上海ではクルマの運転はできないな、
上海に来たばかりのころ、タクシーに乗る度にそう思っていました。
その思いは今でも変わりません。
道路の空いている時間ならまだしも、
朝のラッシュ時など、
雑然と入り組んだクルマとクルマの隙間を縫うようにして
目的地に向かいます。
ドライバーの皆さんの多くは車両感覚も抜群らしく、
クルマが入れる、わずかな隙間も見逃しません。
でも当然、そこまで抜群ではないドライバーもいるわけで。
今朝、交差点の真ん中で車両間隔を見誤ったクルマが、
私を乗せたタクシーに「ゴツン」と接触して、そのまま逃走していきました。
当然、タクシーの運転手は追いかけます。
「待て!ゴルァ!!」
ただし、上海の交通事故処理の基本は「現状維持」。
たいていの場合、たとえそこが高速道路でも、
事故の起こったその状態を維持して警察を待ちます。
それは、交差点のど真ん中でも同じらしい。
朝のラッシュの真っ最中、
現状維持のため、交差点のど真ん中に、
乗客一人(私)を乗せたタクシーを放置して、
全力疾走で逃走車を追いかける運転手。
一方、交差点のど真ん中に一人残された私。
運転手が戻ってくるまで20分の間、
大渋滞を引き起こしている原因のクルマの中で、
迷惑そうに避けていくクルマから容赦なく浴びせられる
怒声とクラクションの嵐に晒され続けたのでした。
しかも、料金メーター止まってないし