limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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ヒューマンドラマ

2017年02月09日 15時31分17秒 | 日記
盤を挟んで「互いの思考力」がぶつかり合う将棋。どんな名手も人間である以上ミスを犯す。しかし、そのミスをも乗り越えて考え抜き、突破口をこじ開けて劇的なドラマを作り合う。それが将棋の醍醐味であり、ヒューマンドラマたる所以である。昨年、将棋ソフトの不正使用疑惑に揺れた将棋界。結果として「不正はなかった」と結論付けられ、関係者の処分なども決まった。だが、釈然としないものも残った。嫌疑をかけられた棋士の立場と、処分の決定までの過程だ。「出場停止」の処分は、本当に妥当だったのか?将棋連盟の立場で考えれば「混乱回避」が最優先だったのだろうが、一人の棋士の「棋士生命」を脅かしてまでやるべきだったのか?曖昧な数名の棋士の訴えを元に、拙速な決断をした代償は軽くはない。棋士達も「疑心暗鬼」を抱えてしまった事は、大きな過ちだったのではないか。また、嫌疑の渦中に立たされた棋士の三浦さんにしても、もっと声を大にして「無実」を訴えてもよかったのではないか?将棋連盟に対して「やってはいません」と正々堂々と渡り合う覚悟が必要だったのではないか?処分に従い、真摯に「沈黙」した事は、要らざる混乱を招かずには済んだが、将棋界全体に対しては疑念を抱かせる一因となってしまったように思えてならない。不正を「していない」のであれば、黙することなく公然と「反論」を突き付けてもよかったと、私は思う。コンピーターソフトと人工知能の発達で、棋士がソフトに負ける時代になり、棋士個人の研究にもパソコンは必須になった。膨大な棋譜のデーターから分析を瞬時に行えるのは、コンピューター抜きでは無理だ。文明の利器の発達は便利さと引き換えに「不正使用」を疑われる諸刃の剣だ。どんな事でもそうだが、便利さの裏側には必ず「落とし穴」が口を開けている。今回の将棋界の事件は、返す返すも残念な結果になった。疑われた側も疑った側も深い傷を負ってしまった。信頼の回復は言うまでもないが、三浦さんが「全身全霊」を傾けた将棋・棋譜を披露することが、再生への第一歩になると思っている。佐藤新会長の元、将棋界が健全な姿に再生する事を強く願わずにはいられない。

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