レバノン在住アメリカ人の希望者を対象とした国外脱出がいよいよ始まる見込みで、アメリカ国内では今日も朝から晩までレバノン関連のニュースがずっと報じられていた。イスラエルはヒズボラが壊滅するまで攻撃を続けると宣言しているけど、イスラエルのエフード・オルメルト首相がイタリアのロマーノ・プロディ首相に対して「イスラエル兵の人質が解放されれば、攻撃をやめる用意がある」と語ったと一部では報じられていて、今回のレバノン攻撃が大きく動く可能性もある。イスラエル北部で17日に撮影された写真がすごく気になったんだけど、小学生くらいの女の子がイスラエル軍がこれから使用する砲弾にメッセージを書いている様子が写されている。問題の深さをひしひしと感じてしまうような1枚だった。さて、今日はボストンのビッグ・ディグと呼ばれる巨大トンネルで発生した事故で(正確にはトンネルとハイウェイを合体させたものなんだけど)、マサチューセッツ州知事が記者会見を開いたというニュースを。このトンネル、以前からいくつもの問題が指摘されていたんだけど、死亡事故が発生するまで何の対策も取られていなかった。
マサチューセッツ州のミット・ロムニー知事は17日、州議会議事堂で記者会見を行い、ビッグ・ディグのトンネル内に埋め込まれた1100本以上の補強用ボルトを交換する必要性を示唆した。全長が5.6キロにも及ぶビッグ・ディグでは10日夜に天井の落盤事故が発生し、38歳の女性が死亡している。この女性が夫の運転する車でローガン空港に向かっていた時、突然トンネルの天井が崩れ落ち、車が下敷きになった。奇跡的にも彼女の夫は一命を取り留めている。2003年暮れに最後の工事が終了したビッグ・ディグは総工費が146億ドルまで膨れ上がったり(工事開始当初の見積もりでは25億ドル程度だった)、オープンから間もなくしてトンネル内で水漏れが何度も報告されていたため、以前から問題だらけのトンネルと指摘されていた。
「問題のボルト部分ですが、調査の結果、一定の重力によって外れる可能性が高いと判明しました。設計当初の予測よりもはるかに低い圧力で、これらのボルトが外れてしまう危険性があるのです」、ロムニー知事は記者会見でそう説明した。「つまり、エポキシ樹脂でボルトを固定したシステムが、実際には機能していなかったことになります」、知事はさらにそう付け加えた。10日に12トンに及ぶトンネルの天井部分が突然落下した事故では、コンクリートで作られたこの天井部分が走行中の車を直撃し、車内にいた女性1名が死亡している。事故発生後、トンネル内部では徹底的な調査が実施され、少なくとも242ヶ所でボルトが外れかかっている状態だったことが判明している。ビッグ・ディグ内の2つのトンネルは事故後すぐに閉鎖されており、現在も再開の見通しは立っていない。
ビッグ・ディグはアメリカ史上最も予算のかかったハイウェイ工事として知られており、ボストン周辺のハイウェイをトンネルに変えることで、交通渋滞の大幅な緩和が期待されていた。トム・ライリー州司法長官も17日の記者会見で、1999年から2000年の間に、設計者と現場の技術者との間でトンネルのデザインをめぐって口論が続いていた事実を明らかにしている。技術者からはビッグ・ディグのデザインではトンネルの天井部分に使われる1枚3トンのコンクリート板を支えるのは困難だという指摘が出されていた。トンネルの工事は大手建設会社のべクテル社によって行われている。ライリー長官はすでに関係者に対して過失致死罪の適用も考慮していると報じられている。ロムニー知事はトンネル内のボルト補強工事をこれから実施すると語っており、工事が終了するまでの間、問題ヶ所が多数発見された2つのトンネルは閉鎖されたままになる見通しだ。
2010年にワールドカップの開催地として選ばれた南アフリカだけど、現地在住や滞在経験のある友人の話によると、本当に治安が悪いらしい。数年前に国連が実施した調査では、世界で2番目に殺人事件の発生率が高い国としてランクインしており、1万人につき約4.9人が殺人事件の犠牲となっている計算だ。南アフリカよりも殺人事件の発生率が高いのはコロンビアのみで、人口1万人につき約6人が殺されている。アメリカの例を言うと、殺人事件の発生率が最も高いのがここワシントンDCなんだけど、それでも南アフリカよりはマシで、1万人あたりで3.6人という数字になっている(最下位はメーン州の0.13人)。イギリス人の友人が仕事でロンドンからヨハネスブルグに移り住むと聞いたとき、僕を含めた周囲の人間は本当に心配したんだけど(今も心配している)、数字が全てを物語っている気がする。しかも、最近になってケープタウン在住の男性が「クライム・エクスポ」というウェブサイトを立ち上げて、世界中の観光客にワールドカップの現地観戦を考えなおすよう訴えている。南アの治安が4年間で改善されるとは思えないし、どうなるんだろうか?
