もの想う鷲 (A thinking eagle)

自然・環境を科学してみる

5月31日 原子力発電所災害

2011-05-31 17:01:14 | 日記
5月31日 原子力発電所災害

世界一の 地震の国に なぜ原発

日本は、地球上で一番地震の多い国です。この小さい日本列島の下で、4枚のプレート((北アメリカ・プレートの一部である)オホーツク・プレート、太平洋プレート、ユーラシア・プレート、及び フィリピン海・プレート)がせめぎあっているからです。EU も アメリカも 3枚のプレートがせめぎあっているだけで、しかも面積は広いので、地震の無い地域が広くあります。彼らから見れば、日本列島は、どの場所をとっても、何らかの断層の真上にいると考えられると思う。地質学会はこの原子力政策に反対していると思いますが、その声が聞こえてこないのは残念です。

この東日本大震災とその津波による福島原子力発電所の事故を契機に、今まで日本の政官業が国民に知らせることなく進めてきた原子力政策を、国民の前に全てを明らかにして、労を厭わず賛成反対の意見を交わし、国民の総意で今後の方針を決めるべきだと思います。日本が原子力エネルギー研究開発予算でも世界の先進国に比しても遥かに多くの国家予算を投じてきている事実は、故高木仁三郎氏の著書「もんじゅ事故の行きつく先は?」(岩波ブックレット)によっても明らかであるからです。((1994年度の予算)日本32億ドル、アメリカ4.3億ドル、フランス5.0億ドル、ドイツ2.0億ドル、イギリス0.4億ドル)高木氏は、「その原因は日本が他国に無い様な大きなプルトニュウム計画(高速増殖炉と再処理など)を国家プロジェクトとして抱えていることにある」と言っています。

福島原子力発電所の事故は、世界の注目の的となり、フランス(フランス放射線防護原子力安全研究所)等は、放射性物質(核分裂の結果生じた 希ガス と 沃素131 と セシューム137)の雲の放散のシミュレーション 及び 海に流失した放射性物質の親潮と黒潮による海流による拡散のシミュレーションをして世界に公表しています。例えば前者の結果は、東京での沃素131 と セシューム137の測定結果と良く合致しています。この事故は日本だけではなく、世界にも影響を及ぼしており、日本政府が心配している、放射性物質が瓦礫に付着して外国に漂着したり、放射性物質に汚染された水が他国の漁業に影響を及ぼしたりした場合だけでなく、フランスが行なった汚染された大気による汚染の方が遥かに広く早く伝播しているのです。
そのシミュレーションは次のURLを参照して下さい。(http://www.irsn.fr/EN/news/Pages/201103_seism-in-japan.aspx)このURLのファイルの最後は日本語になっていますので、日本語の方が好い方はそこを参照して下さい。

IAEA(国際原子力機関)も先進国も放射能汚染は、良く研究しており、日本政府は誠実に情報を開示して、世界の先進国の一員として、世界に汚染を広めている責任を果たさねばなりません。人に対する放射能の内部被爆(空気中に拡散した放射性物質が肺に吸い込まれ肺細胞の被爆による肺がん 及び 肺静脈に入り全身に放射性物質が回り循環し、各臓器が被爆し癌に冒され、更には 白血病や遺伝的障害になる。食物に付着した放射性物質は、直ちに細胞内に入り、洗っても落ちないので、食されて、内臓は、それが排泄されるまで、被爆する。)は、測定が難しく、汚染された地域に住み続け、汚染された状況から内部被爆し続ける人を統計的に調査するしか方法が無く、世界的にも信頼する資料が少ない状況の様です。専門家の中には、今の政府の出している条件は甘すぎると指摘する人もいます。被災されている方々の健康と生活を守るためにも、世界から遠慮なく必要な援助を受け、この事故を出来るだけ早く収束させる必要があります。全世界に拡散している放射能汚染を最小化するために。

労働安全衛生協会は原子力産業にも、他の産業に対しているのと同じように厳しく対処すべきなのに、今はこの業界には関与できていない様です。これは改めるべきです。原子力産業に働く人たちの命が脅かされている現状を看過出来ない筈です。また原子力産業はロボットを開発して危険な業務はロボットに任せる様にすべきです。徐々に原子力発電所は閉止すべきだとしても今すぐ全部閉止出来ない訳ですから。太陽光発電、地熱発電、風力発電、バイオマス発電等の地球に優しい、持続可能なエネルギー源の開発に力を注ぎ、50年、100年先を見据えた考え方をするべきです。

一方では、1200兆円(GDPの2.4倍)もの国債地方債を減らすことも真剣に考えねばなりません。正常な国ならば、5%の利子を払えば(国家予算に近い)60兆円になるこの額は日本の国が破綻寸前にあることを物語っています。日本人はもっと真剣に自分達の生き方をみつめるべきです。

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