2012年10月28日 相対性理論の面白さ
相対性理論の面白さ
能断金剛経にある時間観、宇宙観、及び存在の観念は、相対性理論のそれらに似ていると、2012年2月15日の日記に記しましたが、最近は相対性理論の面白さにはまっています。といっても、特殊相対性理論は一応卒業しかかっていますが、一般相対性理論の「時空の歪み」を定義する「Dr.Einsteinの方程式」には、まだまだ至りませんが、相対性理論を理解することが、私の生き甲斐の1つになりそうです。最近の面白い例を紹介致しましょう。
1. 座標変換について(関数の表示形式は EXELのそれ によっている)
平面の直交座標の座標変換については、X-Y-O座標 とX1-Y1-O 座標(X1軸はθだけX軸から傾いている)の座標変換の式は、高校で習う通り下記の通りです。
X1=X*COSθ+Y*SINθ
Y1=-XSINθ+Y*COSθ
故に POWER(X,2)+POWER(Y,2)=POWER(X1,2)+POWER(Y1,2)
従って、原点から等距離の点は(半径の等しい)円の上にある。
t-X-O直交座標に対して、X軸の正方向に速度 v で運動している座標t1-X1-Oの座標変換式は以下の通りである。(ローレンツ変換)
t1=t*COSH(u)-X*SINH(u)
X1=-t*SINH(u)+X*COSH(u)
但し、v=TANH(u)
故に -POWER(t,2)+POWER(X,2)=-POWER(t1,2)+POWER(X1,2)
従って、原点からの二乗間隔の等しい点は、-POWER(t,2)+POWER(X,2)=一定 の双曲線の上にある。
(通常の本では、時間軸はct(cは光の速度)となっているが、この式は、c=3.0*POWER(10,8)m/sec=1とする時間軸を採用しているのでct=tとなっている。---WalesのCardiff大学のProfessor Bernard F. Schutz の教科書(江里口良治博士とPh.D.二間瀬敏史氏の共訳による、「相対論入門」による)
2. 地球の引力相当の等加速度(a=10m/POWER(sec,2)=1.1*POWER(10,-16)(単位はPOWER(m,-1)- - -c=3.0*POWER(10,8)m/sec=1だから)で銀河の中心(地球からの距離は21,000光年)まで地球から一直線に運動するロケットに乗って往復すると、地球では42,000年経っているが、ロケットに乗っている人は20才しか年をとっていない。(但し有効数字2桁の計算))
まず、地球の座標を t-X-O としロケットの座標を t1-X1-O (外見上、直交座標ではないし常に変化している座標軸である(ただし実際は直交座標である))とする。(ロケットの運動の方向をX軸の正方向とする(X1軸の正方向でもある- - グラフ上では、X1軸は常にt=Xの直線に近づく様に変化しているのでこの言い方は見た目だけである))
ロケットの座標 t1-X1-O (t1はロケットの固有時間)では、固有時間が t1からdt1だけ増加すると、この微小時間に増加する速度 は a*dt1 である(ロケットの固有時間(t1)に対して等加速度)ので、速度vは速度の合成式により v(t1+dt1)=(v+a*dt1)/(1+v*a*dt1)=(v+a*dt1)(1-v*a*dt1)=v+a*dt1*(1-POWER(v,2)) (dt1が限りなく0に近くなるので) となる。
従って、dv=d(t1+dt1)-v(t1)=(a*dt1)(1-POWER(v,2))となる
即ち dv/(1-POWER(v,2)=a*dt1 となる。
即ち 1/2(dv/(1+v)+dv/(1-v))=a*dt1
この両辺を積分すると
1/2(LN((1+v)/(1-v)))=a*T1+C=ω (C=定数)となる。
従って、
ATANH(v)=1/2*LN((1+v)/(1-v))=ω
故に
v=TANH(ω)
t1=0のとき ω=0であるから C=0
故に
v=TANH(a*t1) - - - - (1)
また、t1とtの間には次の関係がある
dt=dt1/POWER((1-POWER(v,2)),1/2) - - - (2)
(2)に(1)を代入して
dt=dt1/POWER((1-POWER(TANH(a*t1),2),1/2))=dt1*COSH(a*T1) - - - (3)
この両辺を積分して
t=(1/a)*SINH(a*t1)- - - (4)
即ち a*t=SINH(a*t1)- - - (5)
(1)を変形すると v=SINH(a*t1)/COSH(a*t1)=SINH(a*t1)/POWER((1+POWER(SINH(a*t1),2),1/2) - - (6)
(6)に(4)を代入して
v=a*t/POWER(1+POWER(a*t,2),1/2) - - - (7)
地球時間tの間にロケットが到達する距離をLとすると
vdt(但し(7)式のv)=を積分すれば良いので
L=(POWER(1+POWER(a*t,2),1/2)-1)/a - - - (8)
銀河中心までの距離は21,000光年だから
L=21,000光年=(3.0*PWER(10,8)m/秒)*(60*60*24*365秒/年)*21,000年=2*POWER(10,20) - - - (9)
(8)と(9)より
t=2.0*POWER(10,20)秒=21,000年 - - - (10)
(10)を(4)に代入して
