私たちの施設では、季節にちなんだ行事を定期的に行っていますが、今月は7日に「七夕の会」を予定しています。
当日は、午後の1時間ほどを使って入所者と職員が一緒に歌を歌ったり、夕食は七夕にちなんだ献立を楽しんだりします。
七夕というと、笹竹に願い事を書いた短冊を飾る風習がありますが、私たちの施設でも入所者と職員が5日までに短冊に願い事を書いて、6日に飾りつけを行います。
「七夕の会」担当者のM君が、去年の短冊を整理しようと保管していた箱を開けたところ、一瞬ドキっとしてしまったそうです。重ねてあった一番上の短冊には入所者Tさん(90代女性)が書かれた一枚があり、それには「早く天国に行きたい」とありました。
Tさんは小児期の大怪我が元で、現在では関節の痛みや変形から、自力歩行も困難になられていますが、普段は可能な限りご自身で身の回りのことをされ、職員が介助しようとしても拒まれ、それどころか職員を叱りつけるほどお達者です。しかし平均寿命を越え、既に死を覚悟されていらしたのでしょうか。
でき得るならば穏やかな死を迎えたいと願ったTさんの短冊は、本望が書かれたものだったのかもしれません。
私たちの施設の入所者の大半は認知症を患われており、Tさんのようにご自身で願い事を書くことができる方は少数です。多くの方は、職員が聞き取りながら書いていくのですが、必ずしもご本人の意思に沿った短冊ができるとは限りません。
職員は、各自が担当する4名の方から聞き取りを行いますが、なかなか意思の疎通がはかれません。
同期のNさん(女性)は、担当する入所者Tさん(70代女性)に、
「『イイ人と出会えまうように』でイイよね?ね?ね?」
と、半ば強制するように聞き取りというよりも誘導尋問のようでしたTさんは、普段から男性職員がお気に入りで、特に私の先輩Oさんがお好みなようです。確かにそんなTさんの『願いごと』としては見合ったものかもしれません
私も担当する4名(いずれも女性)の方々にお伺いしてみました。
Ⅰさん:「願い事なんて知らねーよ、うるせー、バカっ」
と悪態をつくとプイっと寝返りをうってそれ以降口をきいてくれそうにありません...どうも虫の居所が悪かったようです
Mさん:「あらー、嬉しいわぁずっとココに居ていいの?いいの?」
...会話が噛みあいません。でも「ずっと此処で暮らせますように」と書いておけばよいかもしれません
Tさん:「そうやねー...(生まれ故郷、四国の)土佐に帰りたいわー」
この後Tさんは、四国への行き帰りのことが心配になられたのか、交通費のことやかかる日数のことなどを執拗なまでに介護主任に問いかけ、主任を往生させていました。何かというと主任を質問攻めにするTさんですが、この日の端緒を作ってしまったのは私でした。Y主任、ごめんなさい
Kさん:「そうねー...目が見えるようになりたいわぁ~」
Kさんが眼疾患を患われているのは知っていましたが、この日の会話から、相当に視力が落ちていることが分かりました。右目を手で押さえながら私に訴えたKさんの願い事も切実な願いなのでしょう
私と担当する入所者の方々とのやりとりは上記のような感じですが、他の職員も、それぞれが四苦八苦しながらも、結構楽しみながら短冊書きの作業をしています
画像は、東京・立川にあるイタリアン・レストラン“mothers”(南口店)の内観です。携帯のカメラなので全貌まではとても写しこめませんが、ディナー・タイムはテーブルにキャンドルが置かれ、照明も少し落としぎみで、落ち着いて食事ができる雰囲気です
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週3回ものボランティア、本当にお疲れさまです。
お疲れになったら昼寝は必要ですよね。
梅雨寒もありますから、ビニールシートはヨクナイですよー
その他に金曜日の午後、都内の老人ホームまで行っています。
したがって、今日の大四畳半乃至ビニールシートはボランティアの後でした。
病の苦しさを軽くしてほしい、家に帰りたい、早く召されたい等々、高齢者の願いごとは切実で、聞かされる私たちが対応に苦慮してしまいます。
普段は笑顔でいらっしゃることが多い方が、身につまされるような願いごとを書かれていたりすると尚更ですね
ところで、本日の「シェスタ」or「大四畳半」はデイケアでのボランティアの後だったのでしょうか?お疲れさまでした
私たちの施設は山間にあるので、笹竹も天然モノ、山から介助員が切ってきたものを使います。これは数少ない地の利ですね
江戸時代、七夕の願い事は「芸事」の上達を願うものでもあったそうです。
それなら私も今年は
「FLEA(ベーシスト)みたいに弾けるようになりますように」
とヌケヌケとお願いしてみます
エヴァちゃんもストレートな愛情表現には照れちゃうんじゃないでしょうか
何回か、私も色紙で飾り作りのをお手伝いしましたが、こんなことをするのは小学生以来となつかしかったです。
そういえば、短冊も何を書いたらよいか思い浮かばない方には、職員さんが「○○って書けば?」なんていわれてましたね。
一人一人自分の短冊を自分で付けるのですが、私がお相手した方は、足も手もご不自由なので、私がかわりに付けさせていただきました。
短冊には「腰の痛いのがよくなりますように」と書かれており、なんだか、切なくなりました。
未来のある子供と違って、お年寄りの願いは、苦痛をとりのぞくこと、早くお迎え来て欲しいこと、家へ帰りたいことなど、どれも叶えるのが難しいことばかりで、言葉を失います。
札幌では8月7日なので、私たちはこの間笹(プラスチック)をだして、今はくす玉を折り紙で作っています。
短冊もこれからかな~。
去年のでは「若くなりたい」とかなかなかユニークなのもありました。
ワタシは「エヴァちゃんとずっといっしょにいたい」とぬけぬけと書き職員みんなの顰蹙をかってました~~。
アホなおばはん!byエヴァ
いくら施設で平穏に暮らされていても、家族の元に帰りたいという希望には、私たちは何の力にもなれず、本当に身につまされてしまいます。
ちなみに本文に登場した同期のNさんは、「ら●ら●・ごっくん」発言をした女性です
一年に一度しか逢えない七夕様にあれこれお願いしても
「こちとら忙しいんでぃっ」
ってあしらわれそうだけど、せめてお年寄りのささやかな願いだけでも叶えてもらえたらと思っています。