ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノ触媒でメタンガスの燃焼効率を高める(ビデオ付き)

2012-09-04 | 報道/ニュース

天然ガス発電は今後ますます重要視されるであろう。天然ガスの主要成分であるメタンガスはきわめて安定な分子で、完全燃焼させるこことが困難であった。しかもメタンガスが燃焼しないで大気中に放出されると、二酸化炭素の20倍の温室効果をもたらす。

メタンガスの燃焼には触媒が用いられるが、その効果は必ずしも十分ではない。1000℃以上の高温で燃焼させると、メタンガスの燃焼効率は増大するが酸化窒素や一酸化炭素などの有毒ガスを放出する。低い温度で効率よくメタンガスを燃焼させる触媒の探索が進められていた。

ペンシルベニア大学とスペインおよびイタリーの共同研究グループは、これまで使われていた触媒より30倍も効率が高い触媒の作成に成功した。この触媒はパラジウム(Pd)と酸化セリウムのナノシェル構造(4/12,16参照)で、球状のパラジウムナノ粒子を薄い酸化セリウムナノ粒子で覆ったものである。この触媒を用いることによって、400℃でメタンガスをほとんど完全に燃焼出来るという。
http://www.nanowerk.com/news2/newsid=26278.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29

コアシェル構造はナノテクノロジーで種々の目的に用いられていたが、触媒に応用されたのはこの研究が初めての様である。パラジウムと酸化セリウムの相乗効果が触媒の効率を増進しているという。ビデオ(http://youtu.be/lVGgPvUhGYw)で触媒の構造とメタンガス(正4面体)と酸素と反応の様子を見ることが出来る。