今日の楽天戦、坂本と田中将の対決は見ごたえがあった。
同級生対決。
周知の通り、田中はルーキーイヤーから評判通りの実力を発揮した。
一方、坂本も2年目でレギュラーポジションを獲得、昨年は3割も打って成長著しい。
今シーズンのここまでの成績も申し分ない。
それにしてもこのふたり、まだ若干21歳である。
いくら活躍しているとはいえ、見ごたえある対決と形容するにはまだまだ歳は若い。
風格の漂うキャリアにも程遠い。
それでも田中は大ベテランの様なマウンド捌き、
坂本も今シーズンはバッターボックスで期待以上の仕事をこなしている。
腕の使い方、たたみ方、若武者というだけでは片付けられない巧みさに磨きがかかった。
田中はご承知の通りその態度や発言に負けん気の強さが見える。
マウンドでの表情や投球にもそれが全面に表れている。
実際、田中は、同期の坂本、前田健(カープ)には絶対負けたくないと言い切る。
一方の坂本は、どちらかといえば生真面目に飄々と受け答えする。
タイプは違ってもこのふたり、この若さで妙なくらい試合中に落ち着いて見えるのだ。
とくに坂本は今シーズン、あきらかに何か得たうえでバッターボックスに立っているように感じる。
原監督の言う「階段を上がって」いるように見える。
実はこの落ち着き、彼らだけでなく、彼らの世代全般から感じられる風潮である。
この話をし出すと野球の話から完全にずれてしまうのでここではやめておくが、
まあ彼らに至っては、きっちりとした裏打ちがあってのもの。
決して悪い事ではない。
勝負の世界である。
今季、坂本が打った瞬間、思わず「うまい!」とテレビの前で声を出していたことが何度もある。
今シーズンの坂本は、実にうまくヒット、あるいはホームランを放つ。
今シーズンは、というより、今シーズンから、と言った方が正確だろうか。
もともと内角の球や低目の球を捌くのはうまかった。
しかし今シーズンは昨年とは一味も二味も違う。
見ていて一番感じるのは腕のたたみ方の妙。
それ以上に、その動作に入る反応の速さ、反応の良さである。
変化球やスピードボールで目を散らされても、次の球に見事に反応してボールを捉え、
バットをしっかり振り切ってヒットゾーンまでボールを運ぶ。
ちょっと言い過ぎかもしれないが、実績のあるベテラン選手のように、
今の彼が三振や凡打に打ち獲られてもそれはそれで納得してしまう。
まあ仕方ないかと。
坂本や松本の台頭で若手に勢いが出て、何人かの有望な若手選手の躍進ももう目の前、
そんな気持ちで次の台頭を今シーズンも待ち望んでいたが、イヤ、ちょっと待てよ。
もしかしたら坂本、ちょっと只者ではないのかもしれない、という気がして来た。
原監督の叩き上げ、そんなイメージの坂本だが、言ってもまだ4年目である。
他球団の同期の選手や、ジャイアンツの後続の若手らと比較しても、やはりその躍進には目を見張るものがある。
なんだかどんどん次から次へと期待の若手が目白押しで後ろがつかえてしまうのではないかと嬉しい心配をしていたが、
ちょっと浮かれすぎ、それは勘違い、坂本は特別なのではないか、と思い始めた執筆人。
坂本、田中将、すごい21歳だな。
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