大分での講演(第8回 日本国際看護学会学術集会 教育講演)

2024-10-08 21:47:39 | 看護/医療全般
 10 / 4(金)~ 10 / 6(日)大分に出張した。日本国際看護学会の第8回 学術集会で教育講演をするためだ。学術集会のテーマは、「イーミックとエティックでつなげる国際看護 ~ 多文化理解は看護の発展にどのように寄与するか~」だ。学術集会会長の桑野紀子先生(大分県立看護科学大学)の意欲がうかがわれる。

 教育講演テーマは、「看護における文化コンピテンス:文化をアセスメントし、より良いケアを提供する 」Transcultural Competence in Nursing: To Assess Cultures for Better Care とした。文化とは何かから始まり、看護師の文化コンピテンス、文化のアセスメント項目、注意すべきコミュニケーション、医療通訳者の活用のしかたなどについて話す。

 「文化に配慮した」Culturally Competent 看護であり、通訳が必要だといわれるが、文化とは何か、どのようにできて発生し、推移してきたのかを知る機会はあまりない。他の文化実践を見て、(自分たちの文化とは異なる)「変な習慣」という印象を持つようでは、専門職としては不十分だ。そうしたギャップを埋める一助になることを目指した。文化の発生や推移については、現代からは実際のことを知ることはできない。文化人類学などが、現存するいろいろな証拠、フィールドワークの蓄積から推論して仮説を導き出している。歴史の研究と同じだ。仮説ではあるが、ある程度、理解できる説明があれば、文化への理解が深まり、ケア等、実践がより良いものになるだろう。

 学術集会では、大分県立看護科学大学の学生による「学生企画 多文化理解って何だろう?」というセッションがあり、それにも参加した。国際交流研修(韓国、インドネシア、アフリカ ケニア)に参加した学生らによる発表とグループワークで構成されている。学生らは全体司会をし、グループワークではファシリテーターと書記を決めて、議論をリードした。大きな付箋紙に意見を書いて貼り付け、グループごとの発表内容をテーマに分けてまとめ、完璧なワークショップになっていた。先生方のご指導もすばらしいが、それを自分たちのものにしていった学生らも大したものである。全員がしまったいい顔をしていた。

 学会では、関西のりんくう総合医療センター 国際診療科の副看護師長の新垣智子先生と 大分 別府市の医療法人社団 仁泉会 看護部長の甲斐仁美先生と再会できた。昨年11月のグローバル合同大会 NiNA(国際看護師)のセッション以来だ。両先生とも相変わらずエネルギッシュだ。2日間で、たくさんお話ができ、嬉しかった。写真は↓
 
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