夢をかなえる新聞・聖教新聞 -人間革命の指針-

聖教新聞は夢をかなえる新聞です。その中より「新・人間革命」、名字の言、体験から夢をかなえゆくための指針をつづります。

一流の芸術には輝くばかりの魂の発光がある 7/24

2011-07-24 22:46:06 | 名字の言
青森県立美術館で開催中の「光を描く 印象派展―美術館が解いた謎―」(10月10日まで)が好評を博している。大震災で開催が危ぶまれたが、ドイツの歴史ある美術館が名画60数点の貸し出しを快諾した▼同展には、東京富士美術館も出展。県立美術館の鷹山ひばり館長から「『池田先生の精神と魂の館』から大事な宝物を預かっています」との感謝の思いをうかがった▼『100人で語る美術館の未来』(福原義春編、慶應義塾大学出版会)では、美術館の使命に関するさまざまな考察を紹介。神奈川県立近代美術館の稲庭彩和子学芸員は、「普遍性のある作品が持っている、生へのポジティブ(積極的)なエネルギー」を浴びようと訴える。芸術作品には「生きる力」が漲っているというのだ。美術にしろ音楽にしろ演劇にしろ、一流の芸術には輝くばかりの魂の発光がある▼芸術は「見えるもの」を通して、より高い「見えないもの」へと人間を引き上げてくれる――これは、池田名誉会長が美術史家ルネ・ユイグ氏の生き方を通して述べた言葉だ▼日本全体の心の復興が急務の今。各地の文化活動も活発になってきた。この夏、親子で、友人同士で、偉大な芸術に触れながら、強く豊かな心を養ってはいかがだろう。(杏)

第一に『会う』こと。会って、その人を知ることだ。 7/23

2011-07-24 22:45:01 | 名字の言
人の性格、特性を客観的に知る指標として、職業適性検査などが広く行われている。しかし、法政大学の島宗理教授は、この種の情報だけで、その人の将来を判定することには問題があると指摘する▼一つは「個人差」で、もう一つが「変化可能性」だ。後者の例として、小学校までは内向的だった人が、中学、高校と進むにつれ社交的になることは、よく見られる▼島宗教授はこう述べる。「《性格》という名札を使って人の心を理解したような気になって思考が停止してしまうと、もっとわかることがわからないままになってしまう」(『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』光文社新書)▼私たちは、人を“ラベル付け”しがちだ。人と接してきた過去の経験に照らして、「この人は○○タイプ」などと“判定”してしまう。しかし、深く知るほど、人への見方は重層的になる。何より、人は変わりうる存在であることを忘れてはならない▼池田名誉会長は、人材育成のポイントを語った。「第一に『会う』ことだ。会って、その人を知ることだ。知って、その人を励まし、成長を願い、祈ることだ」と。――夏季友好期間に入る。じっくりと友人、同志と語らう時間を作って、「ともに成長」を期していきたい。(行)

学会は校舎なき総合大学 7/22

2011-07-24 22:44:01 | 名字の言
取材打ち合わせのため、演芸関係者を寄席に訪ねた。ちょうど舞台では、80歳を超えた大ベテランが元気な姿を見せていた。かつて一世を風靡した浪曲師。都はるみさんも子どものころに憧れ、目標にしたという節回しは、なお健在だ▼楽屋にお邪魔すると、色紙にサインをされていた。「うまいやろ」。かくしゃくとした声。「でもな」。明るく笑いながら、こう続けた。「サイン以外はあかんのや。字の読み書きでけへんのや」。4歳から舞台に立った。経済的にも時間的にも、学校には行けなかった▼確実な統計はないが、障がい、貧困、さまざまな事情で、文字の読み書きが困難な人は、日本で数十万人から数百万人いるとされる。識字教室などの努力が続けられるが、社会のより深い理解が求められる。「よみかきのできなかたときは まいにち かべにむかて にらめこしていました」――識字教室で、ひらがなを覚えた男性の文だ(大沢敏郎『生きなおす、ことば』)▼筆者の知る学会の同志にも、読み書きができなかった方が3人いる。そして、今はできる。きっかけは全員同じだ。「御書、学会指導を学ぶなかで」▼学会は校舎なき総合大学。あまたの人々の支えとなり希望となり、厳然と民衆の中に立つ。(哉)

「北京・故宮博物院展」が、札幌で大盛況 7/21

2011-07-24 22:43:15 | 名字の言
東京富士美術館の企画による「北京・故宮博物院展」が、札幌で大盛況だ▼故宮とは「かつての宮殿」の意。500年間、歴代皇帝が居住した「紫禁城」を指す。その名の通り、庶民を阻んだ禁制の城は、今では博物院となり、一般公開されている。壮大な建造物も豪華な至宝も、それを作り出したのは民衆の知恵と力。この民衆の生きた証しをとどめたい――それが、公開に至った理由という▼中国の来賓の一人は、池田名誉会長の創立した美術館が、〝故宮展〟を企画したこと自体に「非常に深い意義がある」と述べた。なぜなら「創価学会は、民衆を主役とし、民衆の力を引き出し、民衆の連帯を広げてこられた」からだ、と▼この展覧会は、明年の日中国交正常化40周年を寿ぐもの。政治の壁を超え、正常化の道を開いた名誉会長の提言(1968年)もまた、〝民衆史観〟に貫かれていた。当時、評論家の竹内好氏は、提言に感銘した理由の一つに「国交回復の問題を、国家レベルでなしに、民族レベルで、または民衆レベルで考えている点」を挙げた▼大震災を受け、美術展の中止が相次ぐなか、今回、「復興の一助に」と国宝級18点が出展された。名誉会長の民衆交流への揺るがぬ信頼がこの事実に表れている。(鉄)

優れた絵本は、簡潔で深い教訓に満ちている 7/20

2011-07-24 22:42:22 | 名字の言
街中の果物屋に飾られた1このりんご。通る人々が、それを見てつぶやいていく。“ビタミンがいっぱいありそう”“1こ30円のりんごを3こ買うと……”“店の入口をちょっと直せば、もっと客が来るのに”。『1こでも100このりんご』(井上正治作・絵、岩崎書店)という絵本のストーリーだ▼りんごは、聞こえてきたつぶやきから、声の主がどんな人かと考えを巡らす。お医者さん、算数の先生、腕のいい大工さん等々――。物語を締めくくるりんごのつぶやきが、なんとも哲学的だ。“見る人が100人いれば、私は100通りのりんごになるんだわ”▼子どもに読み聞かせた後、こう伝えたいところである。「りんごだけじゃないよね。『あのお友達はどんな人?』と聞いても、みんな答えは違うよね」「お友達のいいところを見つけてあげることが大事だよ」▼優れた絵本は、簡潔で深い教訓に満ちている。あらゆる世代の心に響く。相手がどう見えるかではなく、どう見るか――人材育成のポイントでもあろう。“私にはない素晴らしい力を持っているはず”。そう信じて関わることが、自他共の成長につながる▼一人残らず、かけがえのない未来の宝。そう決めて「青年拡大」「人材拡大」に挑みたい。(馨)