黒に緑と白が発色した三色ヒスイというものがあり、石目からカットした端材が面白い形だったので作ったペンダントトップでござる。
個展の時に「これ何を意味しているのですか?イモムシ?魚?」とか言われたりしたけど、作り手の思惑と観た人の感想が違ってもちっとも構わない。
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牙玉を勾玉のプロトタイプとするにしても、数千年間もの間に作り手と求めた人各人各様の物語があってこその勾玉であり、割れた玦状耳飾りをリメイクしただけであったり、胎児や釣り針、三ケ月であったりと、どれが正解で不正解ということはないと考えている。
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個人的には、カルビーのかっぱエビせんのパッケージをイメージしました(笑)
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戦後まもないころの春2月、寺町の漁船5杯がエビ手繰り漁に出たのはいいけど、風がジモン(沖出しの南西風を意味する方言)に変わって急いで浜に帰ろうとしたがどんどんと沖に流されてゆく・・・漁師の家族が泣いて助けを求めたが、誰もどうすることができない・・・そこへ駆けつけて来たのが復員したばかりの叔父で、制止する祖母に「大丈夫だっちゃ!」と言い放ち、たちまち褌裸となってロープを縛り付け、お浄めの酒しぶきを体に吹きかけるや否や、ザンブと荒海に飛び込み救助に向かった。
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波間に見え隠れしていた叔父が漁船に辿りつき、ロープを漁船に結わえ付け、引っ張れの合図・・・浜から歓声が挙がり、村中総出でロープを引っ張って5杯の漁船が次々と浜に揚げらた・・・20名の漁師と叔父が見事に生還!
叔父はその後、裸一貫で建設業を起業して成功した。
子供のころに親戚が集まると話題になった叔父の武勇伝、その名は秦誠一。
今は亡き叔父のことを思い出しながら作ったペンダントトップ。
すなわちエビ形勾玉である(笑)
これがヒトと翡翠の物語。