大きな台風7号が近づいています。去年が台風の当たり年と言われましたけれど、今年はどうでしょうか。関東地方に台風が来るのは昔は9月になってからと思っていましたが、近年では事情が変わってきたようです。
今回は私の勤める特養に入所されているⅠさんのお話を。。。
Ⅰさんはかつて都心の百貨店で売り場に立っておられたようです。それはおそらく日本が高度成長期に入った頃のことでしょう。当時の百貨店は華やかな職場だったと思います。Ⅰさんとの会話の中でもその雰囲気は窺い知れます。
Ⅰさんは映画もお好きだったようで、「オードリー?」と問いかけると、「ヘッバァーン」と答えてくれます。女優の"Audrey Hepburn"のことです。 「ヘップバーン」と日本語的な発音ではなく英語風に発音されます^^Audrey Hepburnが出演した映画はたくさんありますね。「ローマの休日」、「マイ・フェア・レディ」etc...Ⅰさんはどんな作品をご覧になっていたのでしょうか。
Ⅰさんのお食事は職員が介助して召し上がっていただきます。右手はお使いになれるのですが、お食事にその手は伸びません。そして、気が向かないとせっかくお口の中に入れた食べものを吹き出してしまいます。そんなとき、「呪文」を唱えるとすんなり召し上がっていただくことも多くあります。
その呪文は、「そんなに食べ物を粗末にすると、Yちゃんが泣いちゃうよ。Yちゃんが泣いたらⅠさんも悲しいでしょ?」です。YちゃんとはⅠさんのお嬢さんのことです。週に一度くらいの頻度でⅠさんに面会にお越しになるので、私たち職員とも顔見知りです。Ⅰさんは認知症でいらっしゃるので、ⅠさんとYさんが会話されていても親子の会話としては不自然な部分はあります。でも、どこかでつながっているからお嬢さんであるYさんが悲しむことをⅠさんも望んでいないんでしょう。呪文はとても効果があります
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