IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

マイアミ…

2006-07-25 15:12:39 | スポーツ
いよいよ今週末にマイケル・マン監督の最新作「マイアミ・バイス」が公開される。おそらくニューオーリンズから帰ってきてから見ることになると思うんだけど、トレイラーを見る限りでは、なかなかの出来じゃないかな(リンキン・パークとJAY-Zが少し前に発表した曲がテーマソングに使われているようで、こちらもなかなかグッドです)。僕の中でマイアミってどうも「犯罪映画の町」というイメージがあって、ある種のカッコよさをも感じる場所なのだ。「ゴッドファーザー2」、「スカーフェース」、「バッドボーイズ」、「ザ・スペシャリスト」…、最近なら「トランスポーター2」も。もちろん、マイアミを舞台にしたコメディやドラマもあるけれど、どうにもアクション映画とシンセサイザー音楽のイメージしか持てない。きっと、映画の中のワシントンが常に「陰謀の渦巻く町」として描かれているのと同じようなステレオタイプなんだろうなぁ。さて、今日は野球殿堂入りが極めて難しくなったマーク・マグワイア紙に関するニュースを23日のニューヨーク・タイムズ紙から。

サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手は通産本塁打数で歴代2位にランクインしているが、これからの野球史で彼がどのように語られていくのか想像するのは容易ではない。700本以上のホームランを記録した選手として語られる一方で、打球の飛距離を伸ばすために禁止薬物に手を染めていた可能性が高い選手として記憶されるだろう。ボンズ選手同様に厳しい立場にいるのが元セントルイス・カージナルスのマーク・マグワイア氏で、90年代にホームラン・バッターとして活躍した彼もドーピング疑惑の渦中にいる。現在も現役を続けるボンズ選手はステロイドの不法売買を行った容疑で連邦検察局の捜査対象となっているが、すでに現役生活にピリオドをうったマグワイア氏はボンズ選手の影に隠れるような形で、これまで比較的静かな生活を送ってきた。しかし、ボンズ選手の容疑にたいして司法当局が何らかの決定を行う前に、マグワイア氏のドーピング疑惑の是非が世間によって決定される事となる。12月1日に発表される「野球殿堂入り選手」の候補者の1人でもあるマグワイア氏に対して、575人の投票者がどのような判断を下すのかが注目されている。

今年の殿堂入り候補者は40人近くおり、マグワイア氏のほかにもカル・リプケンJr.やトニー・グインといった名選手が候補者リストに名を連ねている。これまでのところ、リプケンとグインの両氏が殿堂入りするのは間違いない模様だが、メジャー通算で583本の本塁打を記録したマグワイア氏が殿堂入りできるかは微妙だ。野球殿堂入りの投票権を持つ50人の記者を対象に最近行われた調査によると(投票権を得るには、全米野球ライター協会に少なくとも10年は在籍しなければならない)、マグワイア氏の殿堂入りに賛成票を投じると答えた記者はわずかに8人しかおらず、賛成票を入れないと答えた記者は26人におよんだ。12月1日は50人ではなく、575人の関係者が投票を行うが、殿堂入りの資格を得るためには、全体の75パーセントから賛成票を得る必要がある。この調査でマグワイアに賛成票を投じないと答えた記者のほとんどは、かねてから噂されてきたステロイド使用疑惑を一番の理由に挙げている。

マグワイア氏は2005年にワシントンの連邦議会公聴会でステロイド問題について証言を行ったが、自身の関与については無言を貫いたため、国内のメディアからは失望の声が噴出していた。「私は過去について話すために公聴会に来たのではありません」、公聴会の席でマグワイア氏は何度もそう語った。「率直に言いましょう。公聴会で身の潔白を完全に証明できない人物に対して、なぜ私が一票を投じなければならないのですか?」、ダラス・モーニング・ニュース紙のジェリー・フラーリー記者はニューヨーク・タイムズ紙の取材にそう答えた。メジャーリーグ史上最多の安打数記録を持つピート・ローズ氏は間違いなく殿堂入りすると期待されていたが、監督時代に発覚した野球賭博への関与が原因で、一度も殿堂入り候補者に選出されていない。マグワイア氏が候補者リストに名を連ねていることにすら異議を唱える関係者もいるが、彼の現役時代にはステロイド使用が禁止されていなかったという事実もあり、同情を示す者も少なくない。

昨日は午後7時からワシントン市内のモール(ショッピングセンターじゃないですよ、念のため)で友人とサッカーの練習。5月頃までは日曜午後2時ごろに公園に集まっていたんだけど、さすがに炎天下でボールを蹴る勇気は誰にも無く、僕も仕事を1つ終えてからイタリア人の友人の運転する車でモールへ向かった。ミニゲームを何本かやって、8時過ぎに練習は終了。みんな疲れ果ててグランドに倒れ込み、その状態でダラダラと世間話を始めた。そのときに出た話題が映画「ネバー・エンディング・ストーリー」で、誰が言い出したのか覚えていないけど、とにかくその話題になった。一緒にサッカーをやっている友人はほとんどが僕と同世代で、国籍がバラバラなのに、なぜかみんな「ネバー・エンディング・ストーリー」を子供の頃に見ていたのだ。ギリシャ人の友人がアクセントの強い英語でテーマ曲を口ずさみ、さすがにビックリして聞いてみると、少し前にガールフレンドともう一度テレビで見たんだとか。帰宅してからも映画の話が気になって、インターネット上の映画データベースなどで映画の情報をチェックしてみた。映画の公開から22年目にして分かった事が少し。テーマ曲を歌っていた謎のパンク青年(失礼!)はイギリス人だったらしい。リマールという名前だったので、僕は20年以上にわたってアラブの人かなと信じ込んでいた。そして主役のセバスティアンを演じた子役は、今はタトゥーだらけのバイク野郎らしい。子供時代の思い出が少し壊れた気がした。


写真:24日にMTVの番組出演した「マイアミ・バイス」のコリン・ファーレルとジェイミー・フォックスの2人 (AP通信より)