#1: 英語の発音について
先日学長から電話があり、「ちょっとお願いがあるんですが…」と言われ、学長室に行くと、3月初めに行われる卒業式で学長が行う英語のスピーチの原稿を読んで、テープレコーダーに入れてくれませんか、というお願い。それを聞いて練習したいと言われる。ネイティブの方がいいのでは、と言うと、ネイティブにもお願いしたとのこと。自分の声を聞くというのは嫌なもので…しかも、自分の英語を聞かなければならない。ん~とは思ったものの、学長のお願いなので、快く(?)了承。
早速自分のオフィスに戻り、録音の準備。もちろん、自分のスピーチではないので、まずは読み込み、読み込み。何度も何度も読んで、イントネーションを確認し、気持ちを入れて読むこと数回、否、ふむ…10回以上は読んだかな?それでは録音、と思い、Recordの赤いボタンをプッシュ。 “I would like to express my sincerest congratulations on your graduating…”と発音に注意を払いながら、さりとて、スピーチなので、抑揚にも気をつけて、会場の人々、特に卒業生に向けて話しかけることを想像しながら文を読み続けること、約7分。終わった~と思って、巻き戻しをして確認。自分の声を聞くのも嫌なのに、ましてや自分の英語を聞くとは(冷汗)。英語(言語学)を長く専門とし、音声学、音韻論等英語の発音についての学問も勉強し、また、通訳も多くしてきた人間としては、人の英語の発音を分析・評価するのは、ある意味仕事の一部。しかし、自分の英語を聞いて評価するのは~正直恐い!前に同じことをしたことがあるが、その時は鳥肌(goosebumps)が立ったものだ(涙)。またまた、鳥肌か…おそるおそるPlayボタンを押した。
“I would like to express my sincerest congratulations on your graduating…”ふむ…まあまあやな。ちょっと安心。少なくとも鳥肌は立たなかった。よかった~(安堵)。しかし、なんか音がはっきりしない部分がある。子音がつぶれている部分がある。母音の発音が英語っぽくない。流れが、自分が知っている英語とは若干違う等々、問題発見。しゃあないな~もう一回やな、と再度原稿を読み直し、もう一度トライ!そしてまた確認。またトライ!そして確認。自分が納得できるレベルのバージョンがやっとできたので(でも、80%くらいかな?)、終了!と思い、Stop、巻き戻し。そして学長のところへ持っていった。ふ~、やっと終わった。でも、昔も今も、自分の声っていやだな、自分の英語って、みんなにはあんな風に聞こえるんだ。なんか自分のイメージと違うな~、自分の声は、英語はもっと格好良く聞こえると思っていたんだけどな~。でもまあ、あれが現実やな。しゃあないな、あきらめよ。様々な思いが頭に巡るなかオフィスに戻る。
次の日。またまた学長から電話。「ちょっと、今時間ありますか?」とのこと。ん?なんやろ、今度は?失礼しま~すと学長室に入ると、学長はまたまたテープレコーダーを持っておられる。ん?なんで?学長が言われる。「昨日録音してもらったものですけど、あれはちょっと早すぎるので、もうちょっと遅くして、もう一度録音してもらえませんかね?」「え?あ、そうですか。それは~いいですけど(またまた自分の声を聞かねばならんのか~(涙))、でも、ネイティブのもありますよね。」と言うと、「あ、あれはね、なんか発音がわかりにくいんですよね、西村さん(あ、実はNaokiの姓です)の方が聞きやすくて、わかりやすいので」ん?それはcompliment(ほめ言葉)?それとも…まあ、日本人の英語やからな、そっちの方が聞きやすい、いうことやな、と思いつつ、またまた快く(涙)承諾。
早速オフィスの戻り、またまた読み込み開始。まあ、前にしっかり読んでいたので、今回の読み込みは短時間で終了。ではでは、録音。はた?前の英語が早過ぎたということは…今度はもっとゆっくり、とすると、よりはっきり発音しなければならない。ということは、英語の音の乱れがより鮮明に聞こえる(ゾッ!)。今度はへたすると鳥肌experience?過去のトラウマ(深い心の傷/trauma)がよみがえる?それはいかん、それはきつい!と思い、録音はとりあえずストップ。
まずは再度読む練習。今度は前よりも一つ一つの単語の音を、アルファベットに注視して、また、アクセントにも気をつけて読む練習。アルファベットについては、舌の動き、母音の出し方(口の開け方、音が出る場所、その位置(高低)等)、子音の固まり(子音連結/consonant clusters)、特に気をつけたのは語尾-複数形の-ies等は、最後のsの音が聞こえなくなる場合があるため、エクスロラ注意!-アクセントは、カンマがあればその前の単語の語尾の音は下げずに、ちょっと上げ目にしてその後の文に気持ちをつなぐ。もちろん、ゆっくり発音するからといって、文が終わるまでは息は続けなければならない。なぜならば、「一文は、どんなに長かろうと、息づきは許されないのだ!」ということは、一文を言い終わるまでは、あご、唇、舌、息の強弱を調整しながら、口をしっかり動かし、はっきり聞こえるような音を出し続ける。しかし、息は決して止めないということ。これはなかなか簡単ではない。だが、そうしないと、後で自分が聞くはめとなる英語に、I would have goosebumps.
何度か練習をし、そして、何度が録音を確認し、満足度が80%くらいになった段階で、終了~!(安堵)ま、とはいっても、十分に満足できるものではなかったことは間違いないが…まあ、こんなもんでしょ、と自分を励まし、今回の自分の英語の発音の見直し、本来の学長からの依頼については無事終了となった。
It occurred to me that(ふと思ったことは)、やっぱり英語の発音は大事だということです。英語はアルファベットの集まりです。その一つ一つの発音がつながって一つの単語を形成し、そしてそれらの音の集まりが句を形成し、そしてそれらが一つの総合的な意味をなす音として文を形成することになります。そしてそれらを繋ぐのが、各単語にある音の強弱(ストレス)であったり、文のいろいろな部分に出て来る音の強弱(イントネーション)となります。それらを意識しないで発音された英語の音は、自分ではしっかり言っているつもりでも、相手には自分が言っているつもりの音、文とは聞こえないのです。
多くの皆さんはご存知と思いますが、我々が話す音は、聞き手には空気伝導で伝わりますが、話し手である自分自身には、骨伝導(骨を伝わった振動)で聞こえることになります。ですので、自分が「自分の声」と思っている声が、録音されたもので聞くと、「自分の声じゃない!」って思うわけです。ましてや、それが英語ならばどうなるか?自分でははっきり発音していると思っていても、その音がはっきりしていなければ-英語の音を作るように各必要部分をしっかり動かしていなければ-、聞き手にははっきり聞こえない、理解できない音として伝わるわけです。しかも、これは結構あることですが、自分がいい発音、英語らしい発音と「思っている」人の発音ほど、聞き手には「わかりにくい、くせのある英語」と理解されている場合が多いのです。これは経験上の話しなので、間違いないです(苦笑)。
自分がいい発音、聞き手にわかりやすい英語を話しているかを確認するためには、また、そう発音するためにはどうしたらいいのか?今回私がしたように(自発的ではないですが(照笑))、自分の英語を録音して聞いてみる、そしてより良い発音とするよう改善する努力をすることが一番いい方法と言えます。え?その勇気がない?なるほど…まあ、僕も自発的にやったわけではないので、偉そうには言えませんからね。では、second bestの方法を実践してみてください。それは、前述したように、英語を話す時、読む時は、自分が「オーバー過ぎるやろ!」と思うくらいに動かして、アルファベットをしっかり発音するようにしてみてください。もちろん、英文一文については、決してそれが終わるまでは息を止めないこと。しっかり口を動かし、息を出しながらも、「一文は最後まで一息で言い終えること」。それを常に頭に置いて発音すれば、「いい発音」かどうかはわかりませんが、少なくとも聞き手には「わかる発音」となるはずです。
皆さん、自分ではオーバー過ぎると思われる発音、日本人の友達からは、「なんでそんなに口を動かしているの?」と思われるくらいの英語が、聞き手には、また、ネイティブには「わかる英語」であるということを信じて、英語はしっかり発音するよう気をつけましょう!これが今回の「ふと思ったこと」(It occurred to me that…)でした。Thank you for stopping by my blog again, guys. Until next time, take good care, and, have a good one! nao
先日学長から電話があり、「ちょっとお願いがあるんですが…」と言われ、学長室に行くと、3月初めに行われる卒業式で学長が行う英語のスピーチの原稿を読んで、テープレコーダーに入れてくれませんか、というお願い。それを聞いて練習したいと言われる。ネイティブの方がいいのでは、と言うと、ネイティブにもお願いしたとのこと。自分の声を聞くというのは嫌なもので…しかも、自分の英語を聞かなければならない。ん~とは思ったものの、学長のお願いなので、快く(?)了承。
