ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

ジェイソンを根掘り葉掘り

2005-10-28 | プレーヤー
オールブラック(オールブラックスに選ばれた選手)になれたとしたら、ニュージーランドでは孫子の代まで自慢できる一家の一大事。自分が選ばれたことを、隣の家でテレビを見ている時に知ったとしたら?

来月5日からのオールブラックスのイギリス・アイルランド戦「グランドスラム・ツアー」に選ばれたジェイソン・イートン(23)は、自分がオールブラックになったことをこんな風に知ったのです。
「すごくビックリしたよ。」
と素直に言うジェイソン。

(「イートンはその身体能力だけでなく、イカすヘアスタイルとフサフサのもみ上げでも目立っている」と新聞に書かれてました→)

今回選ばれた35人のうち、新人は5人。
その中でも「最も予想外の2人」と太鼓判を押されているのが、ジェイソンと19歳のイサイア・トエアバ

しかし、イサイアは「ひょっとしたら」という噂が前々から出ており、所属する「オークランド」はNPCで優勝したばかりの有力チーム。

一方のジェイソンが所属する「タラナキ」は今年9位と散々な結果。しかも、彼は去年までタラナキのBチーム(2軍)にいて、今年からやっとAチームに昇格したところ。イサイア以上の大穴でした。州代表選手権のNPCにデビューしたばかりですから、その上に位置する地域のプロチーム「スーパー12」(来年から「スーパー14」)の出場経験は、もちろんありません。

NPCから一気にオールブラックスということは、前にも言ったように、甲子園の高校野球からプロ野球をすっ飛ばして、いきなり日本代表になってしまったようなもの。これって、ホントにスゴーい!

じゃ、前宣伝の長かった「ジェイソン・バイオグラフィー」で~す!
ウェリントン近くのパーマストンノースの高校卒業後、NPC2部の「マナワツ」に所属。

はいはい、知ってますよ~、2部のマナワツ。今年のライオンズ戦で唯一対戦相手となった2部チームですよね?当然ながら6:109と大敗しました。そっか、あそこにいたのね。

しかし、ジェイソンはライオンズとは対戦しませんでした。
「ラグビーで食っていけるかどうか」
を試すために、去年のうちに1部チームのタラナキに移っていたからです。NPC2部の選手は、交通費とビール代程度のお小遣いが支給されるだけのとてもプロとは言えない人たち。ジェイソンなりに転籍で勝負に出たわけですね。フムフム。

今年に入るや、タラナキAチームへの昇格、来年の「スーパー14」への選抜決定、そしてオールブラックス入りと、
一気に頂点まで上り詰め、「勝負あり!」となったわけです。パチパチパチ♪

オールブラックス入りするような選手には珍しく、学生時代を通じて年齢別国代表に選ばれたことがなく、ホントのホントに無名だったジェイソン。
これじゃ、経歴が6行で終わるのも仕方ない?(笑)

でも、でも、でも、今日になったらオールブラックス・ドット・コムの彼のページが更新されてました!文章も写真もありま~す♪

さて、問題のパスポートですが、
「一度だけゴールドコーストに1週間行ったことがある。」
そうで、ちゃ~んと持ってました。あー、よかった♪ 

・・・って、オールブラックスは昨晩9時の飛行機で、みんなすでに旅立って行きました。
みんな、がんばれ~!(ケガしないでね~)

オールブラックスの秘密練習

2005-10-27 | オールブラックス
(ジェイソン・イートンのこと、)
明日ご紹介しまーす。

なんて言っておきながら、昨日はUPできなかったドつぼの管理人ですTT (他のサイトでメルマガ3本も出すというおバカなことをやってました。すいません)
ごめん、ジェイソン。大見得切ってTT

フォワード@AB練習今日はオールブラックスの秘密練習へ。
(と教えてくれた人は言ってました)を報道陣やカメラマンも多少来ていたものの、全体的にのんびりした雰囲気。
(←フォワードの練習)
公開練習ではないので、見ている人は関係者か偶然通りかかった人か、事前に事情を知っていた一部の人たち(私たちもこの部類)ぐらいなもので、30人もいたかいないか。

