IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

トンカツ、ビフカツ、ウサギカツ、そして…

2006-07-26 14:09:49 | 政治
今日のランチは知人とワシントン市内のイタリア料理店に行ってみたんだけど、「ウサギのカツ」なんてメニューがあるんですね。有名なイタリア料理に「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」というのがあるけど、このミラノ風カツレツは子牛の肉を使ったものだから(僕の記憶が正しければ)、ウサギの肉を使ったカツレツはどこの地方料理になるのだろうか?僕はウサギの肉をこれまでに数回しか食べたことが無いんだけど、ドイツ料理店でほぼ丸焼きのような形でウサギを出された時には、どうにも食欲がわかなかったのを覚えている。でも、今日の「ウサギのカツレツ」を見る限り、意外と美味しそうでもあったので、近いうちにトライしてみようかなと思っている。カツで思い出したんだけど、ワニの肉ってカツで食べると意外といけるんじゃないかな。フロリダやオーストラリアで「ワニカツ」を出してくれる店って探せばありそうなんだけど、意外と美味しそうな感じが…。さてさて、今日はレバノンに関する新しいニュースをワシントンポスト紙の記事から。

25日のワシントンポスト紙(電子版)は国連関係者の話として、レバノン南部で同日、イスラエル空軍機から投下された爆弾が国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設を直撃し、停戦監視要員4名が死亡したと報じた。一方、CNNは停戦監視要員2名が死亡し、残りの2名が行方不明だと報じている。イスラエル機が投下した爆弾の直撃を受けた施設はレバノン南部のヒアムにあり、イスラエルとの国境からそれほど離れていない。国連のアナン事務総長はレバノン情勢に関する会議が開かれたイタリアのローマで声明を発表し、今回の爆弾投下を「綿密に計画されたもの」と非難し、イスラエルに対して自国の軍隊を調査するように要求している。「イスラエル政府に対して、今回の事件を最後まで調査するよう求めます。国連の施設や関係者が標的になる事は絶対に許されません」、アナン事務総長はそう語った。

国連筋がワシントンポスト紙に語ったところによると、事件現場では現在も救出作業が行われており、死亡した停戦監視要員の名前や国籍などは、遺族への連絡が完了するまで明かされないとの事だ。UNIFILのミロス・ストルーガー広報官は25日、レバノン国内で記者団に対し「爆撃を受けた施設で救出作業が行われている間、イスラエル軍は施設周辺に対して何度も砲撃を繰り返した」と語り、イスラエル側の対応を非難した。イスラエルによるレバノンへの攻撃が開始されて以来、すでにUNIFILの民間人職員とその妻が死亡し、停戦監視要員6名も負傷している。イスラエル政府は、現在までに公式の声明を発表してはいない。米国務省高官がワシントンポスト紙に語ったところでは、イスラエル政府は事件発生から間もなくしてブッシュ政権に連絡を入れ、UNIFIL施設への爆弾投下が「完全な事故だった」と説明したのだという。

ワシントンではブッシュ大統領がイラクのヌーリ・マリキ首相との会談後に記者会見を行い、「アメリカはレバノンで罪の無い子供や女性の命が奪われている状況を懸念している」と語った。マリキ首相は即時停戦の必要性を繰り返しうったえ、レバノンの復興には国際社会の支援が必要だとも語った。しかし、アラブ諸国ではイスラエルのやり方に激しい非難が噴出しており、サウジアラビアのアブドラ国王は25日、イスラエルがレバノンとパレスチナを攻撃し続ければ、新たな中東戦争が勃発するだろうと警告を発している。「サウジアラビアは世界に向けて警告します。イスラエルの傲慢さが原因で平和的解決が失敗に終わった場合、残されたオプションは戦争だけになるでしょう」、アブドラ国王はそう語った。また、ライス国務長官が訪れたパレスチナのラマラでは地元住民が長官訪問に反対してゼネストを決行し、市内の中心部はゴーストタウンと化した。市内の数ヶ所ではデモも行われ、市民の中には「ライスよ、早くここから立ち去れ」と書かれたプラカードを掲げる者もいた。

名脇役として長い間知られてきた日系アメリカ人俳優のマコさんが21日に食道ガンで他界した。映画の最後に流れるキャスティング・ロールでMAKOとだけ紹介されることの多かったマコさんの本名は岩松信といい、実は神戸で生まれている。両親はマコさんを日本に残したまま1939年に渡米し、マコさんがアメリカで両親と再会したのは第2次世界大戦終了後のことだ。1956年にアメリカの市民権を取得したマコさんは、1959年からハリウッド映画に出演し始め、2001年に公開された「パール・ハーバー」では山本五十六連合艦隊司令長官を演じている。マコさんのキャリアそのものがハリウッド映画における日本人(アジア人)のステレオタイプの歴史でもあったのだろうけど、本人はアジア系俳優の地位向上を目指した活動をずっと続けてきており、死後すぐにその功績がアメリカ国内のメディアによって賞賛されていた。アジア系俳優の地位ってまだまだ改善されるべきだと個人的には思うんだけど、マコさんのような先駆者がいたからこそ、少しずつ改善されているのも事実だと思う。どうぞ安らかにご永眠ください。


写真:1997年にマコさんを撮影した1枚 (ロイター通信より)