まずはこちらを。
私がよく見る超有名テキスト系サイトのライター、ウォール真木さんのコラム。
なんでも家族で外食に出かけたところ、娘の食べた料理の中にホチキスの針が混入していたのだとか。
私も小学生の頃、給食のヤキソバの中に、ダンボールを留める大きなホチキスの針が入っていたことがあります。
奥歯がアルミホイルを噛んだときみたいになりました。
でもそんなものより、もっとすごい異物混入を、この上海で経験した男がいます。
・・・私です。
まだまだ日差しの強い9月のある日曜日の昼下がり、
私はある有名な日系のラーメン屋に行きました。(味千ラーメンではありません)
このところ、上海にはラーメン屋やらトンカツ屋やら、日本人経営と思われるお店が増えています。
人気のお店だけあって、結構広い店内も家族連れや、小姐を連れたおじさまでほぼ満席です。
席に着いて、とんこつ系のラーメンを注文する私。
「オマタせしマしタ。」
ほどなく、中国人の店員はカタコトの日本語でラーメンを運んできました。
できたてのラーメン。湯気でメガネがくもります。
私は割り箸を手にとって、ズルズル、ズルズルズル・・・。
ズルズル、ズルズルズル・・・。
・・・・・・??
・・・・・・??
噛み切れない何かが、口蓋垂に引っ掛かりました。
あ、口蓋垂(コウガイスイ)って、のどちんこのことね。
舌を思いっきり反らせて、のどちんこから取ろうとしますが、貼り付いていてなかなか取れません。
多分、今の私の顔はロバみたいになってるはず。
私は、左手で口元を隠して、右手の人差し指と親指を口の中に入れました。
・・・・・・・・・・・毛?
しかも、この長さといい、いい感じのパーマといい、先細りなところといい、
・・・・・・・・・・・貴様、チ○毛かっ!!??
いや、でも待て。
男の毛とは限らんだろう。
女の場合は…、
っていうか、この際、そんなことはどうでもいいじゃないか。
下の毛だ。下の毛。
髪の毛くらいなら、黙って食べられもするが、さすがにこれは。
急いで近くの店員を呼ぶ私。
ん、でも、陰毛なんて中国語でなんて言うんだ??
「すいません、これがラーメンの中に入ってたんですけど(中国語)」
"これ"を見て、恥ずかしそうにポッと頬を赤らめる女子店員。
私とは視線を合わせない。
これじゃあまるで、私がちょっとしたセクハラ客じゃないか。
「ちょっと待ってください」というと、今度は男子店員を連れて来た。
「すいません、これがラーメンの中に入ってたんですけど(中国語)」
さすがは男子店員。
私のプチセクハラには動じない。
申し訳ありません、代わりのラーメンをお持ちします、とすぐさま別のラーメンを持って来た。
代えられたところで、一緒に煮込まれたことには変わりないんだけど…、と気付きながらも完食。
そして、
念のため言ってみる。
まさかね。一応言ってみるだけ。
「マイダン(お勘定)。」
「28元(定価)デス。アリガトアシター」
涼しげな風鈴の音が遠くで聞こえたような気がした。
家に帰って辞書を開く私。
陰毛(日本語) → 陰毛(中国語:"陰"は簡体字)
おんなじだった。