みんな座り込んだり、芝に寝転んだりしながら天下の黒ジャージの練習を見てました。なんだかもったいないような。
かと言って正座して見るっていうのもね~(笑) 
その分、リラックスした素顔の練習が見られてよかったです。
(バックスの練習→)

ジェームス@AB練習せっかくなので写真をバンバンバンとUPしときます。
(←見よ、ジェーム・ライアンのこの高さ!
彼ってホントにヘッドギアが好きみたい。
この時は外してましたが練習中ずっと被ってました)

またまたジェイソンくんのバイオグラフィーが遅れちゃう~´。`A
とりあえず写真をUPしときますね♪
(奥のジェイソンと手前のマソエ。タラナキ新人コンビ→)
彼らは新入生のような初々しさで、一生懸命やってましたよ♪


ちょっと珍しいタナの写真@@
←キックの練習をするダンの隣で、キャプテン、タナも
「オレだって!」
どっこらしょ。




「えぇぇい!」
球は思い切りゴールポストをそれて・・・見ていたダンは思わず固まってました(笑)

他にも「やめといた方がいいよ~」という人が何人か。
(誰とは言いませんが´。`A) 

オールブラックスのパスポート

2005-10-25 | オールブラックス
「新人たち、みんなパスポート持ってんのかな~?」
と、昨日はカルく心配してみましたが、けっこう大丈夫でした♪

というのも、超無名のまま今回の栄冠を手にしたジェイソン・イートン以外、みんな海外遠征経験のあるラグビー・エリートで、
「パスポートぉ? んなもん、学生時代から持ってらいっ!」
てなもんで、余計なお世話もいいとこでした。
みんな、スゴいのね。(ボソッ)

そもそも夫がイサイア・トエアバに注目しだしたのは、今年の「香港セブンス」での活躍を見てだったので、あれ自体、海外遠征ですもんね。

タマ@ウェリントン補欠私は「タマちゃん」こと、タマティ・エリソン(ウェリントン)やジョシュ・ブラッキーオレネ・アイイ(日本に行っちゃいましたね~)を観てた素人。

イサイアがそんなスゴい人だったなんて! でも、タマちゃんも来年は「スーパー14」には選ばれそうだし、まっ、いっか。
(↑NPCは補欠だから背番号がこんなだけど、「スーパー14」からは15番さ!多分・・・)

じゃ、学生時代も無名なら、今も無名のジェイソンはどうなる? オールブラックスのホームページの選手紹介でも、選ばれて3日目の今日現在でも、「こっ、これだけぇ?」という情報量。ねっ?↓

Player:Jason Eaton   (選手名:ジェイソン・イートン)
Position: Lock       (ポジション:ロック)
Born:             (生年月日:空欄)
Physical: 107kg, 202m (体重身長:107Kg、2.02m)
Tests:0            (国代表試合出場経験:ゼロ)
Test Points:0       (国代表試合獲得得点:ゼロ)
NPC Team: Taranaki   (NPC所属:タラナキ)

名前を除けばたったの6行!しかも新人では唯一写真なし、経歴なし!これじゃ、情報は身長体重とタラナキ所属ってことだけぇ?

「そっちが選んだんだからさ、写真と生年月日くらい入れてあげなよ~。」
と、言いたい。

19歳のイサイアですら、この6行のデータの下に今まで出場した主な試合で10行も(!)あって、
「2003年NZ高校代表」
とか文字が並ぶのに・・・。
ジェイソンってば、本当に無名だったのね~。

「スーパー12」を飛び越えて、NPCから一気にオールブラックスですから、これって「高校野球からプロ野球すっ飛ばして、いきなり日本代表!」みたいなもの。

で、どうしても気になる彼。さすがに新聞には関連記事があったので、明日ご紹介しまーす。

さて、彼のパスポートは?

