ルーファスのライブから早や一週間、
薄れゆく記憶をたぐりつつの感想ですが・・
名前や若干の曲こそ知っているものの、
バンドの詳しい知識は皆無のルーファス。
今回のボーカルの目玉であるメイザ・リークすら知らず
ライブに行こうなど百年早い。
しかし13名もの魅力的な大所帯に加え、なななんと
あのメリージェーンガールズのメンバーまで来ていると知り、
頭の中のファンク警報機が突如鳴り響いた。
きっと何かスゴイものが聴ける。行くべし、行くべし!
・・というわけで着のみ着のままで訪れたブルーノートだが、
重量級のどすこいファンクがここにあった!
とにかく見どころの多いライブだ。粋な帽子をかぶった伊達男さんの
軽快なファンキードラムが心地よく、ベースとの息もぴったり。
演奏が分厚すぎて目だたない楽器もあるのが惜しまれるが、
地味なパートもしっかり「ダシ」としてじわじわ効いているのだろう。
フロントのトニー・メイデンさんは激情的なギターと
見事なボーカルをきかせ、さらに愉快なMCで観客を沸かせる。
スリムな彼は身のこなしもタイトで鮮やかだ。
そして女性ボーカル3名の貫禄といったら!
てっきり元インコグニートのメイザさんが主役かと思いきや
意外にもそうではなく、3名が平均して交互にリードをとる。
全員がダイナマイト級のボディで迫力満点な上に
中低音域を活かしたボーカルで、特にマダム・ディーさんの
歌声は「これぞソウル」!天にも届かんばかりの勢いだ。
さらにトニーの若いお嬢さんも2曲ほどソロで歌ったが
お父さんゆずり?のスリムな彼女のボーカルも素晴らしい。
大先輩にもおされぬ度胸で、将来楽しみだなあ!
これだけでも十分すぎるほどのメンバーだが、さらに凄い
キーボーディストがいる。ブライアン・カルバートソンだ。
トニーが「彼はとてもファンキーだよ」と紹介したとおり、
この金髪イケメンのいっけん穏やかなお兄さんは
ショウ前半のおいしいところをぜんぶ持って行ってしまった!
トニーと二人、ときにホーンも吹きつつすさまじいセッションを繰り広げる。
あまりの超絶テクに一体もう、なんじゃこりゃの世界だ。
こういうファンクはオールスタンディングで観たいいっぽう、
すばらしい即興は「座して」聴いたほうがよいのかも、とも思う。
ただただ口をポカンと開けて、匠の技に見入るばかりだ。
ボルテージが上がった彼は嬉しそうな顔でステージをはね回る。
ダンスこそしないが、ところ狭しと暴れる姿はファンキーそのもの。
彼が遠くから女性をしばくマネをすると彼女達が左右に「叩かれて」みせる、
イモ欽トリオばりのパフォーマンスにも笑った。
いやあ、この人たち面白いなあ!
旧ルーファスを知らないからこその感想かもしれないが、
ライブを観ても「古い」感じが全くしないのが新鮮だ。
この手のライブはえてして懐メロ的な要素が強くなりがちだが、
彼らは「現在進行形のファンク」を聴かせてくれたように思う。
それが名曲の持つ力かもしれないし、生演奏のパワーかもしれない。
はたまた若いメンバーとの化学反応なのかもしれない。
理由はどうあれ熱くてフレッシュな新生RUFUSのファンク、
今後もさまざまなメンバーをフィーチャーするのだろうが
どんな展開をみせてくれるか楽しみだ。
【追記】
ルーファスの素晴らしい演奏とは関係ないが残念な点が。
ヴァル・ヤングさんがメリージェーンガールズの歌を
歌ってくれると期待しまくったのだが、時間の都合からか
この日はカットされ、すご~~く残念!また来日してください!