写真:イスラエル北部で17日、イスラエル軍の砲弾にメッセージを書く少女たち (AP通信より)
マサチューセッツ州のミット・ロムニー知事は17日、州議会議事堂で記者会見を行い、ビッグ・ディグのトンネル内に埋め込まれた1100本以上の補強用ボルトを交換する必要性を示唆した。全長が5.6キロにも及ぶビッグ・ディグでは10日夜に天井の落盤事故が発生し、38歳の女性が死亡している。この女性が夫の運転する車でローガン空港に向かっていた時、突然トンネルの天井が崩れ落ち、車が下敷きになった。奇跡的にも彼女の夫は一命を取り留めている。2003年暮れに最後の工事が終了したビッグ・ディグは総工費が146億ドルまで膨れ上がったり(工事開始当初の見積もりでは25億ドル程度だった)、オープンから間もなくしてトンネル内で水漏れが何度も報告されていたため、以前から問題だらけのトンネルと指摘されていた。
「問題のボルト部分ですが、調査の結果、一定の重力によって外れる可能性が高いと判明しました。設計当初の予測よりもはるかに低い圧力で、これらのボルトが外れてしまう危険性があるのです」、ロムニー知事は記者会見でそう説明した。「つまり、エポキシ樹脂でボルトを固定したシステムが、実際には機能していなかったことになります」、知事はさらにそう付け加えた。10日に12トンに及ぶトンネルの天井部分が突然落下した事故では、コンクリートで作られたこの天井部分が走行中の車を直撃し、車内にいた女性1名が死亡している。事故発生後、トンネル内部では徹底的な調査が実施され、少なくとも242ヶ所でボルトが外れかかっている状態だったことが判明している。ビッグ・ディグ内の2つのトンネルは事故後すぐに閉鎖されており、現在も再開の見通しは立っていない。
ビッグ・ディグはアメリカ史上最も予算のかかったハイウェイ工事として知られており、ボストン周辺のハイウェイをトンネルに変えることで、交通渋滞の大幅な緩和が期待されていた。トム・ライリー州司法長官も17日の記者会見で、1999年から2000年の間に、設計者と現場の技術者との間でトンネルのデザインをめぐって口論が続いていた事実を明らかにしている。技術者からはビッグ・ディグのデザインではトンネルの天井部分に使われる1枚3トンのコンクリート板を支えるのは困難だという指摘が出されていた。トンネルの工事は大手建設会社のべクテル社によって行われている。ライリー長官はすでに関係者に対して過失致死罪の適用も考慮していると報じられている。ロムニー知事はトンネル内のボルト補強工事をこれから実施すると語っており、工事が終了するまでの間、問題ヶ所が多数発見された2つのトンネルは閉鎖されたままになる見通しだ。
2010年にワールドカップの開催地として選ばれた南アフリカだけど、現地在住や滞在経験のある友人の話によると、本当に治安が悪いらしい。数年前に国連が実施した調査では、世界で2番目に殺人事件の発生率が高い国としてランクインしており、1万人につき約4.9人が殺人事件の犠牲となっている計算だ。南アフリカよりも殺人事件の発生率が高いのはコロンビアのみで、人口1万人につき約6人が殺されている。アメリカの例を言うと、殺人事件の発生率が最も高いのがここワシントンDCなんだけど、それでも南アフリカよりはマシで、1万人あたりで3.6人という数字になっている(最下位はメーン州の0.13人)。イギリス人の友人が仕事でロンドンからヨハネスブルグに移り住むと聞いたとき、僕を含めた周囲の人間は本当に心配したんだけど(今も心配している)、数字が全てを物語っている気がする。しかも、最近になってケープタウン在住の男性が「クライム・エクスポ」というウェブサイトを立ち上げて、世界中の観光客にワールドカップの現地観戦を考えなおすよう訴えている。南アの治安が4年間で改善されるとは思えないし、どうなるんだろうか?
写真:イスラエル北部で17日、イスラエル軍の砲弾にメッセージを書く少女たち (AP通信より)