フランスが勝って、ブラジルが帰り支度をする羽目になった昨日の試合。ワシントン周辺のスポーツバーでは本当にブラジル・ファンの間で悲鳴が聞こえ、まるで国民全てが喪に服したかのような静けさがやがて訪れた。アイリッシュ・パブでもアメリカン・バーでも、蒸し暑い土曜の夕方とは対照的なひんやりとした空気だけが流れていた。試合前、バーの外で本当に泣いていたイングランド・ファンに「4年後があるじゃない」と慰めの言葉をかけていたブラジル人の女の子がいたけど、それから2時間後の彼女の気持ちはどんなものだったのだろう…。それにしてもフランス代表のジデディーヌ・ジダン。アメリカ人の友人が「映画のターミネーターを思い出した」って言ってたけれど、その言葉に納得してしまう活躍ぶりだった。『ターミネーター2』の終盤、体をグシャグシャにされて、サイボーグとしての機能が完全にストップしたターミネーター。やがて体内に内蔵されていた予備の電源が作動し、再び任務を遂行している。大会後半に輝き始めたジダンだけど、あと2試合だけターミネーターばりのパフォーマンスを見てみたい。さてさて、今日は1セント硬貨にまつわるニュースです。
アメリカ国内では「ペニー」という別称でも知られる1セント硬貨。過去にはペニーでパンを買えた時代もあったが、現在ではキャンディを一つ買うこともできず、硬貨としての使い道がなくなってきているのも事実だ。また、最近になって造幣局は金属価格の高騰が原因でペニーの製造コストも上昇し、1セント硬貨1枚のコストが1セント以上することを明らかにしている。「経済的に何らかの変化が発生しない限り、ペニーは消え行く運命にあると思います」、全米貨幣研究協会のロバート・ホージ氏はAP通信の取材に対しそう語った。「1セント硬貨を作るのに1.2セントのコストがかかっているんですよ。馬鹿げていますよ」、そう語るのは、メリーランド州在住のジェフ・ゴアさん。ゴアさんは地元の仲間と「1セント硬貨の引退を願う市民の集い」というグループを運営している。
しかし、ペニーをアメリカ文化の一部と考え、できる限り残しておきたいと考える市民も少なくないようだ。「1セント硬貨はアメリカの歴史の一部でもあり、これからも保存しておきたいと考える人は多いのですよ」、専門誌「コイン収集ニュース」のデーブ・ハーパーさんはそう語った。実際、ギャロップ社が以前に実施した世論調査では、全回答者の3分の2が1セント硬貨の存続に賛成している。また、ペニー存続を訴えるロビー団体までもが、アメリカ国内には存在する。造幣局による発表は画期的な出来事であり、これまでコインの製造コストは価値よりも低いのが通例と考えられていたからだ。アリゾナ州選出のジム・コルビー下院議員はペニーの製造コストを以前から問題視しており、5年前には連邦議会でペニー製造の停止を提案したが、却下されている。「もし、次もペニーの製造廃止案が却下されれば、持ってるペニーをすべて溶かして、金属として売ってみようかと思っています」、コルビー議員は冗談交じりにそう語った。
ペニーの製造廃止案だが、すでに1989年には連邦議会内で議論されている。米会計監査院による1996年の報告では、アメリカ国民の間で「ペニーがじゃまだという認識」が定着しつつあると指摘されている。2002年にギャロップ社が行った調査によると、58パーセントのアメリカ人が貯金箱にペニーを貯めて、やがて銀行などでドル札に換えたりすると答えているが、回答者の2パーセントは釣り銭として手渡されたペニーをその場で捨てていると回答した。こつこつとペニーを貯め込むことさえ面倒臭がられる時代になったのは事実だが、アラバマ州在住のエドモンド・ノールズさんは、ペニーを40年にわたって貯め続けている。40年前から趣味として1セント硬貨を貯め始めたノールズさんは、約130万枚のペニー(4.5トン!)を幾つかのドラム缶に入れて銀行に持っていったが、銀行側は受け取りを拒否している。やがて、硬貨の枚数を数える機械を製造していた会社の協力もあり、全てのペニーを数え終えたノールズさんは、1万3084ドルを手にした。
セレソン・ブラジレイラがまさかの敗退…。1958年のスウェーデン大会でブラジル代表がスウェーデン代表に5-2で勝利して以来、南米のチームがヨーロッパで開催されたワールドカップで優勝した事は一度もない。誰にも理由は分からないけれど、一度もないのだ。大会前からホナウド、ホナウジーニョ、カカー、アドリアーノの4人が「魔法のカルテット」って呼ばれていたけれど、実は58年大会のブラジルも前線に4人を配置する超攻撃的布陣だった(ザガロ、ヴァヴァ、ペレ、ガリンシャ)。今大会でもブラジル代表のアシスタント・コーチをつとめた74歳のザガロは、もしかすると自身の経験から、「ヨーロッパでのジンクス」に打ち勝てるのと思ったのかな?ただ、フランス戦のブラジルが今大会中初めてフォーメーションを変更したこと。結局、今回も南米勢が優勝することはなく、準決勝を迎える段階で欧州選手権に様変わりしてしまった…。フットボールに絶対はない。それがセレソンでも。
