Storia‐異人列伝

歴史に名を残す人物と時間・空間を超えて―すばらしき人たちの物語

我輩のボール遊び

2006-05-14 23:39:25 | ねこちゃん

我輩は猫であるのだが、犬みたいな遊びもできるのである。硝子戸越しにゲンチャンのボール遊びを見ていたら、あんなことは簡単にマスターしてしまった。最近は、ボールを投げてよとダミ声で催促するようにしている。どうせ、ここの家のひと達も暇なのだ。

うちの主人公、ボクの大先輩「吾輩」のホンを読んでくれているというではないか。色々読み散らかしているらしく最後までたどり着いてないのに、その上をまたぐこと度々のボクは、同類だし先輩の最期もなんとなくわかるのだ。

ご主人は「菜の花忌」以来日本に里帰りしてローマに戻れないみたいだが、「ローマはなぜ滅んだか」などは眺めていたね。でも経済大国だったころのローマ人の美食、孔雀の舌の料理などを知っても、仙台の牛タンのほうがいいねえなどと言うばかり。

「吾輩は..」の苦沙弥先生は、ローマ時代の退廃的なこの料理をも話題にしていて、他にも明治30年代にして「食の均一化・規格化、マニュアル化」の牛鍋屋チェーン「いろは」も大好き。
「猫伝」を、じっくり読んだほうが面白いですよ~。うちのご主人は中学生の時読んだらしいが、無理だったでしょうご理解は。

「吾輩」先輩生まれたのは明治37年1904年日露戦争勃発、もう100年も前かあ。戦争真っ盛り・終戦の頃まで3年執筆とは、漱石先生も先輩猫も余裕だにゃ~。先生も胃は弱かったけど深刻すぎずユーモアと知性に溢れ、死や老いも思わなかった、「三四郎」までがいいなあ...と、硝子戸の中で後輩猫は、思うのだ。

ご主人は、孫の房之介さんが書かれた(描かれた?)昭和期の大家の絵をコピッった漫画学すばらしいとニタニタしているが...文章には「山」、漫画には「線」のキレ、か!

*********
「吾輩は猫である 夏目漱石 新潮文庫 ISBN4-10-101001-3」
「夏目房之介の漫画学 ちくま文庫 ISBN4-480-02625-8」
「漱石のレシピ 藤森 清・編著 講談社+α新書 ISBN4-06-272182-1」
「ローマはなぜ滅んだか 弓削 達 講談社現代新書  ISBN4-06-148968-2」

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする