岐阜県美濃地区の「円空仏」を訪ねる・その3として、円空生誕の地、岐阜県羽島市の「中
観音堂・羽島円空資料館」と、同羽島市の「薬師寺」を訪ねて来ました。
円空の生誕は、羽島市生まれ説と郡上市美並町生まれ説の二つが提唱されていますが、
今や羽島市の説が有力となっています。昭和35年に鎌倉近代美術館での「円空彫刻展」
の開催が契機となり、爆発的な円空ブームが招来、全国的な円空仏の発見につながり、そ
れに伴い、生誕地羽島の存在がクローズアップされました。ここ羽島では、円空仏の特徴で
ある「微笑み」がより魅力的に写ったのは小生だけでありましょうか。
< 中観音堂・羽島円空資料館 / 上・全景、 下・内陣 >
円空の生誕地と言われる、岐阜県羽島市に「中観音堂」があり、ここには本尊の「十一面観
音像(222cm)」をはじめ17体の円空仏が、村の共同管理で守られています。
ここの円空仏はどれも保存状態良く、特色ある仏を身近で眺められることから、極めて親近
感を覚える仏です。尚、隣接に「羽島円空資料館」があり、ここはすべてがレプリカですが、
円空仏に関する多くの資料が展示されています。
< 長間薬師寺 / 本堂 >
中観音堂より程近く(約1Km)にある「長間薬師堂」には、本尊の「薬師如来像」をはじめ9
体の円空仏が安置され、中でも「薬師三尊像」と「護法神像」は、円空初期の作品の内でも
最も優れたものだと言われています。
「お志のお賽銭で」とのお言葉をいただき、写真撮影を許していただくも、公開不可。
*ご参考
<円空仏に関する参考図書>
1. 「東海の円空を歩く」 長谷川公茂 著 風媒社 1,500円
2. 「円空・微笑みの謎」 長谷川公茂 著 新人物往来社 2,000円
3. 「円空の旅」 早坂 暁 著 佼成出版社 1,400円
4. 「美術手帳・2013/02号(円空特集)」 美術出版社 1,600円
羽島が生誕の地とは、一つ賢くなりました。