タナに教えてあげたい

2005-10-11 | プレーヤー
先日、友人から面白いサイトを教えてもらいました。
10日でオバサン顔が治るんだそうです(わぉ~♪) 
面白いのはオバサン顔の理由を科学的に証明してること。理由がわかってるんだから、対処法も非常に科学的。「なるほどー」と思わずうなづいちゃいました。

で、自分でもこっそり、お試し。結果は10日後に。その頃、この話のエントリがなかったら、「そういうことだったのか~」と思って下さいね(笑)
(その後、追加のエントリがなかったんですが、効きましたコレ!、ホント)

オバサン顔が治るんだったら、オジサン顔も治るってことですよね? 
そこで、真っ先に思い浮かんだのが、タナ・ウマガ
今年は12年に1回の「ライオンズ戦」での勝利、「トライネーション」での優勝と、オールブラックス・キャプテンとして八面六臂の大活躍。

しかも、ライオンズのキャプテンだったブライアン・オドリスコルへのタックルで、ブライアンがケガをして退場せざるを得なくなってしまったことから、
「危険なタックルではなかったのか」
「キャプテンとしての挨拶がないのはおかしい」
などなど、イギリス側マスコミからの締め上げで、さぞや心労も募ったことでしょう。

そのせいか、「オークランド対ウェリントン」戦では、いつもより背中が丸く、ふけて見えました。(←ねっ?)

特にウェリントンはジェリー・コリンズロドニー・ソオイアロ(キャプテン)、マア・ノヌピリー・ウィープと、
「明日からK1デビューできます!」
って感じの、ピチピチのポリネシアン揃いのチーム。

その中でなんとなーく疲れが見えてた、タナ。顔のたるみの典型、ほうれい線(鼻の脇のシワ)は猫背からなんだそう。
「これ以上はムリっ!」っていうくらい日々鍛えてるんでしょうけど、
ぜひ「僧帽筋」っていうのも鍛えてみて!

・・って人のこと心配してる場合じゃないって?

ポジション争い

2005-10-03 | NPC
今頃は、あちこちのラグビー・ブログでジョナ・ロムーが7ヶ月の期間限定とは言え、ウェールズの「カーディフ・ブルース」と契約した話で持ちきりでしょう。(あまり他所にお邪魔しないのでよくわかりませんが)彼の話は際限なく長くなりそうなので、また別の機会に。

もう1人、ポジションをかけ今年一大決心をした選手がいます。
オールブラックスのウイング、14番のリコ・ギアです。
彼は国代表の実力でありながら、所属していた「スーパー12」の「オークランド・ブルース」、NPCの「ノースハーバー」、果てはオールブラックスでもダグやジョーたちとポジションを争っていました。

そのため、より確実に出番を確保できるよう、「スーパー12」の「クルセイダース」に移籍することに。ところが、「クルセイダース」の下部組織であるNPCの「カンタベリー」には空きがなく、大どんでん返しで、NPC2部の「ネルソンベイ」に移ったのです。

「オールブラックスがNPC2部@@?」
というのが、どういうことかというと、大リーグで活躍しているような超有名選手(=リコ)がどうしても日本のプロ野球にも登録していなければならず(ホントはこんなことありませんよね)、「巨人」(=ブルース)はいっぱいなので、「阪神」(=クルセイダース)に行くことに。

ところが、「阪神」でプレーするには地区大会に出場する地元チームに所属していなければならず、強豪1部の「大阪」(=カンタベリー)には空きがないため、仕方なく2部の「岡山」に移籍して・・・というような、アメリカから岡山までの壮大な話なのです。妙な例えですが、突拍子のなさがおわかりいただけるでしょうか? 

そのリコがとうとう先週末、初めてネルソンベイの試合に出ました。
オールブラックスで忙しかったとはいえ、シーズンの終わりも終わり。相手はポバティーベイ、結果は50:22のダブルスコア。

観客は地方球場に突如現れた現役オールブラックスを観にきたようなもので、ちびっ子たちがサインに殺到。リコ本人、彼の両親のなんとも複雑な戸惑った表情が印象的でした。チームとしては高い移籍金を払っているのですから、たっぷり働いてもらいたいでしょう。「ギア・ルーム」なる専用控え室まで作って気を使ってます(笑) 

リコの当初からの目論見であったはずの、本チャン「カンタベリー」への来年の再移籍は、カンタベリーがたった1人の枠に別の選手を採ることにしたため、失敗に終わってしまいました。これも複雑な表情の一因でしょう。幸いネルソンベイは来年から1部昇格が決まっているので、「2部のリコ」は今年の数試合で終わりです。
これもあなたが選んだ道。しっかりね!