上海はもう今更説明するまでもなく、建築ラッシュです。
高層のマンションやらビルやらが、雨の後のタケノコみたく、にょきにょき増殖しています。
私が住んでいるマンションも以前は見晴らしがよかったものです。
窓からは遠くに東方明珠タワーをはじめとする浦東の夜景。
それが気に入って、入居したようなものでした。
実際、春節の花火は壮観だったんですよ。
微塵も下心がなかったとはいいません。
ええ、言いませんとも。
しかし、その下心を見透かされたように、
ある日、私の住むマンションの目の前で上海名物の昼夜を問わない24時間工事が始まったのです。
何せ今年F1の開催された上海サーキットをわずか18ヶ月で作ってしまうパワー。
マンションをひとつ作ることなど造作もないことです。
あれよあれよという間に、目の前に高い壁ができてしまいました。
下心を試す前に高い壁。
自信をなくす前に壁ができてよかったという話もあります。
最近はカーテンを閉めないで着替えていると、工事のおじさん(民工)たちと目が合ってしまいます。
おじさんたちに隠れ肥満の腹など見せても仕方ないのです。
おじさんたちだって見たくもないのです。
それでもおじさんたちにひとこと言いたい。
目が合ったときに、微妙に苦笑いするのはやめてください。