社長ノート

社長が見たこと、聞いたこと、考えたこと、読んだこと、

天声人語 朝日新聞

2015-04-19 21:21:11 | 日記
 熊本県の営業部長として大活躍のくまモンが、あれ、部長代理に降格したそうな。ダイエットの失敗が理由という。先月末に発令された「人事」に、思わず太めの腹をさすったご同輩もいたか。
 メタボを指摘され、ダイエット宣言もしたのに、体重も体脂肪率も減らせなかった。県の広報によれば、2月にファンからチョコを山ほどもらい、食べ過ぎたのが敗因らしい。
 もちろん話題づくりのユーモアだが、世界を見れば肥満や体重超過の人が約21億人との推計がある。せんだっては、高い肥満率に悩むメキシコ市が「スクワットを10回やれば地下鉄やバスが無料」という奇策を打ち出した。
 上体を立てて行うひざの屈伸運動を、専用の機械の上でカウントするそうだ。どこかユーモラスだが、メキシコ市では成人の7割、子どもの4割が肥満だという。運動の大切さをアピールする窮余の策らしい。
 高血圧、糖尿病、高脂血症、それに肥満が重なると脳卒中や心筋梗塞(こうそく)を起こしやすい。「死の四重奏」とも言われ、怖いメロディーは各自で律するほかはない。縮こまっていた冬は過ぎて、体を動かしたくなる季節。新緑のもと、心機一転で運動を始めるにはいい時である。
 そういえば先に来日したドイツのメルケル首相は昨年、約10キロの減量をして話題になった。間食のクッキーを断ったのが勝因らしい。ドイツも太りすぎの人は多く、範を示したとの称賛が聞こえてくる。鉄の意志を分けてほしいと、くまモン、腹をさすっているか。