早速自分のオフィスに戻り、録音の準備。もちろん、自分のスピーチではないので、まずは読み込み、読み込み。何度も何度も読んで、イントネーションを確認し、気持ちを入れて読むこと数回、否、ふむ…10回以上は読んだかな?それでは録音、と思い、Recordの赤いボタンをプッシュ。 “I would like to express my sincerest congratulations on your graduating…”と発音に注意を払いながら、さりとて、スピーチなので、抑揚にも気をつけて、会場の人々、特に卒業生に向けて話しかけることを想像しながら文を読み続けること、約7分。終わった~と思って、巻き戻しをして確認。自分の声を聞くのも嫌なのに、ましてや自分の英語を聞くとは(冷汗)。英語(言語学)を長く専門とし、音声学、音韻論等英語の発音についての学問も勉強し、また、通訳も多くしてきた人間としては、人の英語の発音を分析・評価するのは、ある意味仕事の一部。しかし、自分の英語を聞いて評価するのは~正直恐い!前に同じことをしたことがあるが、その時は鳥肌(goosebumps)が立ったものだ(涙)。またまた、鳥肌か…おそるおそるPlayボタンを押した。
“I would like to express my sincerest congratulations on your graduating…”ふむ…まあまあやな。ちょっと安心。少なくとも鳥肌は立たなかった。よかった~(安堵)。しかし、なんか音がはっきりしない部分がある。子音がつぶれている部分がある。母音の発音が英語っぽくない。流れが、自分が知っている英語とは若干違う等々、問題発見。しゃあないな~もう一回やな、と再度原稿を読み直し、もう一度トライ!そしてまた確認。またトライ!そして確認。自分が納得できるレベルのバージョンがやっとできたので(でも、80%くらいかな?)、終了!と思い、Stop、巻き戻し。そして学長のところへ持っていった。ふ~、やっと終わった。でも、昔も今も、自分の声っていやだな、自分の英語って、みんなにはあんな風に聞こえるんだ。なんか自分のイメージと違うな~、自分の声は、英語はもっと格好良く聞こえると思っていたんだけどな~。でもまあ、あれが現実やな。しゃあないな、あきらめよ。様々な思いが頭に巡るなかオフィスに戻る。
次の日。またまた学長から電話。「ちょっと、今時間ありますか?」とのこと。ん?なんやろ、今度は?失礼しま~すと学長室に入ると、学長はまたまたテープレコーダーを持っておられる。ん?なんで?学長が言われる。「昨日録音してもらったものですけど、あれはちょっと早すぎるので、もうちょっと遅くして、もう一度録音してもらえませんかね?」「え?あ、そうですか。それは~いいですけど(またまた自分の声を聞かねばならんのか~(涙))、でも、ネイティブのもありますよね。」と言うと、「あ、あれはね、なんか発音がわかりにくいんですよね、西村さん(あ、実はNaokiの姓です)の方が聞きやすくて、わかりやすいので」ん?それはcompliment(ほめ言葉)?それとも…まあ、日本人の英語やからな、そっちの方が聞きやすい、いうことやな、と思いつつ、またまた快く(涙)承諾。
早速オフィスの戻り、またまた読み込み開始。まあ、前にしっかり読んでいたので、今回の読み込みは短時間で終了。ではでは、録音。はた?前の英語が早過ぎたということは…今度はもっとゆっくり、とすると、よりはっきり発音しなければならない。ということは、英語の音の乱れがより鮮明に聞こえる(ゾッ!)。今度はへたすると鳥肌experience?過去のトラウマ(深い心の傷/trauma)がよみがえる?それはいかん、それはきつい!と思い、録音はとりあえずストップ。
まずは再度読む練習。今度は前よりも一つ一つの単語の音を、アルファベットに注視して、また、アクセントにも気をつけて読む練習。アルファベットについては、舌の動き、母音の出し方(口の開け方、音が出る場所、その位置(高低)等)、子音の固まり(子音連結/consonant clusters)、特に気をつけたのは語尾-複数形の-ies等は、最後のsの音が聞こえなくなる場合があるため、エクスロラ注意!-アクセントは、カンマがあればその前の単語の語尾の音は下げずに、ちょっと上げ目にしてその後の文に気持ちをつなぐ。もちろん、ゆっくり発音するからといって、文が終わるまでは息は続けなければならない。なぜならば、「一文は、どんなに長かろうと、息づきは許されないのだ!」ということは、一文を言い終わるまでは、あご、唇、舌、息の強弱を調整しながら、口をしっかり動かし、はっきり聞こえるような音を出し続ける。しかし、息は決して止めないということ。これはなかなか簡単ではない。だが、そうしないと、後で自分が聞くはめとなる英語に、I would have goosebumps.
