読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

出戻りネコ

2008-11-05 16:31:38 | Weblog
 やっと貰い手が見つかったと思ったネコがたった一晩で戻されてしまった。

 娘が「貰い手を探すから」と言って拾って来たのに本気で探していなかったためとうとう生後6か月(推定)のふてぶてしいネコになってしまったシロ(仮の名)に、やっと先日声がかかった。スーパーに張ったポスターを見たというおばあさんで、死んだ飼い猫にそっくりだという。そのスーパーの駐車場で待ち合わせて顔見せをし、「まだ予防注射が一度だけだから二度目の注射が終わってからお渡ししましょう。」ということになった。去勢済みだと言うと「大事にされてるんですねえ。」とおっしゃる。そうです。昔と違っていろいろと面倒になってきています。

 この10年で二匹のネコが車にはねられて死に、一匹が行方不明になった経験から、できるだけ室内飼いにしようと悪戦苦闘している。みんなうちの近所に捨てられていたネコだ(ネコを捨てるな!)。最初に飼い始めたネコは国産の粗悪なエサのせいで腎臓を悪くして、死ぬまで高い療法食しか食べさせられなくなった。去勢が遅れると独特のおしっこ臭に悩まされ、悪臭の発生源を探して床を這いずりまわる苦行の日々。消臭スプレー代もバカにならない。風邪をひけば所かまわずくしゃみをして四方八方に青っ洟を飛び散らせる。いろいろと痛い目に遭ってきたので最近は拾ったらすぐ動物病院に駆け込んで、耳ダニ、ノミ、回虫の駆除、ワクチン投与をするようにしている。6か月過ぎたらすぐに去勢、避妊。

 「子猫かと思っていたら、もう大きいんですね」とおっしゃったので「ええ、でも去勢も済んでるしお得ですよ」と、商品の売り込みみたいなことを言ってトイレとエサ付きで連れて行ったのだけど、一晩明けた今朝電話が掛ってきて、「飼う自信がなくなった」と言われたのでちょっとがっくりきたけど引き取りに行った。顔を見ると灰色に汚れている。網戸を開けて外に飛び出したり、勝手に二階の押入れを開けて天井裏に上がったり、廊下をダダダッと走りまわったり、朝っぱらから大声で鳴いたりしたそうだ。お気の毒に、疲れた顔をしておられた。お家は築50年の古い田舎の家だからどこもみな木枠の引き戸だ。鍵もついてなくて爪を引っかけて開けるのは朝飯前。室内飼いは不可能な様子。やれやれ。

 娘と喧嘩しながら、こうなったらこのネコも一生面倒を見るしかないと覚悟を決めて、でももう一度募集をかけてみようということになった。なんだか最近犬とネコの世話で明け暮れてる毎日のような気がする。ふと大島弓子さんを思い出してぶるぶると首を振る。そうそう、映画「グーグーだって猫である」は、主人公の麻子さん(小泉今日子)がかわいかったけど、マンガの原作とはまるで別モノ。マンガのあの独特のテイストが好きな私はちょっと幻滅したな。