limited express NANKI-1号の独り言

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デンジャー自動車

2017年09月19日 22時58分09秒 | 日記
軽自動車の規格は厳密に決まっている。長さ・幅・高さ・エンジンの排気量。1つでもはみ出したら「普通小型車」に定義されてしまう。例えば、550cc時代の車体に660ccエンジンを乗せ換えたら「軽自動車」ではなく「普通小型車」になる。つまり「軽は軽を超えられない」のである。すなわち「軽の規格」は時代と共に拡大してはいるが、その時々の「規格」を超える事は許されていないのだ。360cc時代の「規格」で作られた車両なら、その時代の寸法や排気量を超えられない宿命にあるのだ。どうしても「規格」を超えてしまう場合は、改造自動車として「改造届」を提出し、独法の審査を経て、陸運支局に持ち込み「改造自動車」としての検査を受け、合格を得なくてはならない。結構厳しいのである。
今の軽自動車は、全体の販売の半数を占める「主力車種」になった。価格も高騰しているが、軽を持たない販社は「死活問題」に直面すると言う。OEMであろうとも軽を必要とする現在のクルマ社会で「軽をどうやって確保するか?」は頭の痛い問題だそうだが、軽自動車もそろそろ(と言うかとっくに)曲がり角を迎えている。エンジンの排気量はさて置き、長さと幅の寸法はマックスまで拡大し切っており、残るは高さの制限のみ。その高ささえ使い切るのは「時間の問題」だろう。室内を広く使いたいがために、タイヤを四隅に押しやり極限まで「クラシャブルゾーン」をつめた結果、ナンバーフレートのすぐ後ろにラジエターが存在すると言う「究極の設計」を余儀なくされ、後部も荷室が無いに等しいスレスレ状態。無論、スペアタイヤは乗せられず、応急キットで済ませる有様。タイヤがバーストしたら「自走不能」と言うのは皆同じ。前からも後ろからも突っ込まれたら即廃車になってしまう。おまけに「背高設計」だから、サスペンションは固くしなくてはならず、タイヤの空気圧も高圧とくれば、段差を乗り越えるたびに振動やショックが室内を駆け巡る。トラクションコントロールの介入を頻繁に入れたり、ローダウン仕様で車高を下げた車両を出すなどメーカーも工夫はしてはいるが、肝心要の「安全」が置き去りにされている様に見えるのは私だけだろうか?
「人は過ちを犯す生物」である。故に車両側でも「安全」を担保する必要はある。もうすぐ実現するであろう「完全自動運転」は、あらゆる場面において「安全」を確保すべく開発が進められている。だが、これは「普通車」での話。軽はとにかく「使い勝手」が最優先なので、自動ブレーキにしてもコストの安い方式のものしか装備されていない。高速走行でのフルブレーキは「想定外」だし、市街地走行でも時速30キロ前後でしか作動しない。前方障害物の検知も「普通車」のレベルには遠く及ばない。日常の足としての「燃費」ばかりが独り歩きしていて、「安心」「安全」がおなざりにされている軽自動車に命を預けられるか?と問われたら「NO」としか言いようがない。高齢者が運転していたら「最悪の結末」になるだろう。「高齢者が運転する軽自動車の事故」で何人が亡くなっているかを調べれば「空恐ろしい数字」が出てくるのは間違いない。自損事故にまで範囲を拡大したらもっと「恐ろしい数字」が出るだろう。低燃費競争も使い勝手競争も、今は既に「時代遅れ」なのだ。これからの超高齢化社会を考えたら「軽自動車でも死者が出ない・出さない」車両開発が絶対必要だ。使い勝手ばかりでなく「安心」「安全」を最優先に考えた車両設計が今こそ求められている。「軽規格の改定」ではなく「車両設計思想の見直し」と「超高齢化社会」を意識した「安全設計」をメーカー各社に求めたい。今の軽自動車は「危険」レベルを超えすぎている。意識改革・設計改革をどこが真っ先に始めるかを注視して行きたい。

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