ER

海外ドラマ好きの私にとってはERは欠かせないドラマでNHKで放送していた頃も今もケーブルテレビでの放送を毎週楽しみにしているのだが
実際にそんなところにお世話になるのは全く楽しいものではない＜当たり前だが

土曜日にゆーたんがソファの上から転げ落ち（多分・・・）机の角に顔をぶつけて眉毛の上を切ってしまった。
傍にはいたのだがナァナとノノの影でゆーたんの事はよく見えずゴンという音と泣き声でゆーたんの方を見たときには
すごい血が出ていた。
慌てて抱き上げパパを呼び（お風呂の支度していた）ティッシュで傷口を押さえたのだが血がとまらない。
傷口をよく見るとぱっくりと割れていてかなりひどい。
もともと傷に弱い私はあまりの傷に痛いのではないか・・かわいそうに・・という気持ちと血がとまらないのでパニック！
とにかく救急車！と思ったのだがパパが車で自分で連れて行くという。
そうだ残る二人の留守番の事を考えると私は残らなくてはいけないのか・・・
でもゆーたんは私が抱っこしていれば泣き止んで「大丈夫？」という問いかけにも「だいじょうぶ・・」と答えていたり
頭を打ってるんじゃないかと思ってナァナやノノをを指差し「この子は？」と聞くと「ナァナ」「ノノ」と答えたりしていたのだが
パパが抱っこしたとたん大泣きしパニックになっている。
こんな状態でママがいないのは不安だろうし、傷口を押さえて運転するのは無理だろうから・・と
じいじとばあばに来て貰うべく連絡をする。
すぐ見てもらいたかったので救急車・・と言う私にパパは「近くの救急病院はあてにならないから」と
子供達が生まれてからずっとお世話になってる大学病院まで車で行くことにした。

30分近く車を走らせたどり着く頃にはゆーたんの出血もおさまっていたのだが
待合室で1時間近くも待たされ気が気じゃない。
留守番のナァナとノノはバアバのいうこと聞いてちゃんと寝たのかしら？
ゆーたんは血は止まっているけど痛いんじゃないかしら？

やっと名前が呼ばれて救急センターの中に入るとドラマのERのような活気（？）は全くなく落ち着いた雰囲気。
勿論ジョージクルーニーがいるわけでもなく若そうな先生が「どうしました？」
どうしたもこうしたも電話でもさっきのトリアージ看護婦にも何回も説明してるじゃない！と言いたいのをこらえ
「顔を切っちゃいました。テーブルにぶつけて・・ここです」
「ありゃ・・こりゃ縫わなきゃダメだね。切ったの何時頃ですか？」
縫わなきゃダメなのは知ってるよ！そんな事素人目にも分かるからわざわざ来たんじゃないの？
何時頃かって？カルテを見ろよ！！
となんとも待たされて気が立っているママとしてはイライラの連続だったのだが
その後は割りとテキパキと抑制ボードにゆーたんを縛りつけ消毒、麻酔・・あぁまたあんなに血が・・
「イタイイタイ」と泣き叫ぶゆーたんを前に何にもしてあげられず「頑張ってね」と言い続けるのみ。

結局4針縫った。
縫う間は麻酔も効いていた為か痛いとは言わず「ダメ」「おしまい！」を連呼。
縫った後にバンソウコウを貼ってもらい先生が「おしまい」と言って診察室を出て精算、薬局へ。
その間「おうちかえる」を連発。
ちゃんと状況に適当な言葉を発しているところを見ると頭は大丈夫のようだと変な安心の仕方をして
車に乗せる。勿論帰りも抱っこ。

すぐに眠ってしまった。相当疲れて緊張してたんだろうな・・・かわいそうに。
寝顔を見てたら安心したのとかわいそうなのでまた涙が出てきてしまった。
それを見てパパが「大丈夫だよ、コレくらいの傷後も残らないよ。あの先生縫うのすごくうまいよ」
何でそんな事が分かるのかと怪訝な顔していたら
「オレなんて今まで5回くらい縫ってるけど、多分一番うまいよ。手際よかったし」
あー、そういうことですか。って5回？
ゆーたんもこの先そんなに縫う事になるの？やだ、ママいくら命があっても足りないよ・・・。
傷を見るのはもう嫌なのに・・・

それにしてもERを見るたび外科医もいいかな？なんて思っていた自分の浅はかさに気付いた。
私は絶対なれないね・・と思ってる傍で
「大丈夫だよ、ママも慣れるよ。このくらいの怪我なんて怪我じゃないとか言い出すんじゃないそのうち」
笑いながら言うパパの声。
慣れたくないんですけどそんな事。

かえってバアバの話しではナァナもノノも心配してずっと「ゆーたんは？」「ゆーたん頭赤いのでてた」
「ゆーたん痛い痛いなの・・」と言い続けて寝付いたそうだ。
その心配振りは見ているバアバのほうが胸が詰まる思いだったとか・・・流石三つ子。三人の誰が欠けてもあなた達はダメなんだよね。