社長ノート

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産経抄 産経新聞

2015-04-13 20:58:49 | 日記
   決め手は大人の「ダメ!」

 酒の効用を挙げればきりがない。とはいえ、子供の飲酒は、百害あって一利なしである。未成年者の喫煙と飲酒を禁止した法律の制定は、大正11(1922)年にさかのぼる。
 現在の茨城県那珂(なか)市出身の政治家、根本正(しょう)の尽力によるものだ。苦学の末に28歳で渡米した根本は滞在中、多くの若者が酒やたばこで人生を台無しにする姿を目の当たりにした。
 帰国して衆院議員となった根本は、飲酒に寛容な世間の風潮と戦い続け、21年かけて可決に導く。その未成年者飲酒禁止法は、平成に入って改正された。酒販店には顧客の年齢確認を義務づけ、未成年者と知りながら販売した場合には、最高50万円の罰金刑を科している。
 ただ、未成年者の飲酒をめぐるトラブルは、今も後を絶たない。泥酔した17歳の少年に殴る蹴るの暴行を加えた上、放置して死なせたとして先週末、3人の高校生が逮捕された事件も、そのひとつである。4人は昨年12月、横浜市鶴見区の河川敷で、缶ビールや焼酎、ウオツカで酒盛りをしていた。飲酒の発覚を恐れた3人に置き去りにされた少年は、川に転落して水死したとみられている。川崎市の多摩川河川敷で今年2月、中学1年の少年が遺体で見つかった事件でも、殺人容疑で逮捕された3人の少年は、酒を飲んでいた。
 「あんた、未成年でしょ。ダメ!」。タレントの杉浦太陽さん(34)は、今年1月、新大阪駅の売店で、缶酎ハイの購入をことわられたそうだ。サングラスをはずし、免許証を提示して、ようやく納得してもらったと、ブログで報告していた。
 法律と、コンビニ店に設置されている年齢確認のパネルだけでは、未成年者の飲酒は防げない。決め手となるのは、大人の「ダメ」の一言である。