t1=1/a*ASINH(1.1*POWER(10,-16)*2.0*POWER(10,20))=9.7*POWER(10,16)(単位はm)=3.2*POWER(10,8)(単位
はsec)=10年
即ち地球上の時計では21,000年経っているが、ロケットに乗っている人は10年しか経っていない。
細かい計算では、ロケットは光速の0.999倍に達するのに地球時間では21年(ロケット時間では3.4年)かかるので、このような有効数字2桁の計算では、光が走るのと同じ時間で到達することになるが、実際には有効数字を6桁にして計算すれば、ロケットの方が0.95年遅く到達する計算になる。即ち21,000.95年で到達する。
地球の引力の大きさがこれほどだとは思っていなかった。
ニュートン力学的に、光速まで加速して、その後は光速で進むと考えると、ロケットは 光より0.48年遅く到達することになるが、実際は上記の計算のように、それより更に0.47年遅れることになる。
以上の様にSINH、COSH、TANH の双曲線関数 は相対性理論には欠かせない関数の様である。
また、等加速度というのは、ロケットの固有時間 t1 の 無限小時間にのみ存在するロケット上の加速度(上記の(1)式の過程で出てくる)であり、地球上の時間 t での加速度 と ロケットの固有時間 t1 での加速度は以下の通りであり一定加速度ではない。
dv/dt=a/POWER(1+POWER(a*t,2),3/2)
dv/dt1=a/POWER(COSH(a*t1),2)
dv/dt1の加速度をこの式により計算すると以下の如くなる。
t1=1秒(a*t1=(1.1*POWER(10,-16)*POWER(m,-1)*3.0*POWER(10,8)*m/秒)後では:a
t1=1時間後では :0.999999986*a
t1=1ヶ月後では :0.9927 *a
t1=1年後では :0.39 *a
t1=10年後(銀河中心に到着するとき) :0.000000004 *a
dv/dtの加速度では、更に小さくなる。この値の方が我々の感覚に合っている。何故ならば、dt1=dt*POWER((1-POWER(v,2)),1/2)であり、dt1 はvが光速に近くなるにつれて、dtより小さくなり、限りなく dtの0(零)倍 に近くなるからである。即ち尺度は常に小さくなり、0(零)に収斂する。一方、tは常に同じ尺度であるからである。
ちなみに
t=21,000年後 (銀河中心に到着するとき)の加速度)dv/dt=a*9.4*POWER(10,-14)となり、この値はdv/dt1のそれの0.000023倍となり、遥かに小さい値となる。
合掌
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
相対性理論の面白さ
能断金剛経にある時間観、宇宙観、及び存在の観念は、相対性理論のそれらに似ていると、2012年2月15日の日記に記しましたが、最近は相対性理論の面白さにはまっています。といっても、特殊相対性理論は一応卒業しかかっていますが、一般相対性理論の「時空の歪み」を定義する「Dr.Einsteinの方程式」には、まだまだ至りませんが、相対性理論を理解することが、私の生き甲斐の1つになりそうです。最近の面白い例を紹介致しましょう。
1. 座標変換について(関数の表示形式は EXELのそれ によっている)
平面の直交座標の座標変換については、X-Y-O座標 とX1-Y1-O 座標(X1軸はθだけX軸から傾いている)の座標変換の式は、高校で習う通り下記の通りです。
X1=X*COSθ+Y*SINθ
Y1=-XSINθ+Y*COSθ
故に POWER(X,2)+POWER(Y,2)=POWER(X1,2)+POWER(Y1,2)
従って、原点から等距離の点は(半径の等しい)円の上にある。
t-X-O直交座標に対して、X軸の正方向に速度 v で運動している座標t1-X1-Oの座標変換式は以下の通りである。(ローレンツ変換)
t1=t*COSH(u)-X*SINH(u)
X1=-t*SINH(u)+X*COSH(u)
但し、v=TANH(u)
故に -POWER(t,2)+POWER(X,2)=-POWER(t1,2)+POWER(X1,2)
従って、原点からの二乗間隔の等しい点は、-POWER(t,2)+POWER(X,2)=一定 の双曲線の上にある。
(通常の本では、時間軸はct(cは光の速度)となっているが、この式は、c=3.0*POWER(10,8)m/sec=1とする時間軸を採用しているのでct=tとなっている。---WalesのCardiff大学のProfessor Bernard F. Schutz の教科書(江里口良治博士とPh.D.二間瀬敏史氏の共訳による、「相対論入門」による)
2. 地球の引力相当の等加速度(a=10m/POWER(sec,2)=1.1*POWER(10,-16)(単位はPOWER(m,-1)- - -c=3.0*POWER(10,8)m/sec=1だから)で銀河の中心(地球からの距離は21,000光年)まで地球から一直線に運動するロケットに乗って往復すると、地球では42,000年経っているが、ロケットに乗っている人は20才しか年をとっていない。(但し有効数字2桁の計算))
まず、地球の座標を t-X-O としロケットの座標を t1-X1-O (外見上、直交座標ではないし常に変化している座標軸である(ただし実際は直交座標である))とする。(ロケットの運動の方向をX軸の正方向とする(X1軸の正方向でもある- - グラフ上では、X1軸は常にt=Xの直線に近づく様に変化しているのでこの言い方は見た目だけである))
