11月16日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
成功するまで続ける
何事によらず、志を立てて事を始めたら、少少うまくいかないとか、失敗したというようなことで簡単に諦めてしまってはいけないと思う。一度や二度の失敗でくじけたり諦めるというような心弱いことでは、ほんとうに物事を成し遂げていくことはできない。
世の中は常に変化し、流動しているものである。一度は失敗し、志を得なくても、それにめげず、辛抱強く地道な努力を重ねていくうちに、周囲の情勢が有利に転換して、新たな道が開けてくるということもあろう。世に言う失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因があるように思われる。最後の最後まで諦めてはいけないのである。
筆洗
2013年11月15日(東京新聞TOKYOWeb)
▼十五世紀に活版印刷を発明したとされるグーテンベルクは、悩んだという。この技術は、本当に人々に幸せをもたらすのか。悪書をはびこらせることになるのではないか
▼二十一世紀に生きる私たちも、新たな印刷技術を前に悩むべき時が来たようだ。オバマ米大統領が言うように、3D(三次元)プリンターは、「ものづくりを革命的に変える可能性を持つ」からだ
▼人でもモノでも姿形を読み取り、そのデータを基に樹脂や金属などを少しずつ積み重ね立体的に“印刷”する。パソコンとスキャナー、3Dプリンターを使えば、工場でしか作れなかったものが、家庭でもできる。ドラえもんがポケットから取り出す「夢の機械」のようだ
▼ただ、夢には悪夢もある。米国の若者らが3Dプリンターを使い、プラスチック製の拳銃を作るデータをネットで公開し物議をかもしたと思ったら、今度は米企業がこの技術で市販のものをコピーし、金属製の拳銃を作ることに成功したという。家庭でも拳銃を作りうる時代が来つつあるのだ
▼問題の3Dプリンター製プラスチック拳銃は、技術革命を象徴する品として英国のビクトリア&アルバート博物館に収められたそうだ。主任学芸員が、その理由をこう語っている
▼「当博物館の務めとは、人々が自ら問うことを助けることなのです…この世をどんな世界にしたいのか、と」