音楽の森とタイニーハウス

茨城県山間部のログハウス&音楽研修施設

スピーカースタンドと共鳴の関係②

2023-05-21 | オーディオ
内側のB&W FS-700スタンドにはドイツ製「Telefunken」のビンテージスピーカー
(フルレンジ)をネジ止めでマウントしています。

使用ユニット:口径:115X182mm
マグネット:大型馬蹄形アルニコ
1958~1968年に製造販売されていた、Telefunkenの有名な真空管式録音システム
Magnetophon シリーズに使用されていた傑作フルレンジユニット


外側のB&W スピーカー CDM1SE (Special Edition)は2wayの名器かと
思いますが、ネットワークがある2wayのSPは中域のアグレッシブさが足りない
場合が多く、特にこのSEバージョンはかなり大人し目です。

それに対してこのテレフンケンはものすごく音像がリアルで攻撃的。
※たぶん磁石がアルニコだからかと思います。
ですのでB&Wと一緒に鳴らして「疑似3way空間拡張システム」で
遊んでいます。

バランスはTelefunkenが4オームなので聴覚上の音量バランスはB&Wの
1.5倍くらいでしょうか。ちょうど良いミックス感です。

「インシュレーター交換やスタンド充填しても良くなったかわからん?」
という方も多いかと。自分は以下のようにしています。

1.リファレンス用の音源は必ず「モノラル」音源で。
自分は写真にある『CHET BAKER SINGS」か「JO JONES TRIO」の2枚。

2.両方のスピーカーを同時に条件を変えない
例えば猫砂を入れる場合は、片方のスタンドだけにしてチェック。

3.音色をチェックすることは困難なので「定位」の変化を聴く
片方だけ猫砂スタンドにするとモノラル音源の定位は、入れていない
ほうに寄ります。※これは猫砂を入れると響きが弱くなるため

4.SPスタンドやオーディオルームの壁、床など響いている箇所
に直接(聴診器でも可)耳をつけて音源の共鳴を聴く。

Telefunkenは定位が素晴らしくはっきりしていて、その周りをB&Wが
取り巻いて低音を補強、そして足元は微妙なスタンド共鳴が色を添える。
そんなイメージで構成しています。

モノラル音源は定位が命。
気持ちよく鳴っているシステムは「スピーカー」が消滅(!)
ですので、SPのサランは普段は付けるようにしています。
※スピーカーユニットのストロークが見えると気が散るのです。

オーディオは、ちょっとした工夫で響きをコントロールして、その
微妙な差異と音楽空間(サウンドの空気感)を楽しむことかと。
なにかご参考になれば幸いです。








スピーカースタンドと共鳴の関係①

2023-05-21 | オーディオ
写真は古いB&WのSPスタンドです(これは後ろ向き)
たぶんCM1の時代かと思います(B&W FS-700)
とても良いスタンドで2セットも所有しています。

このスタンドの特徴は2本のアルミパイプが共鳴管になっていること。
パイプ自体に金属的な共鳴があり、叩くと「カーン」と鳴ります。

よくこういった中空パイプのスタンドに「猫砂」を詰める方がいます。
自分も他のスタンドでは詰めている場合もありますが、このスタンドは
そういったデッドのモディファイには適していません。

理由は下の写真を見れば一目瞭然かと思います。
※パイプの下に穴が開いていて猫砂が漏れる?ではありません。



このB&Wスタンドの設計意図は「共鳴」です。
つまり上部で鳴っているSPの音をスタンドのパイプ内に共鳴させ、
その共鳴音をパイプの横とスタンド下部から外に出す。

パイプの後方と下穴、それと台座の切込みがあることから
その効果を狙って設計していることがわかります。

その効果を出すにはSPをスタンドの上にネジ止めすることが必要で、
浮かせセッティングやアイソレーションを取るのは意味がありません。
だからSPの上部台座にネジ穴があるのです。

「金属音はオーディオの敵」みたいなコメントもありますが、
現代のピアノの構造を考えれば少し違う見解が出てくるでしょう。
アコースティックピアノはそのほとんどの重量が「金属フレーム」です。
ピアノのきらびやかな音は、金属の共鳴が美味しいサウンドの秘密なのです。

SP台に猫砂充填など、何も考えずにミュートするのは考え物です。
たしかに地震対策で重心を低くするのはしょうがないかと思いますが、
それによって豊かな響きが出ないのは本末転倒です。

オーディオの基本はまずは「鳴らす」ことです。
音楽が鳴っているのはSPだけではありません。
部屋も、床もSP台も少しだけ鳴っているのです。
「共鳴」をうまく使って音像を広げてはいかがでしょうか。