【私説・論説室から】
まだ無駄遣いが相当ある
2009年8月12日
財務省が民主党に提出した予算資料を入手した。国の二〇〇九年度一般会計と特別会計の合計二百六兆円について、公共事業や庁費、補助金などを費目別に総ざらいした資料だ。
民主党はマニフェスト(政権公約)で二百六兆円のうち、年金保険金などどうしても削れない分を除いた約七十兆円について、九・一兆円を削減する方針を明らかにしている。
A4判六十五ページに上るこの資料を見れば、国がどんな事業にいくら使っているのか一目瞭然(りょうぜん)だ。どの河川のダム事業に何十億円、これこれの調査委託費に何億円などと税金の使い道が全部出ているのだ。
国の予算に無駄や非効率が残っているのは、財務省が毎年実施している予算執行調査でも明らかである。にもかかわらず、当の財務省や自民党からは「民主党提案には財源がない」といった批判が相次いだ。
この資料はそんな財源論争に終止符を打つかもしれない。たとえば、役人天下りの受け入れ先になっている独立行政法人の施設整備費に対する補助金一つとっても、削減余地が相当あるのはひと目でわかる。
特別会計が各省の隠しポケット状態になって「役人は離れですき焼きを食べている」と批判されたのは、よく知られている。政権交代があろうとなかろうと、財務省はことしの予算編成から、一般会計と特別会計の費目別資料を開示すべきだ。 (長谷川幸洋)
政権交代して国民に向いた政治をしてほしいです。
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