音楽の森とタイニーハウス

茨城県山間部のログハウス&音楽研修施設

SHURE M44G、M44-7 モノラル再生

2013-12-23 | オーディオ
レコード再生&カートリッジについての雑感。
オルトフォンMCも手元にありますが、まず表題のSHURE2種類で十分でしょう。
パワー感、音圧と粘り、キック&スネアドラムのスピードなど費用対効果は
最強です。こちらのは俗に言う「カモメ」ビンテージ。っていうか30年
くらい使ってる日用品。針交換=3000円程度で楽しめます、現行品でもOKですが
個体差があるような気も…(DJ仕様になって変わった?)いずれにしてもアナログ
LPの再生は入り口=カートリッジと針の組み合わせから考える方が簡単かと。

今っぽく鳴らす方法ですが、M44G、M44-7はパワーがあって骨太な石系
アンプだと(マランツなど)スピーカーに張り付いたような音になりがち。
その昔はJBLとマランツ等でM44系を鳴らすのがジャズ、ロック、R&B
再生の定番で、自分もそんな機材に夢中でしたが、今日ではかなりオールド
スタイルな鳴り方という気がします。骨太だけど立体的に鳴る空気感が欲しい
場合は「米国+英国」のミックスでしょう。ARCAMなど英国系のアンプは
こいつらのエグさを中和するので良い結果が出ると思います。

さて写真左はステレオ再生用のThorens TD2001/TP90 でM44G(OLD)+純正針。
LP12などと同様のフローティングですが、出てくる音の立体感は驚愕モノです。
楽器と同様にプレイヤー自体が上手く「鳴る」ので、B&Wと組み合わせると
ジューシーでエロティックな音になります。クラウス・オガーマンの「Gate
of Dreams」などをアナログオリジナル盤で聴くとあっという間に桃源郷へ。

でも欠点もあるんですね、80年代以降のジャズフュージョンではマルチトラック
レコーディングでステレオ効果がトラックダウン時点でもかなり意識されている
わけですが、50年代ジャズで「2トラ1発またはモノ録音」の気合が入った点音源
を聴くにはガッツがでませんし、スカスカな音になることも。このあたりは繊細な
フローティングプレイヤーの弱点のような気がします。
そんなわけでモノラル用には以下の専用プレイヤーで。

写真右はLINNのLP-12ではありません。ある方が改造したもので特注の鉛板が
入った黒壇のキャビにベルトドライブプレイヤーを移植したもの。
アームはユニバーサルですがメーカー不明です。M44-7(OLD)にJICO製のモノ針
(N44-1)をマウント。この針は44Gより44-7のほうが良い結果が出るようです。
モノラル結線はなし。(ディスクユニオンで針購入可)

リジッドのプレイヤーは昨今あまり評価が高くないようです。一般的な音楽再生
では高音と低音のわずかな時間差が違和感になりますが、ジャズのモノラル盤に
関してはこのあたりのタイミングがソリッドになるため、リジッドタイプが合う
ように思います。こういったことは楽器の世界観と同じで、ドラムセットでも
シェルの厚さや共鳴についての議論が常にあります。楽器のサウンドやオーディオ
再生には時代的な傾向や流行がありますので、これらの嗜好は当事者がどのような
キャリアの上で今に至っているかがポイントとなります。

実際モノラルのジャズLPはすごい音が出るんですが、ほとんどの方は汎用の
ステレオ針で聴いて「ふーん、古いしあんまり音良くねーな」ってなことで見放
しているのがほとんどでは?ステレオカッティングモノ(ややこしいですが、例の
針の太さと溝問題)だとしても、それほどグルーヴに問題は生じない気がします。
ステレオカッティングステレオをトレースするとかなり攻撃的な音になりますし
、グルーブを痛めるかもしれませんので止めた方がよさそうです。
もちろんステレオで聴くと素晴らしい近代のアルバムもたくさんありますよ~。
では今日はそんなところで…。