ロシア日記

~ペルミより愛を込めて~
日本語教師と雪のダローガと足跡

~サンクトペテルブルグ~
雪の上の足跡

ラーラ

2014年11月21日 | 日記
劇は7時から始まります。6時半過ぎ、小屋でビクトルの迎えを待っていました。タクシーでわざわざ迎えに来るというので、「バスで行けるから劇場で待ち合わせしよう」というとビクトルは「迎えにいくから」と言うので待っていました。45分過ぎになっても来ないので、バスで劇場に行けば遅刻しなかったのにと一抹の不満を抱きながら「ビーチャ、今どこにいるの?もう遅刻じゃん」と電話すると「今仕事が終わってタクシーで向かっている」との返事でした。

途中から入ったので、誰が誰かわかりませんでしたが、それも劇が始まるうちにわかってきて、ラーラとジバゴはそれぞれのちに旦那さんと奥さんになるパーシャとトーニャに恋をするのに夢中です。やがて結婚し、子供が生まれます。その模様を舞台の右と左で繰り広げ、それぞれのカップルの歌が交差し、観客はそれを同時に見る形になっていて非常に面白かったです。戦争が始まり、ジバゴとパーシャは家族に別れを告げ旅立ちます。

その後、ラーラとジバゴが再会し、お互いに抱いた恋心をストレートに交じ合わせられるはずもなく、近づきたいけど近づけないような心の戸惑いが切ないメロディーと共に表現されていて胸を打ちました。

私はこの物語をラーラとジバゴの恋の物語として捉え、そこに心を置いたのに対し、ビクトルは、ロシア国民たちが町での戦闘を回避するため田舎に疎開したそこでの模様に胸を打たれたと言いました。それを聞き、日本人の私から見る遠い異国のロシアでの恋物語と、ロシア人のビクトルが見るロシアの現状を目の当たりにする見方は違うのだなと思いました。


ドクトル・ジバゴ

2014年11月21日 | 日記
1週間の仕事の終わった金曜日、ビクトルと劇場へ行きました。
今日行く劇場は、『チアトル・チアトル』と言って、そのままロシア語で「劇場」という言葉を2回繰り返しているものです。この『チアトル・チアトル』も私の好きな劇場の一つで、ペルミの数ある劇場の中でも最も質のいい4つの劇場のうちの一つです。そしてこの劇場は別名『ドラマ・チアトル』というミュージカルやドラマ劇が主です。

私は今までここで10回以上『緋色の帆』を観、『アンナ・カレーニナ』『8人の女たち』『Географ Глобус Пропил』というペルミの地理の先生が主人公になった物語と、あともう一つは『У нас все хорошо』という英語だと「Everything is all right」というまったくオーライトじゃない劇を見て途中で出てしまいました。
ハズレもありましたが、俳優たちの歌のうまさ、質の高さは言うまでもなく本場ロシアの芸術が1000円前後というバレエよりも安い値段で堪能できます。

そして、この日はロシアにいてこそ観るべき『ドクトル・ジバゴ』を観に行きました。昔、映画で観たジバゴとラーラの物語の背景の街がペルミの中心街のあの通りに似ているなと思ったことがありましたが、作者であるパステルナークはこの物語の架空都市をペルミの街を頭に年頭に描いたそうです。
大きなパステル調の雪に埋もれた建物、その中を制服を着た軍隊が行進して…。お互い家庭を持っているラーラとジバゴは再会して…。