琵琶湖を取り囲んだ近江路に広がる観音霊場。一千有余年の歴史を今に伝える近江西国
三十三観音霊場は、豊かな自然に抱かれて建つ古刹ばかりで、霊場の中でも貴重で人気
のある霊場です。
今年発願し、あと3ヶ寺を残していましたが、師走押し迫るこの時期に「何とか年内に」との
思いから、ついに結願に至りました。西国三十三観音霊場と一部重なっていますが、この
日近江西国3ヶ寺を含め計5ヶ寺を巡拝し、年内の巡礼はこれが最終となりました。
多くの人に支えられ、無事に今年も終えることが出来る幸せに感謝しつつ、巡礼の旅を終え
ました。今後も古寺に関する、①信仰、②仏像、③寺院建築物、④庭園、⑤寺院文化財など
の情報、話題などを採りあげ、自分なりの感覚でブログを仕上げたいと思っております。
ブログを始め約半年の初心者ですが、今後ともご支援ご教示の程宜しくお願い致します。
今回のうち3ヶ寺について記録します。
< 第3番札所 石光山 石山寺 / 上・山門、下・源氏の間 >
聖武天皇の天平19年(747)の創建。本尊は如意輪観世音菩薩で、秘仏の為33年に一度
の御開帳。本堂は滋賀県最古の木造建築で、平安時代の内陣に桃山時代の外陣を増築し
たもの(国宝)。
風光明媚な石山寺は王朝貴族に愛され、平安時代には石山詣でが流行し、紫式部がここで
「源氏物語」を構想したとされ、今も「源氏の間」が残されている(今の建物は後世のもの)。
< 第4番札所 三井寺別所 近松寺 / 本堂 >
創建は古く平安時代、三井寺の開祖智証大師の教法を慕い、三井の悲寂を愛した五大院
安然和尚が練行、入寂された地と伝えられ、のち延喜4年(904)に「近松寺」となる(近松
寺は三井寺五別所の一つ)。
浄瑠璃、歌舞伎作者として著名な近松門左衛門もこの寺で修業し、寺名から名前をとった
とされる。
< 第6番札所 比叡山 生源寺 / 山門 >
この寺は比叡山を開いた伝教大師が生まれた所で、後に寺が建てられ生源寺と名付けら
れる。ご本尊は十一面観世音菩薩で慈覚大師作と伝えられる。
境内には伝教大師の「産湯の井戸」や、伝教大師の高弟であった別當大師光定を祀った
「別當大師堂」などがある。