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”靖国問題”に対する私見 - - 一仏教徒として(その2)

2006-10-22 22:56:57 | 宗教(主として仏教)について
“靖国問題”に対する私見 ---- 一仏教徒として (その二)

これからの世界を見るときに、東洋の哲学(ヒンズー教、仏教、儒教、道教、日本の固有の神道(氏神の神道))は、西洋文明にない、無暴力の抵抗 を 説き、世界の平和を実現するには、欠くことの出来ないものであると思います。
インドのガンジー(彼は、敬虔なヒンズー教徒でした)は、何の武器も持たず、自身の 断食 という無暴力の抵抗で、イギリスをも、インド国民をも 従わせ、インドの独立を達成しました。

日本も、先に先進国となった、アジアの先輩として、かって恩を受けた中国とインドに恩を返す番です。
東洋は、西洋には無い独自の優れた文化があります。この東洋の智恵を世界の平和と地球環境の問題解決に生かさなければなりません。

第二次大戦は侵略戦争です。それも恩恵を受けてきた、中国と、そしてインドまでをも侵略しようとしたのです。
靖国神社には、国の為に 尊い命を捧げられた250万人もの日本人が祭られています。
(強制徴用され戦死された韓国人の方も祭られていますが)
また一方で軍人勅語を自ら起草、押印し、“生きて捕囚の辱めを受けず”と全軍人に命令し、自身は “生きて捕囚の辱めを受けた”人も祭られているのです。
この人には、多くの日本人が、快く思っていないと思います。

大多数の国民が国の未来に明確な意見を持ち、それを発信できるようにならないといかなる国も過ちを犯す と いわれています。
昭和20年(1945年)までの日本を考える時、大多数の国民は生活に追われ十分な教育を受け教養を持つことが出来なかったと思います。
したがって上述の陸軍の暴走を止めることが出来たのは、知識人であったと思います。
しかし日本の知識人とマスメディアは “陸軍の暴走を止めることが出来なかった” ということを十分に認識して来なかったと思います。
仏教界は漸く認識して来ていると思います。
このことを十分に認識し得ないままで、日本が自衛のためとは言え、軍備を持つことに、東アジアの国は脅威を感じるでしょう。もし私が中国人ならば日本が今の段階で軍備を持つことに反対するでしょう。
もう2度と過去の過ちを犯さないという固い意志が国の方針として感じられるまで許せないと思います。

また日本人は、上述の復古神道を過去の苦い経験として、別れを告げるべきです。
この“靖国問題”を早く卒業して中国やインドと手を携え東洋の智恵を世界の平和と地球環境の問題解決に生かす時だと思います。

最後に皇室について一言触れておきたいと思います。
古事記、日本書紀をよりどころとすれば、現在の平成天皇は第125代目であります。
歴代の天皇の中の多くの方々が、熱心な仏教信者でした。
聖武天皇をはじめ、桓武天皇、嵯峨天皇、花山天皇、亀山天皇、後醍醐天皇、後土御門天皇、等々多くおられます。
また皇子では、空也上人(醍醐天皇の第三皇子)、時宗(じしゅう)の第14世遊行上人 尊観上人(後村上天皇の皇子)、時宗の王阿上人(後嵯峨天皇の皇子)、時宗の上人となられた宗尊親王(後嵯峨天皇の皇子)、等々、お坊さんになられ、一生を仏教の布教に捧げられた方々も多くおられます。
皆様もご存知のように、聖徳太子(用命天皇の皇子)とその長子の山背大兄王は、仏教の教えをそのままに、生きられました。
復古神道により、神に祭り上げられた明治天皇以後の天皇の方々も、実は被害者であると思われます。
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