・シヴィヴァトゥ(ワイカト) スーパー14でトライの貯金ができた?
ダン・カーター(カンタベリー) 休ませたい選手No.1を小出しに使って。
ピリ・ウィープ(ウェリントン) 「えっ?オレも休みたいって?」アナタがぁ?
モーズ・トゥイアリイ(カンタベリー) スーパー14皆勤賞?えっ?疲れてない?
クリス・マソエ(ウェリントン) リッチーがいないときゃ任せろ!いても任せろ!
ジェリー・コリンズ(ウェリントン) 寝耳に水のキャプテンへの大抜擢!やった!
クリス・ジャック(カンタベリー) 休ませたい選手No.2かも。がんばって~。
ジェイソン・イートン(ウェリントン) 疲れてても休ませないよ。魅せてね!
グレッグ・サマービル(カンタベリー) 休ませたい選手No.3かな。白人に優しい?
アントン・オリバー(オタゴ) フォワード戦に備えてアイルランド戦と掛け持ち。
トニー・ウッドコック(ノースハーバー) グランドスラムツアーのような活躍を!

さすがにこちらはハリケーンズとクルセイダーズ選手勢ぞろい豪華絢爛☆
去年のグランドスラムツアーでの新人3人、イサイア、マソエ、ジェイソンも揃い踏み。場所もアウェイで、それはそれで楽しみですね~♪

今回のオールブラックスの発表で一番のびっくりは、
ジェリーがキャプテンに選ばれたこと。
新人3人、返り咲き組は下馬評通りだったので意外感はありませんでしたが、ジェリーのキャプテンは読めませんでした。

でも、この決定にはグラハム・ヘンリー先生の心憎い采配と深い洞察、チームの可能性と未来を感じ、大いに感動しました。ジェリーもきっとそう思っているじゃないかな? あまり粋な決定に、あの黄金の稲穂ヘアで涙してるかもTT
彼が率いるアイルランド戦、きっと勝ちますよ!
(この話はいずれつづきを)

オールブラックスの秘密練習

2005-10-27 | オールブラックス
(ジェイソン・イートンのこと、)
明日ご紹介しまーす。

なんて言っておきながら、昨日はUPできなかったドつぼの管理人ですTT (他のサイトでメルマガ3本も出すというおバカなことをやってました。すいません)
ごめん、ジェイソン。大見得切ってTT

フォワード@AB練習今日はオールブラックスの秘密練習へ。
(と教えてくれた人は言ってました)を報道陣やカメラマンも多少来ていたものの、全体的にのんびりした雰囲気。
(←フォワードの練習)
公開練習ではないので、見ている人は関係者か偶然通りかかった人か、事前に事情を知っていた一部の人たち(私たちもこの部類)ぐらいなもので、30人もいたかいないか。

みんな座り込んだり、芝に寝転んだりしながら天下の黒ジャージの練習を見てました。なんだかもったいないような。
かと言って正座して見るっていうのもね~(笑) 
その分、リラックスした素顔の練習が見られてよかったです。
(バックスの練習→)

ジェームス@AB練習せっかくなので写真をバンバンバンとUPしときます。
(←見よ、ジェーム・ライアンのこの高さ!
彼ってホントにヘッドギアが好きみたい。
この時は外してましたが練習中ずっと被ってました)

またまたジェイソンくんのバイオグラフィーが遅れちゃう~´。`A
とりあえず写真をUPしときますね♪
(奥のジェイソンと手前のマソエ。タラナキ新人コンビ→)
彼らは新入生のような初々しさで、一生懸命やってましたよ♪


ちょっと珍しいタナの写真@@
←キックの練習をするダンの隣で、キャプテン、タナも
「オレだって!」
どっこらしょ。




「えぇぇい!」
球は思い切りゴールポストをそれて・・・見ていたダンは思わず固まってました(笑)

他にも「やめといた方がいいよ~」という人が何人か。
(誰とは言いませんが´。`A) 

オールブラックスのパスポート

2005-10-25 | オールブラックス
「新人たち、みんなパスポート持ってんのかな~?」
と、昨日はカルく心配してみましたが、けっこう大丈夫でした♪

というのも、超無名のまま今回の栄冠を手にしたジェイソン・イートン以外、みんな海外遠征経験のあるラグビー・エリートで、
「パスポートぉ? んなもん、学生時代から持ってらいっ!」
てなもんで、余計なお世話もいいとこでした。
みんな、スゴいのね。(ボソッ)

そもそも夫がイサイア・トエアバに注目しだしたのは、今年の「香港セブンス」での活躍を見てだったので、あれ自体、海外遠征ですもんね。

タマ@ウェリントン補欠私は「タマちゃん」こと、タマティ・エリソン(ウェリントン)やジョシュ・ブラッキーオレネ・アイイ(日本に行っちゃいましたね~)を観てた素人。

イサイアがそんなスゴい人だったなんて! でも、タマちゃんも来年は「スーパー14」には選ばれそうだし、まっ、いっか。
(↑NPCは補欠だから背番号がこんなだけど、「スーパー14」からは15番さ!多分・・・)

じゃ、学生時代も無名なら、今も無名のジェイソンはどうなる? オールブラックスのホームページの選手紹介でも、選ばれて3日目の今日現在でも、「こっ、これだけぇ?」という情報量。ねっ?↓

Player:Jason Eaton   (選手名:ジェイソン・イートン)
Position: Lock       (ポジション:ロック)
Born:             (生年月日:空欄)
Physical: 107kg, 202m (体重身長:107Kg、2.02m)
Tests:0            (国代表試合出場経験:ゼロ)
Test Points:0       (国代表試合獲得得点:ゼロ)
NPC Team: Taranaki   (NPC所属:タラナキ)

名前を除けばたったの6行!しかも新人では唯一写真なし、経歴なし!これじゃ、情報は身長体重とタラナキ所属ってことだけぇ?

「そっちが選んだんだからさ、写真と生年月日くらい入れてあげなよ~。」
と、言いたい。

19歳のイサイアですら、この6行のデータの下に今まで出場した主な試合で10行も(!)あって、
「2003年NZ高校代表」
とか文字が並ぶのに・・・。
ジェイソンってば、本当に無名だったのね~。

「スーパー12」を飛び越えて、NPCから一気にオールブラックスですから、これって「高校野球からプロ野球すっ飛ばして、いきなり日本代表!」みたいなもの。

で、どうしても気になる彼。さすがに新聞には関連記事があったので、明日ご紹介しまーす。

さて、彼のパスポートは?