音楽の森とタイニーハウス

茨城県山間部のログハウス&音楽研修施設

カラヴァッジョ展で思ったこと

2016-03-26 | 日々雑感
カラヴァッジョ展が上野の国立西洋美術館で開催中。
こりゃ大混雑かと思ったら…ガラガラ~です。
写真はチケット売り場前ですが人が写らないくらい。
窓口には数人…さすがに中に入ればそれなりですが。
ゆったり鑑賞できるのはいいんですがちょっと心配に。
となりの東京都美術館でボッティチェリ展もやってるのでそっちに
流れてるのか?でも自分としては「カラヴァッジョに学べ」です。

彼のフォロワーたち(カラヴァジェスキ)と混在する形での展示なん
ですが、その差は歴然。この時代だとパンク表現になるくらいの
インパクト。動きをスナップした写真チックな時間の切り取り方、
ライティングを意識した絶妙な構図。後世の画家たちの合言葉である
「カラヴァッジョに学べ」がこの展覧会のキーワードかと思います。

日本ではフェルメールが相変わらず人気のようですが、自分としては
いまひとつだと思っています。カラヴァッジョって誰?って感じでしょうか。
だからこんなに人が少ないのかも…かわいそうなカラヴァッジョ(泣)
今回カラヴァッジョの真筆に対峙してみると、フェルメールもカラヴァジェスキ
の一員にすぎないことが良くわかります。カラヴァッジョの動的エナジーや凝縮
された緊張感に比べると女性的でポップ&薄味かと思いますが…。

◎文春で話題の方々をも遥かに凌ぐカラヴァッジョの行状と物語性
武器所持の常態化&殺人を犯して逃げ回るダメダメ人間&画壇への攻撃。
証拠の文章も展示多数。レストランで給仕に皿を投げ付けた裁判記録などなど。
パンクロッカーもジャズマンも逃げ出すアウトローな危ないオッサンが偉大なる
芸術を産み出す矛盾。アンビバレントの極致ですね。あまりなストーリーに
今の時代は芸術を産み出す混沌が失われていることが身にしみます。

さて今回のお薦めは「メデューサ」…これってその時代の3D作品ですね。
ザルのような凸形状の円盤に描かれているんですが、実物を見るとその描写力
で完全に飛び出してきます。すごくおっかないですよ。個人蔵らしいですが、
部屋の壁には掛けられないかと。ネットで見ても2次元じゃわかんないです。
まだまだやってます~ぜひ上野まで!!