ロケットの座標 t1-X1-O (t1はロケットの固有時間)では、固有時間が t1からdt1だけ増加すると、この微小時間に増加する速度 は a*dt1 である(ロケットの固有時間(t1)に対して等加速度)ので、速度vは速度の合成式により v(t1+dt1)=(v+a*dt1)/(1+v*a*dt1)=(v+a*dt1)(1-v*a*dt1)=v+a*dt1*(1-POWER(v,2)) (dt1が限りなく0に近くなるので) となる。
従って、dv=d(t1+dt1)-v(t1)=(a*dt1)(1-POWER(v,2))となる
即ち dv/(1-POWER(v,2)=a*dt1 となる。
即ち 1/2(dv/(1+v)+dv/(1-v))=a*dt1
この両辺を積分すると
1/2(LN((1+v)/(1-v)))=a*T1+C=ω (C=定数)となる。
従って、
ATANH(v)=1/2*LN((1+v)/(1-v))=ω
故に
v=TANH(ω)
t1=0のとき ω=0であるから C=0
故に
v=TANH(a*t1) - - - - (1)
また、t1とtの間には次の関係がある
dt=dt1/POWER((1-POWER(v,2)),1/2) - - - (2)
(2)に(1)を代入して
dt=dt1/POWER((1-POWER(TANH(a*t1),2),1/2))=dt1*COSH(a*T1) - - - (3)
この両辺を積分して
t=(1/a)*SINH(a*t1)- - - (4)
即ち a*t=SINH(a*t1)- - - (5)
(1)を変形すると v=SINH(a*t1)/COSH(a*t1)=SINH(a*t1)/POWER((1+POWER(SINH(a*t1),2),1/2) - - (6)
(6)に(4)を代入して
v=a*t/POWER(1+POWER(a*t,2),1/2) - - - (7)
地球時間tの間にロケットが到達する距離をLとすると
vdt(但し(7)式のv)=を積分すれば良いので
L=(POWER(1+POWER(a*t,2),1/2)-1)/a - - - (8)
銀河中心までの距離は21,000光年だから
L=21,000光年=(3.0*PWER(10,8)m/秒)*(60*60*24*365秒/年)*21,000年=2*POWER(10,20) - - - (9)
(8)と(9)より
t=2.0*POWER(10,20)秒=21,000年 - - - (10)
(10)を(4)に代入して
t1=1/a*ASINH(1.1*POWER(10,-16)*2.0*POWER(10,20))=9.7*POWER(10,16)(単位はm)=3.2*POWER(10,8)(単位
はsec)=10年
即ち地球上の時計では21,000年経っているが、ロケットに乗っている人は10年しか経っていない。
細かい計算では、ロケットは光速の0.999倍に達するのに地球時間では21年(ロケット時間では3.4年)かかるので、このような有効数字2桁の計算では、光が走るのと同じ時間で到達することになるが、実際には有効数字を6桁にして計算すれば、ロケットの方が0.95年遅く到達する計算になる。即ち21,000.95年で到達する。
地球の引力の大きさがこれほどだとは思っていなかった。
ニュートン力学的に、光速まで加速して、その後は光速で進むと考えると、ロケットは 光より0.48年遅く到達することになるが、実際は上記の計算のように、それより更に0.47年遅れることになる。
以上の様にSINH、COSH、TANH の双曲線関数 は相対性理論には欠かせない関数の様である。
また、等加速度というのは、ロケットの固有時間 t1 の 無限小時間にのみ存在するロケット上の加速度(上記の(1)式の過程で出てくる)であり、地球上の時間 t での加速度 と ロケットの固有時間 t1 での加速度は以下の通りであり一定加速度ではない。
dv/dt=a/POWER(1+POWER(a*t,2),3/2)
dv/dt1=a/POWER(COSH(a*t1),2)
dv/dt1の加速度をこの式により計算すると以下の如くなる。
t1=1秒(a*t1=(1.1*POWER(10,-16)*POWER(m,-1)*3.0*POWER(10,8)*m/秒)後では:a
t1=1時間後では :0.999999986*a
t1=1ヶ月後では :0.9927 *a
t1=1年後では :0.39 *a
t1=10年後(銀河中心に到着するとき) :0.000000004 *a
dv/dtの加速度では、更に小さくなる。この値の方が我々の感覚に合っている。何故ならば、dt1=dt*POWER((1-POWER(v,2)),1/2)であり、dt1 はvが光速に近くなるにつれて、dtより小さくなり、限りなく dtの0(零)倍 に近くなるからである。即ち尺度は常に小さくなり、0(零)に収斂する。一方、tは常に同じ尺度であるからである。
ちなみに
t=21,000年後 (銀河中心に到着するとき)の加速度)dv/dt=a*9.4*POWER(10,-14)となり、この値はdv/dt1のそれの0.000023倍となり、遥かに小さい値となる。
合掌
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