
【予選:県庁前公園にて】
さていよいよコンクール予選の始まりだ。
30組のチンドンマンが優勝賞金100万めざして
全方位型の四角いリングで火花を散らす。
1チームに与えられる持ち時間は2分半。
おのおの割り当てられたスポンサー企業の宣伝を行い、
8名の審査員が10点満点で出す結果を基礎点に加算する。
点数札を珠算自慢のカワイイ小学生兄弟が暗算するが、
ちょっと(いや、かなり 笑)頼りないのもご愛敬。
おなじみ三遊亭良楽さんとカワシマアナの司会も
冴えわたり、ますます息の合ったところをみせてくれる。
・・いやあ、相変わらず面白い!
前回は精密機器など、ふだん街歩きでは行わないような
企業の宣伝は難しかろうと思ったが、プロのチンドン屋さんは
そのようなハンデを乗り越えてしまったように感じた。
ハリボテなど大がかりな「仕掛け」は影をひそめ、チンドン屋
本来の”口上”やストーリー展開でうならせるチームが多い。
特に印象に残ったのは前半15組だが、残念ながら前半は
高得点が出にくく、それが非常に惜しい。
有力な大御所には確固としたチームカラーがあり、
そこが人気の秘訣であり実力でもあるのだが、それゆえ
あくまで「チンドン○○組」という芸風ありきで、
その上にスポンサーの宣伝をいかにうまく乗せるかに
ポイントが置かれているようにも思える。もちろん
それはどのチームも同じだろうが、有名どころの場合
私のほうが勝手に色眼鏡で見てしまう点は否めない。
対して、他のチームにはそのような”しばり”を感じない。
失礼ながら私が各チームの芸風を覚えていないからだが、
「スポンサー企業」をどこまで楽しく宣伝してくれるのか、
コマーシャル本位で彼らのネタを新鮮に見ることができるのだ。
各組が趣向を凝らして宣伝するさまは実に個性豊かで面白く、
特に前半に良い演目が多かったように思う。
そこで今回は「
猫山賞」を勝手に創設し(権威ゼロ)、
素晴らしい演技を見せてくれた前半組の健闘を讃えたい。
順位づけに意味はなく、みな甲乙つけ難かった。
(カッコ内はスポンサー)
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優勝:「平成ちんどん本舗」(血液センター)
やっぱ「血が足りな~い♪」は最高!
”特に血小板が足りない、30名ほど足りない・・”
のフレーズが耳に残った。
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準優勝:「桜小路陽炎」(食品スーパー”アルビス”)
リーダーが女房の浮気を疑うが、実はスーパーに通っていた・・
金田一探偵が火サスのテーマで見せる表情が超ナイス。
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3位3チーム:
「チンドン!あづまや」(富山市民プラザ)
助けたカメに連れられて来たら市民プラザだった!
音を一瞬止めてチラリと周囲を見る、絶妙の間合いも好き。
「ちんどん通信社 のんき家」(クリーン産業)
大石クリーンの助(笑)がツボにはまりました。
ゴミ拾いから資源再生へのストーリー転換はお見事。
「ちんどん塩釜CM社」(YKK)
お奉行様が背中のチャックを開けると「トヤマの金さん」に!
”これにて一件らくチャック”のオチにも笑った。
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惜しくも次点。でもよかったです!
「チンドン芸能社 笑技隊」(オフィスケイ)
大好きな夫婦ちんどん。”コーヒー”に焦点を絞った
元気いっぱいの宣伝が心地よかった。
「ちんどん月島宣伝社」(シルバー人材センター)
粋でいなせな「め組のひと」の衣装とテーマ。
”シルバー”のイメージとはあえて逆をゆく
江戸前チンドンで明るく盛り上げてくれた。
「スープ・チンドンズ倶楽部」(リゾート・呉羽ハイツ)
動物がウーウー唸ると「ハイハイ、なるほど・・」と
リーダーが通訳するベタベタな展開。でもイイ味出してるなあ。
(続く)