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昭和から平成の時代に親が伊豆にリゾートマンションを所有していました。
10年ほど前に売却したのですが「奇跡だ」と管理会社に言われました。
その後は茨城を拠点にしていますが、なぜ売却したのか?そのあたりを
少し書いてみます。
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実家で所有していた物件は東伊豆の熱海~下田地域でも最大級の
大型マンションで、竣工はたしか1970年代かと思います。
父親の勤務先がデベロッパーで、建設後にジョイント部分がきしむ
(夜中にギ~と音がする)ため、その付近の部屋が売れ残ってしまい
社員に格安に分譲したものです。ちなみに購入後には異音は全くあり
ませんでした。そんなわけありの新築物件でした。
当時はリゾートマンションという言葉も概念もなく、「温泉付き
マンション別荘」と呼ばれた珍しいものでした。エレベータの脇には
「ここは温泉旅館ではありません」と掲示がありました。これは酔って
騒ぐ人もいたので、静かな環境を共有するなどの啓蒙が必要だったのです。
そんな環境のなかプールや温泉(源泉かけ流し)の大浴場など、30年以上も
楽しくリゾート生活をしていましたが、父親の逝去を機に売却しました。
これは以下の理由によるものです。
1.維持費が高い
リゾートマンションの管理費は高額です。それに加えて熱海市は
別荘税があり、光熱費や固定資産税、そして修繕積立金などを合わせると
年間50~60万円くらいでしょうか。
2.往復の時間と費用の問題
まず首都高~東名~小田原厚木道路~海岸の有料道路で往復
6.000円以上。ガソリン代は往復260キロで4.000円。つまり
一回行くだけで交通費が10,000円。
3.行くのに時間がかかりすぎる
バブル以降に渋滞が頻繁になり、片道で2~3時間。復路はタイミングが
悪いと4時間くらい。なんとか箱根ターンパイクや沼津に抜けても、
東名上りがダメだとどうしようもありません。夜中に帰ればなんとかなりますが、
夏や週末、年末年始に伊豆に行くのはもう無理だという結論に。
4.災害があると戻れない(重要)
地震や水害があるとほぼ1本道の海側の道路が閉鎖されて東京に戻れません。
実際に台風等で波が高くて通れないことがありました。あと海底噴火
の時はものすごい地鳴りがしますので、怖くて眠れません。
そんな状況のなか、母親も電車を使って一人で行く機会も減り、こちら担当で
処分することに。全くの居ぬきで、相場より1割ほど下げて売り出したところ
すぐに買い手が見つかりました。リタイヤされたご夫婦が気に入ってくれた
のです。
オーシャンフロント(窓を見ると海しか見えない)で気持ちが良い8階部分。
先方にどこが気に入ったか聞いたところ「お部屋がなにか良い雰囲気だった」
との事でした。変にリフォームして田舎のスナック?みたいにしていないので
良かったのかと思います。マッサージチェアー(30万円くらい)も置いてあったので、
それも気に入ってもらえたようです(もちろん差し上げました)
※YouTubeでリゾートマンションを自力リフォームする映像を見ますが、
ほとんどが雑誌のグラビア(意識高い部屋系)のようです。あまり尖った内装にすると
売却できません。ゆったり寝るのなら和室を残したほうが便利です。
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さて、退去の際はフロントに挨拶に行ったのですが「奇跡ですね~おめでとうございます」
と言われてびっくり。こういった物件は前掲の管理費や大規模修繕の問題があり、所有権
譲渡だとなかなか売れないようです。
テレワークへの転換で伊豆エリアで中古物件を買う方も多いという話も聞きます。
東京からの週末通いはおススメしませんが、リタイヤ永住でしたらOKでしょう。
ただし大手の施工で管理組合と区分所有者がマンションをしっかりと管理・運営できて
いることが絶対条件です。でも築年数も加味すると「負」動産になる可能性も大でしょう。
いずれにしても有事の際の孤立などリスクもありますが、温かい南国の気候ですので、
軽井沢などの「年半分冷凍庫別荘」とは真逆なわけで、毎日の生活はすごく楽です。
家賃並みの管理費を払っても今を楽しみたい人もいるのです。
売却額は購入した金額の1/3程度でしたが、その間の維持費などを加えるとかなり贅沢な
場所だったと思います。子供が小さかった頃の思い出が詰まった温泉マンション。
海にいったり、プールで泳いだりした日々を懐かしく思い出します。
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