■トリノオリンピックも近くなりましたので、ジャンプで観客やTV観戦では、よくわからないようなところを紹介してみたいと思います。
■ジャンプ競技は、屋外スポーツですから、当然天候に左右されやすいですが、運営サイドはなんとか競技を成立させる最大限の努力を払います。最悪の場合は、トライアル(試技)をパスして公式の1本目のみで競技を成立させるケースも出てきます。昨日は、最初雪が強く斜面の整備に時間を要し競技開始が10時から13時にずれ込みましたが、なんとか開始することができました。風も強くどうかなと思いましたが、天候がある程度安定していたので、2本目も飛ぶことができました。
■雪の強い時には、10数人飛ぶごとに競技が中断するケースが多くなります。その間、どんなことをしているのでしょうか?
■雪が降ると、アプローチ(選手が飛ぶためにスピードをつける助走路)にどんどん雪が溜まります。運営サイドは、カンテ(選手が踏み切る場所)で選手が飛び出すスピードを測定しています。当然のことですが、スピードが早い程遠くに飛びやすいので、雪が溜まることでスピードが落ちてくると、選手間に不公平が生じます。そこで、明らかに不公平が生じる前に一旦競技を中断します。
■そして、アプローチの雪を取って整備を行う訳ですが、そのときに活躍するのがこれです。↓
■このシャンツェの維持整備を担当しているK組のおじさんたちが、長靴にアイゼンをつけて、背中にしょった機械(ちょっと小さくて見づらいかもしれませんがそのうちアップ画像をアップします。)から出ているホース状の先から出る強い風で、アプローチの2本線(アプローチには、スキーの幅で2本の線が切ってあり選手はその中にスキーを入れて飛んでいきます。視覚的には2本のレールの上を滑る感じでしょうか。)に溜まった雪をアッという間に飛ばしていきます。これをスタート台からカンテまで一気にやってしまいます。掃除機の反対のようなこの機械を「ブロー」と呼んでいました。
■ブローなどで雪を取り除いた後、テストジャンパーが数名飛んでカンテスピードを計り競技再開と相成ります。
■雪で競技が中断しているときは、こんな場面が繰り広げられていますので、今度中断があったときは、皆さん想像してみてください。