写真:ワールドカップ準々決勝でブラジル代表に勝利した直後、パリ市内では大勢の市民がフランス代表の活躍を祝った。 (AFP通信より)
アメリカ国内では「ペニー」という別称でも知られる1セント硬貨。過去にはペニーでパンを買えた時代もあったが、現在ではキャンディを一つ買うこともできず、硬貨としての使い道がなくなってきているのも事実だ。また、最近になって造幣局は金属価格の高騰が原因でペニーの製造コストも上昇し、1セント硬貨1枚のコストが1セント以上することを明らかにしている。「経済的に何らかの変化が発生しない限り、ペニーは消え行く運命にあると思います」、全米貨幣研究協会のロバート・ホージ氏はAP通信の取材に対しそう語った。「1セント硬貨を作るのに1.2セントのコストがかかっているんですよ。馬鹿げていますよ」、そう語るのは、メリーランド州在住のジェフ・ゴアさん。ゴアさんは地元の仲間と「1セント硬貨の引退を願う市民の集い」というグループを運営している。
しかし、ペニーをアメリカ文化の一部と考え、できる限り残しておきたいと考える市民も少なくないようだ。「1セント硬貨はアメリカの歴史の一部でもあり、これからも保存しておきたいと考える人は多いのですよ」、専門誌「コイン収集ニュース」のデーブ・ハーパーさんはそう語った。実際、ギャロップ社が以前に実施した世論調査では、全回答者の3分の2が1セント硬貨の存続に賛成している。また、ペニー存続を訴えるロビー団体までもが、アメリカ国内には存在する。造幣局による発表は画期的な出来事であり、これまでコインの製造コストは価値よりも低いのが通例と考えられていたからだ。アリゾナ州選出のジム・コルビー下院議員はペニーの製造コストを以前から問題視しており、5年前には連邦議会でペニー製造の停止を提案したが、却下されている。「もし、次もペニーの製造廃止案が却下されれば、持ってるペニーをすべて溶かして、金属として売ってみようかと思っています」、コルビー議員は冗談交じりにそう語った。
ペニーの製造廃止案だが、すでに1989年には連邦議会内で議論されている。米会計監査院による1996年の報告では、アメリカ国民の間で「ペニーがじゃまだという認識」が定着しつつあると指摘されている。2002年にギャロップ社が行った調査によると、58パーセントのアメリカ人が貯金箱にペニーを貯めて、やがて銀行などでドル札に換えたりすると答えているが、回答者の2パーセントは釣り銭として手渡されたペニーをその場で捨てていると回答した。こつこつとペニーを貯め込むことさえ面倒臭がられる時代になったのは事実だが、アラバマ州在住のエドモンド・ノールズさんは、ペニーを40年にわたって貯め続けている。40年前から趣味として1セント硬貨を貯め始めたノールズさんは、約130万枚のペニー(4.5トン!)を幾つかのドラム缶に入れて銀行に持っていったが、銀行側は受け取りを拒否している。やがて、硬貨の枚数を数える機械を製造していた会社の協力もあり、全てのペニーを数え終えたノールズさんは、1万3084ドルを手にした。
セレソン・ブラジレイラがまさかの敗退…。1958年のスウェーデン大会でブラジル代表がスウェーデン代表に5-2で勝利して以来、南米のチームがヨーロッパで開催されたワールドカップで優勝した事は一度もない。誰にも理由は分からないけれど、一度もないのだ。大会前からホナウド、ホナウジーニョ、カカー、アドリアーノの4人が「魔法のカルテット」って呼ばれていたけれど、実は58年大会のブラジルも前線に4人を配置する超攻撃的布陣だった(ザガロ、ヴァヴァ、ペレ、ガリンシャ)。今大会でもブラジル代表のアシスタント・コーチをつとめた74歳のザガロは、もしかすると自身の経験から、「ヨーロッパでのジンクス」に打ち勝てるのと思ったのかな?ただ、フランス戦のブラジルが今大会中初めてフォーメーションを変更したこと。結局、今回も南米勢が優勝することはなく、準決勝を迎える段階で欧州選手権に様変わりしてしまった…。フットボールに絶対はない。それがセレソンでも。
写真:ワールドカップ準々決勝でブラジル代表に勝利した直後、パリ市内では大勢の市民がフランス代表の活躍を祝った。 (AFP通信より)