イタリア初の女性首相誕生も?「移民反対」「自国優先」右派連合優勢で EUとの連携に乱れの懸念
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TBS NEWS DIG Powered by JNN
ウクライナ情勢をめぐり、「国の対ロシア政策はどうなるのか?」と、その結果が懸念されているのが今週末のイタリアの総選挙です。初の女性首相誕生も期待され、話題を集めています。
イタリア・フィレンツェ。今月、巨大ホールを借り切っておよそ2000人が集まる食事会が開かれました。お目当てはこちらの女性。右派のジョルジャ・メローニ党首です。 記者 「壇上に上がった女性、今イタリアで最も勢いのある政治家、メローニ氏です」 壇上で強く訴えるのは「自国優先」、「移民反対」です。 右派「イタリアの同胞」 メローニ党首 「大多数の移民は労働者間の競争をあおり、労働者の価値や権利を下げる権力者や大企業の道具ですよ。団結なんて関係ありません」
イタリアでは今年7月、ドラギ首相の信任投票に与党の一部がボイコットして大連立政権が崩壊。主要政党のほとんどが政権に参加する中、野党であり続けたメローニ氏率いる「イタリアの同胞」が国民の不満を吸収するかたちで支持を集め、最新の世論調査でトップに立っています。
支持者 「女性がイタリアを前進させてくれるのを見たいです。私たちが何年も待っていること」 「初の女性首相、しかも右翼、革命のようですよ」 25日の総選挙の結果次第で初の女性首相の誕生かと注目されていますが、ヨーロッパでは“ある懸念”が広がっています。
それは、メローニ氏が連立を組む2人の政治家の存在。極右のサルビーニ氏と元首相のベルルスコーニ氏です。サルビーニ氏は、過去にEU議会でこんなTシャツを着てロシアのプーチン大統領を称賛した人物。 ベルルスコーニ氏 「私の公式チャンネルにようこそ。TikTok!」 また、新たにソーシャルメディアデビューをした85歳、重鎮のベルルスコーニ氏もプーチン氏と個人的に親しいことで知られています。
右派連合が政権を取れば、対ロシア政策に変化が生じる可能性が指摘されているのです。 フランス モンテーニュ研究所 ジョルジーナ・ライト上席研究員 「EUやNATOにノーと言うことも恐れません。ロシアへの経済制裁がエネルギー価格に与える影響をより問題視して、EUの足並みが乱れる恐れがあります」 国民の中にも不安の声が…。 市民 「特に対ヨーロッパ的に良くないのでは」 「ドラギ氏が政権運営していた2か月前に戻って欲しいです」 メローニ氏の党も公約にはEUへの協力やウクライナ支援を盛り込むなど穏健路線をアピールしています。 EUや国際社会に影響を与え得るイタリアの総選挙。国民の選択が注目されています。