中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

代用教員の給料は月額25元

2012年06月19日 | 中国の農村教育事情

6月6日の人民網、中国新聞網などの電子版に、貴州省納雍県鍋圏岩郷塘辺小学校の代用教員の給料が月額わずか25元であるとの記事が載りました。最初は電子版で代用教員の給料が月額25元であるとの報道がされた後は、あまりにも安い給料なので、当初は信じなかったネットユーザーも多かったようですが、自分の給料をネット上で明らかにしたこの代用教員本人が、写真で自分の給料明細等を写してネットに乗せたので、ようやく本当だと皆も納得したそうです。

楊艾菁さんも小学校を建てた貴州省納雍県は、国家レベルの貧困県で全人口は約93万人で小中学校の児童生徒は約18万人、教師は約9千人いるそうです。正式な資格を持つ教師については国の規定によりその給料が払われており2011年度の場合、全教師の支給、合計金額は31943万元だそうです。2008年の納雍県の代用教員の数は558人、2012年2月の段階では依然344人の代用教員がいるそうです。

また、代用教員の待遇、給料については「代課人員待遇以教学点自籌為主,政府補貼為輔」という規則があり、つまり教学点(学校)が代用教員の給料を主に捻出負担し政府の補助は従とすると云う定めがあるとの事です。貴州省納雍県鍋圏岩郷の場合も、この規定により代用教員の給料を支払ってきたそうです。この代用教員は、以前は県政府から毎月60元、学校からは毎月200元、合計260元を受け取っていたそうです。ところが2011年の後期からは、学校から払われるべき200元は全く支給されず県政府から支給される毎月60元のみとなり、さらに今年の前期からは、県政府から支払われる額も月額25元に減らされたので、たまりかねてネットで、この実態を曝す事にしたそうです。

この件が電子版などや地元の新聞などで報じられると県関係当局は、急遽対策に乗り出し、従来どおり県政府からは月額60元払うこととし、未払いになっていた学校から払われるべき月額200元も学校側が支払うように命令し学校も借金してこの未払い分を払ったそうです。

また、新聞などによれば(6月11日貴州都市報電子版による)今後も資格ある代用教員は正式の教師として採用するなどして代用教員の待遇改善に努めるとともに、村の他の部門への移動などを促し、代用教員を廃止するとの事です。

楊艾菁さんが学校を建てることになった村の代用教員の給料が240元でしたので、貴州省の代用教員の給料はかなり安いようですが、私もこれほど安いとは思いませんでした。また、2012年6月13日の黔中早報によれば現在でも貴州省内には約1万人の代用教員がいるそうです。

貴州省榕江県のある村で見かけ教学点と呼ばれる教育施設。1階は物置で2階の部分が学校の教室として使用されていました。



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