日本では、よほど混んでいるシーズンでもない限り、地下鉄や近距離在来線に乗る感覚で、特急や新幹線にだって、その場で切符を買って日本中大抵どこにも行くことができます。
でも、ここ中国ではなかなかそうはいきません。
地下鉄やモノレールは日本と同じなのですが、上海からわずか1時間程度の距離ですら、列車で思った時間のとおり移動するには、事前に切符を購入しておく必要があります。
この週末、上海から列車で1時間ほどの街、蘇州に行きました。
蘇州に到着したのは土曜日のこと。駅に着いてまず帰りの切符を購入します。
「明日(日曜日)の夜、8時か9時ごろの上海行きの列車はありますか?」
「それだったら、7時半があります」
「じゃあ、それを1枚ください」
中国語に不安のある私ですが、なんとか無事切符を購入して駅を後にしました。
翌日、夜になると蘇州の街もずいぶん肌寒くなります。
7時半の列車だと思っている私は、7時過ぎに出発すればいいかな、とのんびり準備していました。
時計はそろそろ7時。
さて、出発するか、と、このとき初めて切符をちゃんと見ました。切符には、
『7時
13分 発』
じゅ、 13分 !?
目玉が飛び出るとはこのことです。
私は取るものもとりあえず、脱兎の如く部屋を飛び出しました。
駅まではタクシーで最短10分。現在7時少し前。混んでなければ、何とか間に合う。
でも、こんなときに限って、大通りに出るまでの細い路地が渋滞してやがるんです。クルマ同士の軽い接触事故があったようで、クルマを真ん中に止めて大声でケンカしています。
「もうホント、死んでくれ」
たいへん不謹慎ですが、このときばかりはある種の殺意が起きたことを隠しますまい。渋滞を抜けると一転、タクシーは猛スピードで車線と車線を縫いながら、爆走。運転手さんがちょびっと、拓(頭文字D)に見えました。蘇州駅にタクシーが着いたのは、奇跡的にも7時10分。
「やった!間に合う!」
おつりはいらないと、20元札を運転手に手渡して、待合室に向かって走ります。ウンコ踏んでも気にしないくらい、激走です。
「さあ、何番ホームだ?」
電光掲示板で、自分が乗る列車を探します。
・・・ない。
うそ!? 自分の時計が遅れてた? もう行っちゃった?
あっ、待合室、もうひとつあるんだった。そっちか?
・・・こちらにも表示はありません。
やはり、一足違いで、列車は出発してしまったようです。
あんなに急いだのに。
おつりいらないって言ったのに。
あぁ、切符が無駄になっちゃった。
・・・・・・。
あ。
↓(私の目線)
あっ。
↓(私の目線)
ああっ!!
07:13って、
早朝7時やん!!
切符は12時間前、とっくに無駄になっていたようです。
12時間前に既に列車が出発していた事実を踏まえて、もう一度「翌日、夜になると・・・」あたりから読み返してくださいませ。