何度か練習をし、そして、何度が録音を確認し、満足度が80%くらいになった段階で、終了~!(安堵)ま、とはいっても、十分に満足できるものではなかったことは間違いないが…まあ、こんなもんでしょ、と自分を励まし、今回の自分の英語の発音の見直し、本来の学長からの依頼については無事終了となった。
It occurred to me that(ふと思ったことは)、やっぱり英語の発音は大事だということです。英語はアルファベットの集まりです。その一つ一つの発音がつながって一つの単語を形成し、そしてそれらの音の集まりが句を形成し、そしてそれらが一つの総合的な意味をなす音として文を形成することになります。そしてそれらを繋ぐのが、各単語にある音の強弱(ストレス)であったり、文のいろいろな部分に出て来る音の強弱(イントネーション)となります。それらを意識しないで発音された英語の音は、自分ではしっかり言っているつもりでも、相手には自分が言っているつもりの音、文とは聞こえないのです。
多くの皆さんはご存知と思いますが、我々が話す音は、聞き手には空気伝導で伝わりますが、話し手である自分自身には、骨伝導(骨を伝わった振動)で聞こえることになります。ですので、自分が「自分の声」と思っている声が、録音されたもので聞くと、「自分の声じゃない!」って思うわけです。ましてや、それが英語ならばどうなるか?自分でははっきり発音していると思っていても、その音がはっきりしていなければ-英語の音を作るように各必要部分をしっかり動かしていなければ-、聞き手にははっきり聞こえない、理解できない音として伝わるわけです。しかも、これは結構あることですが、自分がいい発音、英語らしい発音と「思っている」人の発音ほど、聞き手には「わかりにくい、くせのある英語」と理解されている場合が多いのです。これは経験上の話しなので、間違いないです(苦笑)。
自分がいい発音、聞き手にわかりやすい英語を話しているかを確認するためには、また、そう発音するためにはどうしたらいいのか?今回私がしたように(自発的ではないですが(照笑))、自分の英語を録音して聞いてみる、そしてより良い発音とするよう改善する努力をすることが一番いい方法と言えます。え?その勇気がない?なるほど…まあ、僕も自発的にやったわけではないので、偉そうには言えませんからね。では、second bestの方法を実践してみてください。それは、前述したように、英語を話す時、読む時は、自分が「オーバー過ぎるやろ!」と思うくらいに動かして、アルファベットをしっかり発音するようにしてみてください。もちろん、英文一文については、決してそれが終わるまでは息を止めないこと。しっかり口を動かし、息を出しながらも、「一文は最後まで一息で言い終えること」。それを常に頭に置いて発音すれば、「いい発音」かどうかはわかりませんが、少なくとも聞き手には「わかる発音」となるはずです。
皆さん、自分ではオーバー過ぎると思われる発音、日本人の友達からは、「なんでそんなに口を動かしているの?」と思われるくらいの英語が、聞き手には、また、ネイティブには「わかる英語」であるということを信じて、英語はしっかり発音するよう気をつけましょう!これが今回の「ふと思ったこと」(It occurred to me that…)でした。Thank you for stopping by my blog again, guys. Until next time, take good care, and, have a good one! nao