石笛作りに限らず、モノ作りには集注が大事だから、二日連続で仕事するとフニャフニャに疲れてしまうのだけど、疲れた体に鞭打って連休中は仕事に明け暮れた。
そのお蔭で縄文石笛Neoが誕生して、何かが変わった。
まるで縄文のご先祖が乗り移ったかのように、次々と形にしたいアイデアが湧き出てくるのだ。
今回は線刻した部分に自家製のベンガラを塗り込めてみた。
黒い蛇紋岩には、漆もベンガラもよく映えてくれる嬉しい石材。糸魚川の蛇紋岩は石器素材として優秀だから、磨製石器に加工されてヒスイ以上に広範囲に各地に運ばれていたのだ。
立てるとモノリス!
ベンガラは酸化鉄を多量に含む鉱物で、焼いたり水に溶かしたり、そして微粉末まですり潰したりして作る古典的な赤い顔料だ。
縄文時代には祭祀に関わる土器や木の器などに塗られて珍重されてきた、いわば最古級の絵具の原料である。
赤は旺盛な生命力を現す魔除けの色・・・太陽、炎、血の色だから、縄文人達は好んで使っていた。
ベンガラを水で溶けば、「もののけ姫」が顔に塗っているフェイスペインティング、膠(ニカワ)で溶けば日本絵具、油で溶けば油絵具になる。
使用したベンガラは、かって糸魚川中を探し回って集めたベンガラの内、最も発色が良かったもの。
自分で作る手間暇を考えると、買ったほうが楽なのだけどメイドイン糸魚川に拘ってみた。
底の形にもこだわりがある。少年時代の夏休みにテレビでよくやっていた、アメリカのSF実写ドラマ「原子力潜水艦シービュー号」をイメージしてみた。シービュー号という、エイのような形をした潜水艦の冒険活劇だ。古いヤツとお笑い下さい・・・。
今回は膠の代わりに、より固着力の強く扱いが簡単な樹脂系メデイームを使用。
縄文のご先祖が、「なんだこれ!膠より全然面倒が無くて強いじゃん!こんな便利なモノがあるなら、次はこんなアイデアがどうだ?それ作れ!何しとる!はよ作れ!」と、私の尻をひっぱたいて休ませてくれない。
石笛作りは先祖供養みたいなもんかな?と思う今日このごろ・・・。
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